純正のホイールもデザインは悪くないのですが、前から気になっていたCI-Rホイールを購入することができましたので、取り付けてみました。
BBSについて
元々はドイツで1970年に創業したBBS Autotechnik GmbHがルーツとなります。ドイツでは2021年にKW Automotive GmbH(ドイツのサスペンション専門メーカー)によって買収され、その後も同社の子会社として運営されてきました。2024年にドイツ本社が破産申請を行いましたが、2025年3月にKW AutomotiveがBBSのブランド権、アフターマーケット事業、およびSchiltachとMalschの工場資産を再取得して、再スタートを切っています。
日本では1983年にドイツのBBSと日本のワシマイヤー社(現BBSジャパン株式会社)が技術提携・共同出資により設立されたのが、BBSジャパンとなり、日本法人とドイツ法人は別の会社となります。
法人としては別となりますが、技術提携のパートナーシップを維持し、BBSブランドを共有して協力関係にあります。
特に、日本BBSは鍛造アルミホイールやマグネシウムホイールの製造を専門とし、ドイツBBSでは低圧鋳造(low-pressure casting)やフロー形成(flow forming)による鋳造ホイールを製造しています。
鍛造?鋳造?フロー形成??
ホイールと言えば鍛造でしょ!という鍛造信仰も強いと思いますが、鋳造にもいろいろな方法があるようで、CI-Rが採用するフロー形成(Flow Forming)も鋳造の一種です。
フロー形成とは、低圧鋳造をベースにリム部を回転圧延成形することにより、リム部の金属密度を高め、薄肉化が可能となります。また、圧延成形することで金属組織を均一・緻密化し、気泡の発生を抑えるため、剛性対重量比が優れるのも特徴です。
また、鋳造ベースなので鍛造のような高圧プレス工程が不要でコストを抑えやすいことと、複雑な形状(コンケーブYスポークなど)が作りやすく、BBSではUnlimited Systemと呼ぶ仕組みでPCD、オフセット、カラーを自由に調整可能となっています。
要するに、低圧鋳造と鍛造のいいとこ取りといった製造方法で、日本では鍛造ホイールが軽量・高強度で人気ですが、フロー形成は「鍛造に近い性能をコストを抑えて実現」可能な方法と言えるかと思います。

Vクラス(W447)にマッチングするホイール
BBS Japanの公式サイト(鍛造ホイール製品ページ)にて、V-Class(W447)は5H PCD/112規格の非互換車両リストに明確に記載されており、マッチング無し(適合外)となっています。
これはおそらくVクラスの軸重(特にリア)が1,550kg〜1,650kgと重たく、乗用車向けホイールの規格であるJWLでは軸重1,240kg〜1,470kgまでの対応となるため、JWL規格では適合外となってしまいます。
そのため、Vクラスのホイールには商用車向けのJWL-T規格が必要になるのですが、BBSでJWL-T規格に対応したホイールが存在しないため、全モデル適合不可、としているものと思われます。
ただし、これはBBSジャパンが製造するホイールに限定されるようで、ドイツBBSのサイトでは、Vクラス(W447)に適合するホイールを検索すると以下のモデルがリストアップされます。
- SX
- SR
- XR
- CH-R
- CH-R II
- CU-R
- CC-R
このうち、SX、SR、XRが鋳造モデル、それ以外がフロー形成モデルとなります。
JWLおよびJWL-Tは日本の規格のため、ドイツのBBSでは純粋にホイールの耐荷重と車両の軸重とのマッチングのみを考慮した結果を表示していると思われます。

KW automotive社のサイトで、Vクラス(W447)の適合ホイールを検索した結果です。CC-Rも魅力的なデザインではありますが、やはりシンプルなCI-Rのデザインセンスの良さが光ります。
8×19、PCD112/5H、ET44
Vクラス純正19インチホイールは、8×19、PCD112/5H、ET52というスペックです。
今回購入したCI-Rは8×19、PCD112/5H、ET44となります。タイヤが245/45R19なので幅的には8.5Jあたりがちょうどよいのですが、純正ホイールと同じ8Jのものをチョイスしました。
オフセットが52→44と変化しますので、外側に8mm出ることになりますが、オフセットについては以前調べてかなり余裕がありますので、これくらいであれば車検も問題無く通ると思います。
ホイール交換を考えていた当初は20インチホイールにしようかと思っていたのですが、Vクラスはもともと商用車ということもあってか乗り心地がかなり固めで、20インチにするとタイヤの扁平率が45→40になるため、突き上げ感が悪化しそうな気がしました。あと、扁平率下げるとホイール擦りそうですしね・・・
ということで、ホイールサイズは変えずに19インチのままとすることにしました。あと、REGNOを取り付けているので、タイヤが使えなくなるのも痛いですし。
固定用ボルトは別途購入が必要
ベンツ純正のホイールは球座面ボルト(R14)となります。これに対し、BBSのホイールは60度テーパーボルトとなりますので、流用できません。
ボルトのスペックはM14×P1.5(1.5mmピッチ)となります。首下は28mm~30mm程度ですので、適合ボルトを購入しておく必要があります。
BBSの純正ボルトは高いため、協永産業のラグボルト ブラック M14×1.5 全長52mm 首下28mm 60°テーパー座 300B-17を16本用意しました。
ブラックメッキ仕上げですので、耐久性も良さそうです。

そこそこ高価なホイールなので、盗難防止用にロックボルトも購入しました。
ロックガードはBBS社製(マックガード社製OEM)のロックボルトセット、型番はPLBM6030BSでM14×1.5 60° 30mmとなります。

VクラスにCI-R サテンブラックを装着

購入したのはこちらのホイールです。純正ホイールと並べてみました。
車がホワイトなので、ホイールはサテンブラックをチョイス。リムプロテクターがクローム仕上げでアクセントになっています。
ホイールが黒くなるとかなり引き締まった感じがします。
リム接合部がスリムになったので、見た目も精悍になって良いですね。また、コンケイブの立体感も増しているので、見た目のイメージがかなり変わりました。

真横から。格好いいホイールですねぇ・・・。
センターキャップはBBS 3Dロゴとなります。センターキャップ(エンブレム)だけで、定価27,500円・・・お高い・・・

ホイール近影。MADE IN GERMANYとJWLの表示があります。
さすがBBSホイールだけあってバランス良好で、バランスウェイトはごく少量のみ貼付られている状態です。
サテンブラックのホイールに合わせ、ロックナット、ボルト、バランスウェイトをすべて黒で統一しました。
バランスウェイトですが、整備工場によってはブラックのものを持っていないところがあります。ブラックのホイールに銀色のウェイトはかなり目立ちますので、ホイールと一緒に持ち込むと良いかと思います。
オフセットが52→44に変わった印象
8mmですが外側にホイールが移動しましたので、ツライチとはいきませんが見た目が思ったより変わりました。

ホイール交換後、フロントから見るとこんな感じ。
思ったよりも8mmの差は大きいです。
地面に白く残っている跡は、ポリッシュした際のコンパウンドです・・・

リアはこんな感じ。
良いですね。
満足度
ホイールも軽量になり、ばね下重量も減ってはいますが、さすがに重たいVクラスだけあって、ホイール変更に伴う違いは・・・うーん、わからん。といった感じです。
ただ、見た目は思いっきり変わります。特にVクラスはホイールの選択肢が少ないこともあって、ホイールを変えている方も少ないと思います。(そこまでこだわらない&純正ホイールも格好いい)
ということで、コストパフォーマンスを考えるとアレですが、こだわりポイントとしてホイールを変えてみる、というのはお勧めかと思います。
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