USBメモリと同じようで異なる、USB接続のSSD。
USBメモリより遥かに高速に転送可能で、持ち歩くにも邪魔にならないサイズで移動が多いときにとても重宝します。
2242サイズまでのSSDに限定することで、サイズがとてもコンパクトなSSDエンクロージャー、ElecGear NV-2242A。
本体に直接USB TypeA端子が付いているので、そのままPCに差し込むことができてとても便利です。
このElecGearのSSDエンクロージャー、端子がTypeAとTypeCの2種類、対応するSSDがNVMeとSATAの2種類、計4種類がラインナップされています。
今回購入したのは、TypeA・NVMeのNV-2242Aとなります。
ElecGear NV-2242Aの外見、付属品
パッケージの中には、NV-2242A本体のほか、SSDサイズ変換アダプタ、ドライバー、熱伝導シート、ストラップ、マニュアルが入っています。
本体はアルミ素材を切削加工されているようで、加工精度はとても高く蓋も寸分違わず取り付けが可能で、ぐらつくことは有りません。
キャップにはマグネットが内蔵されており、本体と磁力でピタッとくっつきます。
キャップを使わないときは、磁力を利用してスチールのデスクなどに貼り付けておくことも出来ます。
表面は黒のアルマイト加工されており、本体側の縁は1mm弱程度角を落としており、高級感があります。
SSDの変換アダプタですが、長さを変更するためのもので、調整するサイズにあわせて基盤をカットします。
2230→2242、2260→2280、2230→2260、2242→2280、2230→2280の5通りの長さに調整可能です。
今回は2242サイズのSSDを利用しますので、変換アダプタは使いませんでした。
熱伝導シートですが、12mm×12mm、1mm厚のサイズのものが10枚入っています。
NVMeのSSDは熱を持ちますので、本体に熱を逃がすためにもSSDと本体のアルミケースが接着するように、熱伝導シートを重ねるなどして厚みを調整して利用しましょう。
今回は、付属のものではなく、手持ちの熱伝導シートを使用しました。
使用したSSDはWestern Digital製のSD SN520 256GBですが、コントローラーチップ側に2mm厚、フラッシュメモリ側に1mm厚を挟むとちょうどケースとぴったり接触できました。
基盤裏側には、JMicronのUSB3.1 Gen.2 to PCI-Express Gen3 x2ブリッジコントローラーのJMS583が搭載されていますが、こちらは1mm厚の熱伝導シートを載せると、裏蓋とぴったりでした。
SSDは何を選んだら良いか
ElecGear NV-2242Aに搭載されているブリッジコントローラーのJMS583ですが、PCI-E Gen3 x2の対応となりますので、理論値の帯域は16.0Gbps(2oooMB/s)が上限となります。
ただし、接続するUSBが3.1 Gen2ですので、最大10Gbpsが上限となりますので、ブリッジコントローラー側の帯域はあまり考える意味は有りません。
今回は、書き込み性能がUSB 3.1 Gen.2の理論値に近い、シーケンシャル最大読取2400MB/s、最大書込950MB/s、ランダムIOPS最大読取170K、書込120KというスペックのWestern Digital WD SN530を組み込むことにしました。
Amazonで販売されているものもありますが、中国?の聞いたことがないメーカーのものばかりでしたので、Western Digital製のSSDのほうが安心感は圧倒的です。
SN530使用時のベンチマークスコア
AMD B550のUSB3.2に接続した際のベンチマークスコアです。
Readは最大速度の半分以下ですが、USB3.1 Gen2の上限値10Gbpsに近い速度が出ているのでUSBメモリとは比にならないくらい高速です。
Write側はSSDのスペックの最大値に近い数値をたたき出しています。
ランダム性能も優秀で、持ち運べるサイズのUSB接続のデバイスでこれだけの速度が出れば十分かと思います。
なお、性能をフルに引き出すためには、10GbpsのUSB3.1 Gen2(またはUSB3.2 Gen2)に接続する必要があります。
USB3.0(USB3.1 Gen1、またはUSB3.2 Gen1)は5Gbpsが上限のため、ベンチマークでも500MB/s弱の速度しか出ません。
気になる動作時の温度
発熱が大きいNVMeのSSDを使うだけあって、温度が気になるところです。
Crystal Disk Markのベンチマーク実行中の温度を、放射式温度計で測定してみました。
最大で50度弱くらいの表面温度となります。
触るととても熱く感じるけど、やけどするほどでもない、といった温度でしょうか。
SN530のサーマルスロットリング発動温度は85℃とのことなので、まだ十分にマージンはありそうです。
ただ、外付けのデバイスですので、抜き取る際に50℃という温度は、あまり積極的に触りたくありません。
そのため、リング状のストラップが付属しているのだと思います。
リングに指をかけ引っ張れば、本体に触れずに取り外すことが可能です。
1000MB/sに近い転送速度、小型で持ち運びが便利、コネクタ付きでケーブル不要と、とても便利な一品。
ElecGear NV-2242Aで気に入っているところは、
- 2242サイズとしたことで、本体がとても小さくて持ち運び簡単
- アルミ素材のボディのため放熱に優れる
- USBコネクタが本体に付いているので、扱いがとても簡単
という点です。
特に、サイズの小ささとコネクタが付いているので直接PCに取り付けが可能な点は、とても便利。
長時間使っていると本体がかなり熱くなりますが、気になる点はそれくらいでしょうか。
高速かつ小型のUSBストレージを探している方には、お勧めの製品だと思います。
SSDを組み込む際に1点、重要な注意点です。
かならず、本体のアルミケースとSSDのチップが接触するよう、付属の熱伝導シートで調整してください。
厚みが足りないところは2枚重ねれば2mm厚になりますので、適宜調整して取り付ける必要があります。
熱伝導シートの厚みが足りず、ケースに放熱できない状態だと、SSD側の温度があっという間に上昇し、サーマルスロットリングが発動して動作が遅くなる、あるいは最悪の場合SSDの故障に繋がる可能性もありますので、注意が必要です。
評価
速度は申し分なく、最速の部類なので★5。
価格も割とリーズナブル、ケースの質感もアルミ削り出しなので★5。
ただし、発熱の多さだけはいかんともしがたいので、★-1の★4という評価にさせていただきました。
コメント