我が家は庭をドッグランにしているのですが、人工芝は肉球に良くないので天然芝を植えています。
小型犬ならいいのですが大型犬も走り回るし、穴を掘る、オシッコで枯れるなど芝生にとってはかなりシビアなコンディションで、芝生が剥げる→植え直す、を繰り返しています。
芝生も高麗芝、ティフトン、ティフブレアといくつかの種類を試してみた結果をメモとしてまとめておこうと思います。
ただし、地域や土壌の状態などによってもかなり変わってくると思います。また素人によるメモですので、あくまでご参考にどうぞ。
ドッグランに最適な芝生とは
ドッグランって、芝生にとってはかなり過酷な状況だと思います。
- 大型犬が走り回る際の芝生に対するダメージ(特に冬枯れおよびランナー定着前)
- オシッコによる濃度障害
- 穴掘り、ひっかく事による芝へのダメージ
- 殺虫剤、除草剤が使用出来ない
などなど、トラブルの元になる原因が大量です。
大型犬が走り回る際の芝生に対するダメージ
小型犬の場合はあまり問題になりませんが、大型犬の場合は芝生へのダメージもかなり大きくなります。特に、春先にランナーが伸びてきてもブチブチちぎれますし、冬枯れした芝生の上を走り回るとあっという間にむき出しの土になってしまい、土もカチコチに。
もちろん、この状態では翌年に芽も出にくいですし、出たとしてもすぐに踏み荒らされてボロボロになってしまいます。
走り回る中心部分が見事に剥げてしまっています。
ここまでダメージが大きいと、翌年になっても芽が出てきません。
穴掘り、ひっかく事による芝へのダメージ
さらに、穴を掘るのが好きな犬がいると、あっというまに大穴を掘ってしまいます。
どうやら土の中にいるコガネムシの幼虫?が気になるようで、あちこちを掘りまくる犬も。
穴を埋めるために別の場所から芝を移植しても、あっというまに掘り返してしまいます。
25kg程度の大型犬ですが、これくらいの穴ならものの数分で掘ってしまいます。
オシッコによる濃度障害
オシッコによる芝生のダメージも無視できません。
中~大型犬はオシッコの量も多く、広範囲(直径20cm程度)にわたって芝生が枯れてしまうことが多いです。しばらくすると復活しますが、オシッコを同じ位置にする犬の場合はなかなか芝生が復活しません。
水をかければいいのですが、たくさん犬がいる、あるいは長時間犬を庭に出しておくとなかなか難しいところです。
殺虫剤、除草剤が使用出来ない
殺虫剤や除草剤ですが、ペットが舐めても大丈夫、と謳っているものもありますがやはり使いたくないので、雑草は手作業で抜いていく必要があります。
なかなかしぶとい雑草もありますので、根気が必要です。
…といったいろいろな難題をクリアしつつ、芝生を維持していくためには、どのような芝が良いか?という点について説明していきたいと思います。
芝生の種類とメリット・デメリット
私が今までに植えた芝は3種類になります。
高麗芝
一般的によく見る芝で、ホームセンターで売られている品種になります。
シート状になったものが販売されていますので、土の上に置いて根を定着させます。
高麗芝ですが、メリットとしては購入しやすいことと、メンテナンスなどの情報が得やすい点となります。ホームセンターに行けば大抵のところで販売されていますので、入手性はとても良いです。
デメリットですが、他の品種と比べるととにかく成長のスピードが遅い点に尽きます。
剥げた部分に1枚植えてみました。
四隅にちょろっと見えるのは、ティフトンのポットを植えた物です。
1ヶ月経ったのがこちら。
ティフトンは猛烈な勢いで増えていますが、高麗芝はまったく広がっていません…。
じわじわ広がっているとは思うのですが、圧倒的なティフトンの繁殖力の前には無に等しいです。
これでは、ダメージを受けた箇所の回復にかなり時間がかかりそうです。
ティフブレア(センチ・スピードグラス)
ティフブレアは法面緑化などで使われるセンチ・スピードグラスの一種で、以下のような特徴があります。
- 草丈は10~25cm程度。
- ほふく茎の伸びが早く、密な芝生を形成する。
- 耐寒性が強く、米国ではー23.5℃までの越冬事例がある(従来のものは ー10℃程度でも越冬が困難である)。
