ペット用の酸素室の暑さ対策用に専用のエアコンを取り付けて、快適に過ごせるように改造してみた

DIY

我が家の犬が気管支と肺の具合が悪くなり、ずっと咳き込んで苦しい状態になってしまいました。
幸い酸素発生器と酸素室があったのでその中に入れて安静にしていましたが、問題は酸素室の中が体温で温度上昇してしまい、暑がってしまう、という点でした。

部屋はエアコンで涼しくしていますが、酸素室は密閉空間なのであまり効果はありません。
冷凍したペットボトルを入れる、吸入する酸素を冷やすという方法も、保冷剤が溶けるまでしか効果がありませんし、温度管理も手作業なので夜間はなかなか難しいものがあります。
ということで、酸素室専用のミニエアコンを作ることにしました。
我が家で使っている酸素室には、ちょうど良さそうな穴がありましたので、そこに取り付けることにします。

材料を揃える

冷却する方法は最初からペルチェ素子(電圧をかけると熱を片面から反対面に移動する性質を持つパネル上のもの)を考えていました。ペルチェ素子にヒートシンクを付け、ファンで風を当てれば涼しい風が出てくるはずです。
酸素濃度を下げないためにも、酸素室の中の空気を冷やす必要があるため、外気を取り込む方式はNGです。その点、ペルチェ素子であれば冷却側のヒートシンクに風を当てれば酸素室全体が冷えるのではないか、という想定です。
わかりやすく言うなら、ポータブル冷蔵庫と同じ仕組みです。(ペルチェ素子が使われている)

冷却ユニット

問題は、ペルチェ素子のコントロールをどうするのか、という点でしたが、ヤフオクで便利なものを見つけたので購入しました。

ドラ猫さんという方が出品されていた、サーモスタット付き温度制御キットです。
AliExpressでもよく見かけるペールチェ付きヒートシンクに、温度制御回路と温度センサー、ACアダプタがセットになったもので、これ1台でほぼ完結します。
お値段も6,000円程度とリーズナブル。ありがたく買わせていただきました。

ファン

冷却側のヒートシンクに取り付けるファンは、サイズを考えて5cmとしました。
小口径のファンは風圧が足りないので、2cmの厚みのあるファンを購入しました。
ペットにファンが当たらないよう、フィンガーガードも取り付けます。
ファンには可変抵抗器を取り付けて、ファンの速度を変更できるようにしました。

その他のパーツ

冷却側のヒートシンクがむき出しなので、プラ板を使ってダクトを作ることにします。
接着は作業性に優れる瞬間接着剤を使いますが、ヒートシンクとの接合部には2液式の強力な接着剤を用いています。

このプラスチックボードは適度な強度があり、カッターナイフで加工もしやすいので今回のような用途にはうってつけです。

ヒートシンクとプラスチックボードの接着は、このメタルロックがとても便利です。
固まるととても強力で剥がれる気がしません。

組み立て

ペルチェ素子と温度制御基板はすでに加工済みですので、残りの作業は5cmファンを取り付けてプラ板でダクトを作っておしまい、となります。

左側がファン、薄いグレーがヒートシンクです。
ヒートシンクの高さが低いので、風を効率よく冷やすためにダクトの中を狭くして、ヒートシンク全体に風が当たるようにしています。

組み立て…といってもファンを繋ぐくらいですが、できあがったクーラー。
電源を入れると右側の冷却側のヒートシンクにはうっすらと霜が付くくらい冷え、ダクトからは冷たい風が出てきます。

設置はこんな感じで、手を入れたりするための穴に先端部分を突っ込んでいます。
フィンガーガードが届く前の適当に作ったガードなのは気にしないでください…。
ダクトの上に温度センサーを設置し、中の温度を検出できるようにしています。

ヒートシンクをなにかの台に固定すればよいのですが、急ぎだったこともあって適当な箱の上に置くだけにして運用しています。

使ってみた結果

温度制御回路の設定温度を25℃に設定したところ、設定した温度+1℃くらいの範囲で収まってくれました。
犬も中がひんやりして快適だったようで、酸素濃度も30%程度で安定していました。
結露が気になったのですが、酸素室が布製だったこともあって、適度に酸素室が水分を吸い取って蒸発しているようでした。

今では咳もほぼ止まり、血液検査の結果もほぼ正常値にもどり、今までどおり元気になりました。
酸素室、備えておいて良かったと思いますし、エアコンを取り付けて大正解でした。

我が家の犬は体重7kg台のノーフォークテリアなので今回の小型のエアコンで足りましたが、中型~大型犬の場合は冷却能力が足りないと思われます。
特に、冷却側のヒートシンクが小さいために冷却能力に限界がありますので、ヒートシンクを大型のものに交換すると冷却効率が上がると思います。
その場合は、酸素室内部に設置するのではなく、ダクトを付けて吸気→排気するようにする必要がありそうです。

冷却効率を考えると、サーバー用のサイドフローCPUクーラーとか良さそうなんですけどね…。
中古だと結構安く買えます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました