私の部屋で使っているエアコンはCS-228CGXというものなのですが、この室外機のファンの重心がずれてるらしく、かなりの振動が発生しベランダの床材を共振させてしまい、ベランダの真下になる1階のリビングでは低周波のノイズがものすごくうるさく、頭痛が起こるレベルです。
試しに防振ゴムをひいてみたり、コンクリートブロックを置いてみたりしましたが全く効果が出ず、すべて無駄でした。
室外機を変えるか、床置きではなく壁に付けないと無理か…と思っていたのですが、防振素材を変えてみたところ、嘘のようにピタッと騒音がやみました。
同じ悩みで困っている方もいるかもしれないので、私の対策についてお伝えしたいと思います。
ここでは、床置きの場合の対策と、壁掛けの場合の対策について説明しています。
壁掛けで説明している、タイカのαGEL MNタイプが優秀過ぎたので、床置きでもタイカ αGEL防振・制振マウントを使うのが最適解かもしれません。
結論
先に結論を言うと、
- 低周波振動にはゲルダンパーが最強。ただし屋外での使用に適さないものもあるので注意
- 防振ゴムは低周波振動に対応が難しいため効果が薄く適さない
- コンクリート平板はあった方が効果は増すが、ゲルダンパーのみで対応出来る場合は不要
という感じです。
室外機のファンは700~1500rpm程度?らしいので、そのまま振動が騒音になるとしたら12~25Hz程度と思われます。
これくらいの超低周波振動は柔らかいゲル素材の方が性能を発揮しやすく、実際いろいろな防振ゴムを試してみましたが、効果はかなり限定的で、ゲル素材の方が圧倒的な防振効果を発揮しました。
現時点で最もお勧めなのは、タイカ αGEL防振・制振マウントです。
これについては下の方で触れてますので、ご参照ください。
床置きの場合の振動対策① コンクリート平板&防振ゲルダンパー
床置きの場合、防振グッズと重量のあるコンクリート平板を使って振動を抑え込むことにしました。
今回購入したのは、
- ブリヂストン エアーダンパー WFタイプ WF4016 5個
- エクシール 防振・緩衝ブロック ゲルダンパー 15-50 4個
- コンクリート平板 60cm×30cm
となります。
エアーダンパーはコンクリートの重さに耐えられなく潰れてしまったので、最も加重がかかる部分だけ2個入れていますので合計5個となります。
ブリヂストン エアーダンパー WFタイプ WF4016
![](https://review.pastime.ne.jp/wp-content/uploads/2022/01/DSC_5339-768x512-1.jpg)
アルミ製のベースに、ゴム製ダンパーが取り付けられている製品です。
裏面には、1mmに満たない穴が空いており、ダンパー用のエアーはここから出入りします。
許容荷重100Nとなりますので、1kg重=約9.8Nということでだいたい10kgまで耐えられます。
エアコンの室外機はコンプレッサーがある側に重量が偏っており、右手前のダンパーは許容量を超えてしまい潰れてしまったので、2個まとめてセットすることにし、合計5個購入しました。
amazonでの取り扱いはないため、モノタロウのURLをご紹介しておきます。
https://www.monotaro.com/g/00408766/
エクシール 防振・緩衝ブロック ゲルダンパー 15-50
![](https://review.pastime.ne.jp/wp-content/uploads/2022/01/DSC_5344-768x512-1.jpg)
柔らかいゲルがキューブ状になった防振材です。
似たような防振材はいろいろありますが、屋外で使うには強度がなかったり、柔らかすぎて崩れてしまったりと微妙な感じでしたが、このゲルダンパーは耐荷重によって様々な製品がありますので、適切なものを選べばこのような心配はありません。
今回載せる予定の室外機はかなり軽いものでしたので、一番耐荷重が低い(=柔らかい)適正加重2~10未満の15-50を選択しました。
適正加重よりも重いものを乗せると潰れますし、軽すぎると振動が吸収されづらいので注意です。
このゲルダンパー、使用温度範囲が-20~80℃となっているので、関東であれば冬でも問題なく使えるのが良いです。
