私の車にはセルスター工業のAR-W53GAを取り付けていましたが、さすがに古くなってきて対応できない取締機も増えてきましたので、最新機種であるAR-925AWに買い換えてみました。
セルスター工業のAR-925AWは、2025年2月に発売された最新モデルで、従来モデルから大幅な進化を遂げています。
AR-925AWの進化内容
新型取締機「JMA-520/JMA-401」への対応
AR-925AWの最大の強化点は、新型レーザー式取締機「JMA-520」および「JMA-401」に対応した点でしょう。これらの取締機は従来のレーダー波とは異なる周波数帯を使用するため、旧モデルでは検知が難しかったのですが、AR-925AWはアンテナ改良により受信周波数を拡張することで対応を図っています。
レーダー波の特徴を識別し、取締機ごとに異なる警告音を設定できるため、ドライバーは即座に状況を把握することが可能です。
実際に、埼玉県北本市のセンシス製小型オービスSSSでのテストでは、440m手前から警報を発する安定した受信性能を発揮しています。
旧モデルであるAR-824AWはMSSS(移動式オービス)に対応していたものの、JMA-520/401の検知は未対応でした。AR-925AWはこの点を克服し、より広範な取締機に対応する信頼性を確保しています。
レーダー受信性能200%アップ・誤報60%カット
AR-925AWは、従来モデル比でレーダー受信性能が200%向上し、誤報を60%削減する新設計を採用しています。自動販売機や特定車種(例:マツダ車)から発せられる電波を取締機の電波と識別するアルゴリズムが強化され、誤報の発生を大幅に低減しています。
新設計フレデリックスレンズVer.2によるレーザー受信性能の向上
レーザー式オービスの検知性能についても強化されています。
AR-925AWは新設計のフレデリックスレンズVer.2を搭載し、従来モデル比でレーザー受信距離が120%、集光率が約3倍向上しています。
これにより、遠くからのレーザー光をより早く正確に検知し、受信レベルを「強・弱」の2段階で警告します。テキストと効果音の強弱で直感的に危険度を伝え、ドライバーの反応時間を短縮します。

AR-925AWの背面。左上にあるのが、レーザー受信用のレンズです。
ゾーン30プラスや半固定式オービスへの対応
AR-925AWは、ゾーン30エリアに加え、物理的デバイス(例:速度抑制装置)を備えた「ゾーン30プラス」を新たに警告対象に追加。フルマップ上にゾーン30エリアを表示し、GPSデータを随時更新することで最新の取締情報を提供します。
また、高速道路の路肩やゾーン30エリアに設置される「半固定式オービス」のポイントを1km手前と500m手前で警告する機能も搭載しています。
静電式タッチパネルによる操作性向上とWi-Fi対応
AR-925AWは3.97インチの静電式タッチパネルを搭載し、スマートフォンのような直感的な操作が可能。ピンチイン・ピンチアウトで地図の拡大縮小、フリックで待受画面の切り替えが可能です。
別売リモコン(AR-C14A)にも対応していますので、手が届きにくいところに設置した場合でも安心です。
さらに、IEEE802.11nのWi-Fiに対応していますので、家庭のWi-FiやスマホのテザリングでGPSデータを自動更新。microSDカード不要で、車内や自宅で簡単に最新データにアクセスできます。

3.97インチの大型液晶を採用しているので、AR-W53GAと比べるとこれくらいサイズが違います。
AR-W53GAに付属するリモコン(AR-C14A)もそのまま利用可能です。
インテリジェント安全運転評価機能(IGT)
新機能として、インテリジェント安全運転評価機能(IGT)を搭載。走行速度や場所、時間に応じて安全か危険かを判断し、最適な警告を動的に変化させます。これにより、状況に応じた適切なアラートでドライバーの注意を効果的に喚起します。
従来製品と互換性が高いため、入れ替えは容易
レーダー探知機といえばセルスターかユピテルが有名ですが、今回セルスターの最新モデルに入れ替えたのは、既存の配線がそのまま活用できる、という点につきます。
というのも、ヒューズボックスから電源を分岐させ、ダッシュボード内部に配線を隠していますので、再度配線をやり直すのがとても面倒なのです。
その点、セルスターの製品はマウントおよび本体のコネクタがAR-W53GAと同一のため、配線は既存のものを使い、本体のみ交換が可能です。
これはとてもありがたい仕様です。


左が交換する前のAR-W53GA、右がAR-925AWです。
マウントおよびケーブルはそのままなので、交換はとても簡単です。
ディレイが2秒以上あり残念なスピードメーター表示
いろいろと進化したAR-925AWですが、スピードメーターだけはいただけません。というのも、ディレイが2秒以上あり、交差点などで停止しても速度表示は30km/hあたりを示しており、停止2秒後くらいにやっと0km/h表示になります。
全ての速度表示において2秒程度のディレイがありますので、取締機の直前で速度を変えた場合に、正しく速度を認識できていないのでは?という気もします。
いろいろ機能を詰め込んだのはいいけども、CPUの処理が追いついていいないのか、ソフトウェアの作りが悪いのか、原因はわかりませんが、とにかく速度表示に2秒以上ズレがあるのは認識しておいた方が良いです。
タッチ操作もモッサリしている印象があるので、どうも機能の割に処理が追いついていないような印象を受けます。
評価
セルスター AR-925AWは、JMA-520/401への対応、レーザー・レーダー受信性能の大幅向上、誤報低減、ゾーン30プラスや半固定式オービスへの対応など、旧モデルから飛躍的な進化を遂げています。
静電式タッチパネルやWi-Fi更新による操作性の向上も評価できる点と思います。競合のユピテルやブリッツと比較しても、誤報精度や総合性能でトップクラスで、データ更新が無料というのはセルスターの大きなメリットでしょう。
唯一の不満は、やはり2秒以上ある速度表示のディレイです。これさえ解消されれば、★5の満点評価だったのですが。
ちなみに、起動時に表示される天気予報が地味に便利です。

コメント