我が家のVクラス、保護犬の搬送によく使うのですが、ビビリすぎて車の中でうんち・オシッコをしてしまう、酔って吐く、糞尿で汚れたところにいたので激臭がする…ということも多く、臭い対策は割と重要です。
もう1台のエクストレイルは室内が洗える!という最強仕様なのですが、Vクラスはリアの窓も開かないのでどうしても換気能力が弱いのです。
幸い、3列目シート用のシガーソケットがスライドドア後部にあるのですが、使っていないのでここから電源を取って脱臭機を設置することにしました。
様々な脱臭方法とメリット・デメリット
脱臭方法はいくつかありますが、それぞれの方式の特徴、メリット・デメリットは以下の通りです。
オゾン脱臭
オゾン (O₃) は、強力な酸化作用を持つ酸素分子の一形態で、オゾン分子は不安定なため、他の分子と容易に反応し、有機化合物や臭気成分を酸化・分解します。オゾン生成器は、放電や紫外線照射によって酸素分子をオゾンに変換し、空気中に拡散させ、臭いを分解して脱臭します。
オゾンは非常に強力な酸化剤であり、多くの臭気成分を分解する能力が高いのが特徴。特に、煙やペットの臭い、カビ臭などの有機系の臭気に対して有効です。
オゾン脱臭のメリット
非常に強力な脱臭効果を持つため、短時間で効果が得られる。
臭気成分そのものを分解するため、再発生が少ない。
オゾン脱臭のデメリット
高濃度のオゾンは人体に有害で使用時の安全管理が必要だが、ポータブル型であれば問題はなさそう。
臭気によってはオゾンが適さない場合もあり、一部の化合物(アンモニア)には効果が薄い。
ナノイー脱臭
ナノイーはパナソニックが開発した技術で、空気中の水分を微細化したナノレベルの水分子に電荷を与えることで生成されます。ナノイーは、活性酸素や水素イオンを含み、臭気成分と結びついてその構造を変化させ、脱臭します。
ナノイーは、特にタバコや汗などの生活臭に対して有効ですが、オゾンと比較すると効果はやや弱め。臭気成分に反応して緩やかに分解するため、即効性には欠ける場合があります。
ナノイー脱臭のメリット
オゾンに比べて安全性が高く、長時間にわたる使用が可能。
微粒子レベルでの作用により、空気中の浮遊物質や菌類にも効果を発揮。
化学的な残留物を残さず、使用環境に影響を与えにくい。
ナノイー脱臭のデメリット
即効性に欠けるため、強い臭いに対しては時間がかかる。
特定の化合物や臭気成分には効果が限定的で、万能ではない。
吸着脱臭
吸着材(活性炭、ゼオライト、シリカゲルなど)を用いて、臭気成分を物理的に表面に吸着させる方法。多孔質の吸着材が分子レベルで臭気成分を捕捉し、空気中から除去することで脱臭します。
吸着材の種類や使用条件によって効果は変動しますが、有機化合物(VOC)やアンモニア、硫化水素などの臭気成分に対しては比較的効果が高いです。ただし、飽和すると効果が落ちるため、定期的な交換が必要です。
吸着脱臭のメリット
化学反応を伴わないため、安全で環境負荷が少ない。
特定の臭気成分に対して選択的に吸着できる吸着材を選ぶことが可能。
持続性があり、長時間の使用が可能。
吸着脱臭のデメリット
吸着材が飽和すると効果が低下するため、定期的な交換が必要。
脱臭効果は臭気成分の種類や濃度によって異なるため、万能ではない。
大量の臭気成分に対しては、吸着材の限界がある。
光触媒脱臭
光触媒(主に二酸化チタン)は、紫外線や可視光を受けて表面に強力な酸化力を持つ活性酸素を生成します。この活性酸素が有機物や臭気成分と反応し、分解します。
光触媒は、特に有機物臭やアミン類などの臭気成分に対して有効です。ただし、光源が必要であり、脱臭機を通過した臭いしか取れないデメリットもあります。
光触媒脱臭のメリット
バクテリアやウイルスなどの微生物にも効果がある。
持続的な効果が期待できる。
光触媒脱臭のデメリット
紫外線や特定の光源が必要なため、設置環境に制約がある。
効果が光の強さに依存するため、光源が弱い場合は脱臭能力が低下する。
脱臭機を通過した臭いしか取れない。
イオン脱臭(プラズマクラスターなど)
