仕事用のPCには、エアフロー重視でCorsairのCrystal Series 680X RGBを使っていますが、ゲーム用PCは机の内側、足元に置く関係でできるだけコンパクトなケースを探していました。
そんな中見つけたのが、FRACTAL DESIGNのTorrent Compact。
もともとTorrentは気に入っていたのですが、流石に大きいなぁ…と思っていたところ、一回り小ぶりになって登場したのがこのTorrent Compactです。
仕様や組立方法についての詳細なレビューはたくさんありますので、私が組んで思った感想をレビューしてみたいと思います。
現在のTorrent Compact。
足元に置くので光る必要はまったくないのですが、買ったパーツがどれもこれも光るので、こんな感じになっております…。
エアフローは絶大、とにかく冷える
Torrentといえば強力なエアフローが売りなケースですが、Torrent Compactでもそのコンセプトはしっかりと受け継がれており、180mm✕38mm厚の2基のファンが生み出す強力なエアフローで、RTX3090の熱気もガンガン排出してくれます。
ファンのエアフローの量を稼ぐには口径はもちろん、厚みも重要です。
標準は25mm厚だと思いますが、Torrentに装着されているのは38mmもの厚さを誇ります。
このファンが2基ついており、メッシュ状になった通気性の良いフロントパネルからガンガンエアーを吸い込んでくれます。
今どきの、全面がガラスになったケースはガラスがあることで吸気不足になり、窒息状態(吸気が足りずエアフローが十分ではない状況)を生み出します。
熱を発するパーツが多いPCには、Torrent Compactの強力なエアフローはとても安心です。
ボトム部は12cmファン、14cmファン、18cmファンが取り付けられるような構造になっています。
ただ、ここにファンを取り付けると拡張カードの設置がかなり限られるので、悩みどころです。
とにかく小さい!ATXケースがギリギリ入るサイズ
Torrent Compactの売りでもあり、弱点でもあるのが、ギリギリな寸法。
これは組み替えている途中の様子ですが、左はCorsairのGraphite 660Tというケース。
フルタワーに近いミドルタワーケースなのでかなり大柄なのですが、これと比べるとTorrent Compactの小ささが際立っています。
ドライブベイがなくなっている分奥行きがぐっと小さくなっていますが、マザーボードまわりのスペースもかなりギリギリです。
組み込んでみた状態がこちら。
ビデオカードは玄人志向のRTX3090ですが、これくらいであれば十分取り付け可能です。
4090になるとフロントのファンを1つ外すか、水冷モデルを選ぶ必要があると思います。
ラジエーターのホース取付部を逃がせるように、電源ユニットと12cmファンの取り付け部分の間に若干のスペースが確保してあるのがありがたいです。
ケースによっては、電源ユニットに干渉してしまい、ラジエーターの取り付け向きが限られるものがあったりしますので。
フロントパネルが簡単に脱着可能で、とにかく掃除が楽
これはかなりポイントが高いです。
フロントパネルを簡単に取り外しでき、防塵フィルターの取り外しも簡単ですので、掃除をする際にとても便利です。
裏配線スペースが狭すぎる
裏配線スペースは、公称20mmしかありません。
ATX電源ケーブルは直径20mmくらいありますので、完全にギリギリというか、押し込まないと入らないレベル。
ケーブルがクロスすると当然厚みが増しますので、ケーブルマネジメントはかなり考えて行う必要があります。
初心者におすすめしない、という最大の理由はここで、組むのに慣れている人でもこの”薄さ”はかなり厄介です。
せめてあと+5mmしておいてくれれば…。
何も考えずに配線すると蓋が閉まらないのは確実だと思いますので、太い、配線し辛いケーブルを優先しつつ、ケーブルレイアウトを考える必要があります。
また、必要に応じて延長ケーブルなどを用意し、ケーブルが重ならないように工夫する必要があります。
組むのはコツがいるが、満足度は高い
小型のATXケースであるにも関わらずRTX3090クラスのビデオカードの排熱にも余裕で対応可能、という稀有なケースであることは確かです。
デザインもTorrentの特徴を受け継いでおり、いかにもFRACTAL、といったシンプルさが際立っています。
ケースのエアフローが強力なので、Automatic1111でAI絵生成を連続稼働させても、ビデオカードの冷却も問題ありません。
よく出来たケースだと思います。
ただ、裏配線スペース、あと5mmほしいです…。
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