屋内利用専用のため、雨ざらしになる屋外での利用は非推奨となります。そのまま設置したところ、2年でかなり劣化してしまったので、出来ればアルミホイルなどで遮光し、さらにラップで巻くなどの対策を行った方が良さそうに思います。
ゲルダンパーのサイズは縦横ともに5cmあり、しっかりした大きさです。
なんか、羊羹みたいですね…。
室外機が重たい場合は、15-50ではなく適正加重10~20kg未満の30-50、あるいは20~30kg未満の50-50を選ぶと良いと思います。
コンクリート平板 60cm×30cm
室外機をそのままベランダに置くと、ベランダの床材が共振してしまうため、振動を抑えるためにコンクリートの平板を間に挟むことにしました。
下から、床→エアーダンパー→コンクリート平板→ゲルダンパー→室外機という構造になります。
コンクリート平板はホームセンターに行くと売っていると思います。
サイズは60×30cm、重量にして25kg程度のものを購入しました。
設置してみる
![](https://review.pastime.ne.jp/wp-content/uploads/2022/01/DSC_5347-768x512-1.jpg)
雨のあとなのでかなり床が汚いのですが…。
上から室外機、ゲルダンパー、コンクリート平板、エアーダンパーとなります。
ゲルダンパーと室外機、エアーダンパーと床との間には、前に使っていた防振ゴムを入れてみました。
この状態で室外機を回してみたところ、今まで発生していた振動が嘘のように消え、何の音もしなくなりました。
なんといってもゲルダンパーの振動吸収力がものすごく、コンクリートブロックに伝わる振動はほぼありません。
さらにコンクリートブロックと、それを支えるエアーダンパーが振動を完全にシャットアウトし、床に伝わる振動は皆無となりました。
これで、夏も気にせずエアコンを使うことができそうです。
エアコンの室外機の騒音に悩んでいる方、エアダンパーとゲルダンパーによる防振対策、おすすめです。
床置きの場合の振動対策② タイカ αGEL防振・制振マウント
既に壁掛けしてしまったために検証出来ないのですが、壁掛け時に使ったタイカ αGEL防振・制振マウント MNタイプがすこぶる優秀で、完全に低周波の振動・ノイズをシャットアウトできましたので、床置きの際はこれが最適解かもしれません。詳しくは下を参照ください。
壁掛けの場合は室外機が落下する危険性がありますが、床置きの場合は最悪倒れるくらいですので、危険性も低いと思います。
![](https://review.pastime.ne.jp/wp-content/uploads/2024/06/image-1024x585.png)
MNタイプは両端がM6雄ネジなので、床置きに使う場合は上部おねじ、下部プレートタイプのSFタイプという製品がラインナップされており、こちらの方が便利そうです。
6畳タイプなどの小型の室外機の場合、適正荷重(kg/4点)が13~30KgのSF-5が良さそうですが、大型の室外機では30〜50kg対応のSF-10の方が良さそうです。
壁掛けすることで問題解決になるか検証してみる
上記のゲルパッドで解決しましたが、定期的にゲルパッドを交換するのも面倒ですし、壁掛けにすることで根本的に解決するか試してみたくなったこともあり、壁掛けしてみることにしました。
壁掛けに必要なコストですが、金具代金と設置料金で概ね2万円弱、一度室外機からホースを外すので、ガス充填や再接続などで2万円弱、合計35,000円前後くらいが目安になりそうです。
単純に壁掛けしただけでは状況改善せず
壁掛け金具には、一応ゴムの防振パッドは備わっているのですが、見るからに効果が薄そう…。
案の定、振動が金具越しに壁に伝わり、今度は1階ではなく設置してある部屋の壁が低周波振動で共振し、騒音が発生するようになりました。
20~30Hz程度?と思われる低い音のため、頭が痛くなってくる音です。
我が家の外壁はALCでそこそこ厚みと重量がありますが、室外機の振動を押さえ込むには不十分だったようです。
室外機を壁掛けした際の対策を考える
室外機を壁掛けした場合、壁掛け金具を通じて壁に振動が伝わり、壁が共振して騒音が発生します。
