Fractal DesignのMoodで使用する電源として選定したのが、CorsairのSF850。
80PLUS Platinumを取得した高効率な電源ユニットです。
高出力+コンパクト
最大出力850Wという容量を、筐体寸法100×125×63.5 mmという非常にコンパクトな小型のSFXフォームファクタで実現した電源ユニットで、Moodのような小型ケースで使うにはとても便利です。
小型なMini-ITXケースに、強力なGPU+高性能CPUを載せた際に「電源足りてるかな…」という懸念を減らせる、十分な出力を持っています。

12VHPWRは600W対応のケーブルなので、RTX5090クラスも利用可能です。
850Wのほかに、750W、1000Wのモデルもラインナップされていますので、RTX5090のようなパワフルなGPUを使う場合にも対応可能です。
高効率・安定性
Cybeneticsテストにおいて、効率はPlatinum、ノイズはA-という評価を得ています。
Platinumは115Vにおいて約89%以上の効率が必要ですが、SF850の実測データとしては、115 V時は約 90.95 %、230 V時は約 92.52 %という平均効率を記録しており、Platinumの規格を上回る性能を叩き出しています。
80PLUSでは50%負荷あたりで約92%以上(115V時)を満たす必要がありますが、こちらもクリアしており、Cybeneticsおよび80PLUSともにPlatinumを取得しています。
低ノイズ
筐体サイズが小さいSFX電源ユニットなので、搭載しているファンも92mmと、一般的なATX電源の120~140mmと比べると口径の小さいファンを搭載しています。
一般的に、ファンの口径が小さくなるにつれ風量も下がるため、冷却のためには高回転=ノイズが発生しやすくなります。
しかし、SF850は先ほど説明したように効率が良いため発熱も少なく(電力変換の際のロス=発熱が少ない)、少ない風量でも冷やすことが可能。
さらに、低負荷から中程度の負荷までファンを自動的に停止する機能もあるので、騒音をゼロにすることも可能です。
ノイズについては、Cybenetics A-(約25 dB(A)~30 dB(A))という評価を受けており、十分に静音といえる電源かと思います。
実際に使用してみても、水冷ポンプの騒音の方が大きいくらいで、ノイズについてはまったく気になりませんでした。
最新規格に対応
ATX v3.1/SFX12V 4.1準拠、PCIe 5.0に対応し、12VHPWRなど最新のGPU電源が要求する規格に対応しています。
フルモジュラーケーブル設計でケーブル管理もしやすく、不要なケーブルをケース内に押し込む必要も無いので、内部配線をスッキリ仕上げたい構成に適しています。
今回は、ケース内容量が激狭なMoodを使いましたので、フルモジュラーケーブル設計は必須となります。

モジュラー端子。電源サイズ自体が小型なこともあって、ATX規格の電源ユニットよりも小さいコネクタが採用されています。

モジュラーケーブルは十分すぎるほど附属しています。
ペリフェラル端子、今どき使うことはあるのだろうか…。
PCI-E8ピンは6+2に分割可能、CPU8ピンも4+4に分割可能です。
ケーブルは1本ずつスリーブ加工されているので曲げやすく、配線しやすいのがメリットです。
Moodに組み込んでみた

組み込んでみたのがこちら。
最低限のケーブルだけで済ませられるフルモジュラーケーブル設計なので、かなりケーブルマネジメントが楽です。
中が狭いケースですが、余裕を持ってケーブル配線できました。
こんな方におすすめ
SFX対応電源の中でも比較的高価な製品ではありますが、使用しているパーツ、高効率などの性能の高さ、フルモジュラーケーブル設計、使いやすいモジュラーケーブルなど、価格に見合うだけの品質はあると思います。
特に、サイズに制約のあるMini-ITXマザーを使ってコンパクトかつパワフルなPCを組む場合の、最良の選択肢となることは間違いなしだと思います。
一回りサイズが大きい、SFX-Lに対応したSF850Lという製品もありますが、こちらは80PLUS Goldまでの対応となり、ケーブルもスリーブ加工されていませんので、かなり中身が違うようです。
電源サイズが小型だとケーブルマネジメントもやりやすいので、個人的にはSF850はかなりお勧めできる電源ユニットだと思います。















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