ライザーカードを使ってビデオカードで隠れてしまったPCIeスロットを有効活用する

5.0
PCパーツ

ビデオカードのクーラーが干渉してPCIeスロットが使えない

ゲーム用PCのマザーボードはASRockのB550 Steel Legendなのですが、このマザーボード、m.2スロットが2つしかありません。
合計3枚のNVMe m.2 SSDを装着しているのですが、うち1枚はPCIeスロットをm.2に変換するアダプタを使用しています。

このアダプタはPCIe x4を使用するタイプのものなのですが、問題はビデオカードのクーラーの厚みがあるためPCIe x4スロットが使用不可で、使えるPCIeスロットが最下部のx1のみのためSSDの速度が低下してしまう点です。

CPUに近いPCIeスロットはGen4 x16スロットで、ここはビデオカード用となります。
1スロット空けてGen3 x1、その下にGen3 x4(形状はx16)、最下段がGen3 x1という構成です。
m.2変換アダプタはGen3 x4スロットに装着するのが一番良いのですが、RTX5080のクーラーが上を覆ってしまうため、物理的に装着できません。
仮に装着できたとしても、ビデオカードのファンを塞ぐ形でm.2変換アダプタを取り付けるのは避けたいため、どうしても最下段のx1スロットを使わざるを得ない状況です。

最下段はPCIe Gen3 x1という仕様ですので、帯域は8GT/sとなります。このため、実際のデータ転送速度は約985MB/s~1GB/s(理論値)であり、オーバーヘッド分を考えると900MB/sを切るあたりの転送速度しか出ません。

SSDはBiwin NV7400 4TBを使用していますが、ベンチマークで計測するとシーケンシャルリードで900MB/s弱となっています。SSD自体のスペックは最大読込速度7450MB/sとなりますが、12%程度の速度しか出ていません。

ライザーカードでPCIeスロットを“移動させる”

PCIeスロットが物理的に塞がっているのであれば、別の場所に移動してやればよいのです。
ということで、背丈が低いライザーカードを購入して、PCIeスロットを引き出すことにしました。
いろいろ探して購入したのが、10Gtekのライザーカードとなります。

購入の決め手になったのは、差し込み側が15mmと高さが押さえられている点です。ビデオカードを取り付けた状態でライザーカードが差し込めるかどうかは試してみないとわかりませんので、できるだけ高さが低いライザーカードを購入しました。

10Gtek PCIE 3.0 x4 ライザーカードについて

ライザーカードはこんな形状のものです。PCIeスロットに差し込み、信号線を延長して離れた箇所にカードを取り付けることが可能です。

PCIeスロットにライザーカードを差し込んだ状態で、どれくらい飛び出るのか計測しました。
デジタルノギスで計測したところ、7.51mmとなりました。かなりスリムなライザーカードかと思います。

ライザーカード自体は15mmちょっとという高さですので、半分くらいスロットに埋もれる感じです。

ライザーカードを取り付ける

早速、マザーボードに取り付けてみます。
取り付けるのはPCIe x16形状のスロットですが、信号自体はx4までとなります。
取り付けるとこんな感じになります。

ビデオカード(ZOTAC GAMING GeForce RTX 5080 AMP Extreme INFINITY)を取り付けてみました。
ビデオカードのクーラーの下にPCIeスロットが完全に隠れていますが、ライザーカードが干渉することもなく、問題なく取り付けることが可能でした。

ライザーカードを取り付けるため、PCIe m.2変換アダプタのカード位置を変更します。
ブラケットのネジを外し、このように基板を上部に移動して固定しました。
ロープロファイルのブラケットを使うのが良いのですが、使わないと思って捨ててしまったため、このような方法で対応することにしました。
あとは、ライザーカードのPCIeスロットにカードを装着し、適当な箇所にカードを固定すればOKです。

PCIe x1→x4で転送速度は4倍に

帯域がx1からx4に増えましたので、転送速度も約4倍となりました。
Gen3のPCIeスロットのため、SSDのフルスペックの50%程度の速度ですが、以前の状態よりは遙かにマシと言えるでしょう。

ビデオカードのクーラーでPCIeスロットが塞がってしまった場合、ライザーカードを使うことで問題を回避できることもありますので検討してみてはいかがでしょうか。

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