そこで、室外機→壁掛け金具に伝わる振動をできるだけ押さえ込むと同時に、壁掛け金具と壁の間にも防振パッドを挟んで対策を行うことにしました。
超優秀、タイカ αGEL防振・制振マウント MNタイプ
【注意】
我が家は下がベランダの床になっている場所に壁掛けしているので、室外機が落下した場合でも危険がありませんが、高所に壁掛けしている場合は落下の危険がありますので、この方法は避けるべきと思います。
室外機からの振動対策にはゲルパッドが優秀なのは、床置きの際に解っていました。
室外機からの騒音は低周波なので、ゴム製品だとそこまでの低周波振動に対応しているものがないので、無力なのです。その点、柔らかいゲルパッドは振動対策には有効ですが、製品寿命がそこまで長くない、というデメリットもあります。
また、ゲルパッドの場合は単に置くだけになりますので、壁掛けでは使いづらいという点もあります。
何か良い製品がないかと探し回っていて見つけたのが、タイカの防振・制振マウント、MNタイプ。
買ってみて試したところ、これがまあなんとも素晴らしい。
なにが素晴らしいかというと、防振特製データを見てもらえば一目瞭然です。
![](https://review.pastime.ne.jp/wp-content/uploads/2024/05/image-1.png)
上記のグラフは、タイカのサイトから引用したものですが、一般的な防振ゴムが40Hz弱からの振動にしか効果が無く、伝導率の低減も80Hzでやっと-20dBと、あまりよくありません。
室外機からの振動はファン全開時に25Hz程度と想定されますので、防振ゴムだと+20dBと共振してしまって無意味どころか悪手になってしまいます。
これに対しαGELは16Hz程度から効果を発揮し、40Hzで-20dB、80Hzでは-40dB近い伝導率で圧倒的な防振特性を示します。
これは期待できる…。
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購入したのは、MN-5を2つと、MN-7を2つ、あとは固定用のナットを8つとなります。
上の写真のように、中心にαGELを挟み込んだ形状になっており、上下はM6ネジになっていますので、室外機を固定することが可能です。
重心が偏った物体の保持はメーカーNGな方法ですが、背に腹は代えられません。
MNシリーズは、荷重によって4種類の製品がラインナップされています。
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エアコンの室外機は、コンプレッサーなどの重量物が収まっている右側に重量バランスが偏っており、左側はかなり軽いのです。
6畳用のエアコンの室外機なので重量はおよそ20Kgなのですが、重量のかかる右側はMN-5ではなくもう一つ適正荷重が高いMN-7を使うことにしました。
αGEL防振・制振マウント MNタイプを室外機に取付
![](https://review.pastime.ne.jp/wp-content/uploads/2024/05/IMG_8899-edited.jpg)
取付方法は簡単で、M6ナットを使って室外機と壁掛け金具に固定するだけ。
ゲルが思ったより柔らかいので、室外機に触れるとゆらゆら動きます。上記でも書きましたが、室外機が高所に設置されている場合、落下して事故が発生する可能性がありますので、αGEL防振・制振マウントのみで室外機を固定するのは危険かと思います。
万一落下しても人がけがをすることのないような低い場所での利用には、この方法は有効かと思います。
壁掛け金具と壁の間にエアダンパーを設置
![](https://review.pastime.ne.jp/wp-content/uploads/2024/05/IMG_8912-edited.jpg)
壁掛け金具が壁と節する部分には、調整可能な脚が取り付けられています。
その部分にエアダンパーを挟んで、振動を吸収するようにしてみました。
これ単体では劇的な効果はありませんが、αGEL防振・制振マウントと組み合わせると完璧でした。
低周波の振動・ノイズが嘘のように完全消滅