プラズマクラスターなどの技術は、正負のイオンを空気中に放出し、臭気成分や菌に付着することで化学反応を起こし、分解する方法です。イオンを空中に放出するため有効性は比較的広範囲で、生活臭やタバコ臭、ペット臭などに対して一定の効果があります。しかし、強力な酸化剤(例:オゾン)に比べると分解速度は緩やかです。
イオン脱臭のメリット
安全性が高く、室内環境に負担をかけずに使用できる。
微生物にも効果があり、空気清浄効果も兼ね備えている。
イオン脱臭のデメリット
オゾンや光触媒に比べ、効果が弱いため、即効性に欠ける。
連続使用が必要で、強い臭気に対しては時間がかかることがある。
やはりオゾン脱臭が最強か
我が家でも富士通ゼネラルのオゾン脱臭機を使っていますが、今までの経験で言うならば特殊清掃の脱臭でも使用されるオゾンが最強のような気がしています。
逆に、ナノイーやプラズマクラスターは無いよりはマシだけども、激臭対策にはちょっと心許ない…という感じです。
ということで、オゾン脱臭機に絞って車載用のものを探していたところ見つけたのが、コムテックのオゾンサーバー クリーンエイト PORTABLE JD2000BKでした。
カップホルダーに設置可能な小型のオゾン発生器
直径77mm、高さ137mmと小さい脱臭機です。
一般的な350ml缶が直径66mm×高さ115mmなので、一回り大きいサイズ。
直径は77mmですが、下の方がくびれたデザインになっていますので、問題無くカップホルダーに設置可能です。
動作中はLEDが青く点灯します。
電圧が足りないと、LEDが数秒おきに点灯してしまいます。常時点灯が正しい状態ですので、点灯してしまう場合は高出力(5V 2.1A以上)のアダプタに買い換えましょう。
小型のファンを搭載していますので、車内にオゾンを拡散してくれます。
ファンの手前についている金属の棒が、オゾン発生器になります。
バッテリー駆動のタイマーは4時間・8時間が設定可能。
オゾンの発生量は3段階の切替が可能です。
バッテリー内蔵で、駐車中でも4時間または8時間の稼働が可能
ニッケル水素バッテリー内蔵で、4/8時間の稼働が可能です。
駐車中でも使えるのはいいですね。
できれば、電源OFF後自動的にバッテリー稼働に切り替わるモードが欲しかったところです。
こんな感じでバッテリーを接続します。
USB-Cコネクタはこの位置になりますが、カップを通じて上手く外に引き出すデザインになっていますので、ケーブルを取り付けたままカップホルダーに簡単に差し込むことができます。
裏蓋を外し、溝にケーブルをセットします。
上向きにケーブルが逃げるようになっていて、ケーブルが邪魔になりません。
コネクタが内蔵できるので邪魔にならないのは良いデザインだと思います。
掃除用のブラシも付属するのですが、内部にクリップで固定することができます。
こういった配慮ってうれしいですね。付属品って無くしがちですから…。
3列目シート用のカップホルダーに固定
本来は3列目シートが位置する場所なのですが、私は2列目シートを撤去して、3列目シートを前に移動して使っているので、ここにあるカップホルダーって使わないんですよね…。
荷室にも近いので、ちょうど良いところにあるこのカップホルダーに固定しました。
ぐらつかないようにエプトシーラーをカップホルダーの内側に貼っています。
確かに脱臭効果はあり!
取り付けたその日に、ケージの中でうんちをしてしまった犬と、思いっきり吐いてしまった犬を積んで1時間ほどのドライブをしたのですが、今までに比べると運転席まで伝わってくる臭いが低く抑えられていました。
また、犬を降ろした後8時間のバッテリー稼働にして停車しておいたのですが、翌日リアゲートを開けた際に嫌な臭いはありませんでした。
もちろん、ケージ類を掃除したこともありますが、車内にこもる臭いを効果的に脱臭できているように思います。
車内用の脱臭機としては高価な製品ですが、価格に見合う効果はあると思います。
なお、購入する際にはUSB電源の出力が2.1A以上あるか確認が必要です。
シガーソケット用のUSB電源アダプタは、以下の製品がオススメです。
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