- 春の萌芽はゆっくりだが、晩秋まで緑度を保つ。
- アレロパシー作用があり、雑草の発生や侵入を抑制する
- 土壌の適応性が大きく、pH4.2~8.5で生育可能。耐塩性もかなり強く、臨海部の緑化にも適する。
- 永続性に優れる。
※タキイ種苗株式会社サイトより引用(https://www.takii.co.jp/green/leaflet/tifblair.html)
芝といっても高麗芝のような細くとがった葉ではなく、ニラのような幅広の葉が特徴です。
ティフブレアを刈り取ったものですが、一般的な高麗芝とは全く異なる葉の形状なのがわかるかと思います。
葉が大きいこともあって、芝の密度が高いというか、あっというまに地面が葉でカバーされます。
また、先端がとがっていないので座ってもチクチクしないというメリットもあります。
ティフブレアは種をまくタイプの西洋芝なので、発芽してから育つまでは犬が走り回るのは極力控える必要があります。
種をまくとこんな感じで発芽してきます。
数ヶ月すると立派な芝生に成長します。
デメリットとしては、ランナーがなかなか地面に定着しないことと、犬が走り回るダメージを受けやすい、という点です。
ランナーは幅広でしっかりしたものが延びてくるのですが、なかなか根が地面に定着しません。
その状態で犬が走り回るので剥げやすく、翌年にはかなりの部分で土がむき出しになってしまいました…。
犬が走り回る部分には最強の芝生とも言えるティフトンを植えたのですが、いまではティフトンに全面浸食され、ティフブレアは庭の隅っこに少しだけ生えている程度に追いやられてしまいました。
特徴を見る限りは良さそうな芝なのですが、耐久性があまりなく、大型犬が走り回るドッグランには適さないようです。
ティフトン419
学校のグラウンドや競技場など、芝生への負荷が高い場所で使用される最強の芝が、ティフトン419。
成長がとても早いので、ダメージを受けてもあっというまに回復するのが特徴です。
ダメージを受けた箇所にティフトン419を植えた庭。
中央付近はティフトンが生い茂り、庭の端の方はティフブレアが生えている状態です。
翌年は完全にティフトンに占領されてしまい、ティフブレアは隅っこでかろうじて生えている状態まで追いやられてしまっています。
それくらい、ティフトン419の繁殖力は強いです。
庭の土がむき出しになったところに、ポッド苗を植えていきます。
肥料をたっぷり与えれば、あっというまにランナーが伸び、一面芝でカバーされます。
成長がとても早くダメージの回復も早いティフトン419ですが、さすがに大型犬が走り回る場所は厳しく、特に冬枯れしている間にズタボロにされてしまうと翌年は生えてきません。
ですので、ダメージを受けたところに毎年ポット苗を植える必要があります。
昨年は大型犬が多かったこともありかなりダメージを受けてしまったので、今年は冬はライグラスを植えてウィンターオーバーシードしてみようと考えています。
芝生の手入れについて
犬が走り回ると土が硬くなってしまうので、ローンスパイクでエアレーションが必要です。
いろいろなローンスパイクがありますが、この製品が力も入れやすく、使い勝手が良かったです。
結構力を入れて踏み込まないと穴が空かないくらい硬くなってしまっていました。
また、定期的に芝刈りが必要になりますが、芝刈り機は手動式が便利です。電動式だといちいちケーブル繋ぐ必要があって面倒なんですよね…。
手動式ですが、タイヤの回転で刃を回すのですが、芝が密に生えているところや雑草などを巻き込むと、刃が回らなくなってしまいます。
そういう場合は、タイヤに木ネジを打ち込んで、スパイクにすることでよほどのことが無い限り刃が回転するようになります。
水まきは放置でOKなスプリンクラーが便利です。
個人的にお勧めなのが、四角形に散水できるオシレートスプリンクラー。
扇状に散水するのですが、左右にいどうすることで四角い面積に散水することができます。
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