いやー、タイカのαGEL防振・制振マウント、超優秀です。
スペック表にもあるとおり、低周波から減衰効果があるだけに、今まで悩んでいた室外機の振動を完全にシャットアウトすることができました。
長年試行錯誤してきた振動対策ですが、壁掛けとαGEL防振・制振マウントの利用で完全解決に至りました。
室外機ファンのバランスを調整する
振動を抑えるには、そもそも振動しなくなるようにすれば良いのです(当たり前)。
というわけで、振動の元のファンブレードをどうにか出来ないか、試行錯誤してみることに。
まずは、室外機のパネルを外します。メーカーにもよると思いますが、ファンガード部分のみを取り外せる場合もありますし、前面パネルを全て取り外す必要がある場合もあります。
ビスでとめられているだけなので、分解は比較的簡単です。
使っているビスの種類が違う場合があるため、どこから取り外したビスか解るようにしておくと良いかと思います。
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上は既にウェイト調整済のものですが、ファンブレードには、ビスを固定する穴が空いており、重心がぶれないようにビスを使ってバランスを調整しています。
メーカー出荷時にある程度調整はしているのですが、それでも振動が激しい場合もあります。
バランス調整ですが、ファンを取り外し、ボールの上に載せてどの方向に傾くか確認してウェイトを調整しました。
![](https://review.pastime.ne.jp/wp-content/uploads/2024/05/IMG_8809-1024x769.jpg)
調整で使ったのは、古のボールマウスのボールと、適当な台(塗料のキャップ)。
この上に、取り外したファンの軸部分が中心になるように載せ、どの方向に倒れるか確認します。
倒れる方向=重たいので、反対側にウェイトを載せて調整すれば良いだろう、という考えです。
![](https://review.pastime.ne.jp/wp-content/uploads/2024/05/IMG_8808-1024x769.jpg)
倒れる向きを確認する際、ファンが水平になっていないと意味がありません。
そこで、オーディオテクニカのアナログプレーヤー用水平器を使って水平状態になるように調整し、水平になった状態から計測を行いました。
といっても、この方法は完璧ではなく、そもそも水準器を置くファンの軸部分が平らでない可能性や、軸の穴が微妙に斜めになっている場合には、調整しきれません。
そこはファンを取り付けた後、微調整を繰り返すほかありません。
ウェイトには厚めのスペーサーを噛ませました。
結果、振動はかなり減らすことができ、床に伝わる振動も激減しました。
まずは室外機のファンを対策してから、防振材などを使って対策するのが良いかと思います。
【注意】
室外機のパネルを外しますので、保証期間中などは避けたほうが良いかと思います。
また、試運転でビスの位置を調整する際、パネルを外した状態で運転する場合は決してファンには触れないようにしてください。
かなりの高速で回転していますので、とても危険です。
危険防止のためにも、数カ所のビス留めでパネルを固定できますので、面倒でも毎回パネルは固定することをお勧めします。
しかし、パナソニックの室外機って、ファンの枚数が2枚なので振動が出やすいような気もします。
他のメーカーでは熱による変形が起こりにくい金属製の3枚羽根のものもありますので、安価で小型の6畳用室外機といえども、振動対策はきちんと行ってほしいところです。
コメント
こんにちは。参考にさせていただきたいと思います。
こちらのコンクリート平板なのですが他に代用できそうなものはありますでしょうか。あまり重くないもので代用できればありがたいのですが。また、ゲルタンバーが一番効果を感じたとのことですが、ゲルタンバーのみでエアタンバーを使用しない方法も効果はありそうでしょうか。
重量物を置いて振動を抑え込むことを目的としているので、コンクリート平板が一番かと思います。
重くないものだと、共振してしまうと思いますので。
ゲルダンパーだけでも行けると思いますが、私の場合は振動が大きかったので、コンクリート平板を併用しています。