Corsairの240mmラジエーター水冷、H100i Elite CapellixをCorsair 600Tに組み込んでみた

PCパーツ

Corsairの水冷キット、H100i Elite Capellixを入手したので、仕事用PCに組み込んでみました。
本当はゲームPCに使いたかったのですが、ケースがThermaltake Level10なので、240mmラジエーターは装着できないのです…。

リテンションキットを手配する

入手したのは、リテンションキットが付属しない、本体とiCUE Commander CORE、ファンのみの状態のものでしたので、まずはリテンションキットの手配です。
代理店のリンクスインターナショナルでは保守部材を販売していますが、H100iのリテンションは見当たらず。

困ったときのAliExpressということで、探してみたら売っているではないですか!

LGA1700用のパーツ一式がセットになって、約2,600円。
相変わらずお安いですな…。
4/22に購入し、5/4に届きました。12日ですので、予想よりも大分早く届いた感じです。

届いたリテンションキット一式。
水冷ヘッドに装着するプレートが傷だらけですが、これは手持ちがあるので使いません。
CPUバックプレートに貼り付けられている粘着シートですが、これは使うと後で悲惨なことになるのは経験済みですので、剥がさずに使います。

Corsair Graphite 600Tへの取り付けに難儀する

Corsair Graphite 600Tケースは240mmラジエーターにも対応していますので、簡単に取り付けられるだろう…と思っていたら、予想以上の難工事になりました。

ビデオカードのラジエーターと干渉する

水冷ビデオカードのEVGA GeForce GTX 1080 FTW HYBRID GAMINGが120mmのラジエーターを使っているのですが、600Tに120mmと240mmのラジエーターを両方搭載しようとすると干渉しまくりなのでレイアウトに困りました。

トップに240mmのラジエーターを取り付けると、隙間がなくビデオカード側のラジエーターが取り付けできません。
そこで、ビデオカード側のファンをケースの外に取り付けることにして、どうにか隙間にラジエーターを押し込みました。
さらに、ホース部分が干渉するので、ラジエーターを180度向きを変えれば良いのですが、ホースに無理なテンションはかけたくありません。
うまくひっくり返したところ綺麗に収まったので、良しとしました。

120mmファンはケース内部に取り付けできませんので、水冷ホース用の穴に配線を通し、ケース外に取り付けることにしました。

かなり強引ですが、まあ、大丈夫でしょう…。
念のためフィンガーガードを取り付けています。

600Tへの240mmラジエーターの取り付け方が変則的

次に困ったのが、600Tへのラジエーター取り付け。
通常のケースはラジエーターにファンを取り付け、ファン(またはラジエーター)を内側に装着、ケースの外側からネジで固定する方法です。
しかし、600Tはこの方法での取り付けはマザーボードに干渉してしまうため不可で、ラジエーターのみケースの内側に取り付け、ファンはケースの外側から取り付けます。
つまり、ラジエーターとファンでケースをサンドイッチして取り付けるのですが、これには大きなデメリットがあります。

上の写真は600Tにラジエーターを取り付けた状態ですが、ファンとラジエーターの間に、ケースのメッシュプレートが挟まっている状態です。
このメッシュプレートがかなりの空気抵抗になりますので、ラジエーターを冷却するためのエアフローの大きな邪魔になります。実際に手をかざすと、ファンの回転数の割に風がほぼ出ていません。
これでは、冷却効果がた落ちなので、対策が必要です。

メッシュプレートを切断してエアフローを向上させる

物理的に加工してしまうと元に戻せないので、H100i Elite Capellixと一生添い遂げる必要があるのですが、冷えないよりはマシ、ということでメッシュプレートを切断することにしました。

金属用のハサミを使って、バチンバチンと切断していきます。
切断面はルーターを使って削って仕上げています。
塗装が剥がれて目立ちますが、ファンの下に隠れますので問題なしということでそのままにしています。
このメッシュプレート、切断すると効果大なので600Tに240mmラジエーターを取り付ける方は、切り取ってしまうことをおすすめします。
といっても、今でも600Tを使っている人っていないような気がしますが…。

Core i7-12700KF高負荷時に80度未満に抑える冷却力

取り付けが終わったので、早速CPUに負荷をかけて冷却能力を調べてみます。
Cinebench R23を使ってCPUに100%負荷をかけた状態で、CPU温度および水冷クーラーの温度、ファンの回転数を確認してみます。
H100i Elite Capellixの設定は、ポンプを通常、ファンは2基とも静音設定としています。また、室温は25℃程度となります。

マザーボードはASUSのTUF Z690 Plus D4で、PowerLimit(PL)の設定はPL1およびPL2ともにデフォルトのAUTO、つまりブースト時間が制限なしの設定になっています。
この設定だと、空冷クーラーでは90℃を突破することもあるので、強力な水冷クーラーの方が安心です。

結果ですが、CPUの最高温度は79℃、水温は42℃前後で安定しました。
ファンの回転数は2500rpm未満ですがそれなりに騒音が出ています。といっても、耐えられないようなものではありません。

Cinebench R23で負荷をかけた際の温度状態。時々V字に負荷が下がっているのは、レンダリングが終了し、次のループに移る処理になります。
コア#1が最大79℃で、それ以外のコアはMAXでも70℃を超えていないものもあり、この程度の温度でMaximum Turbo Power(MTP)190Wを維持できれば、常用も問題ないと思われます。

ファンの発光パターンおよび発光状態はとても綺麗で、ブレード全面が淡く光ります。
ファンのモーター部にLEDが仕込まれているタイプのファンなので、フレームにLEDが埋め込まれているタイプと違ってファンの口径が小さくなることもないため、風量に影響が無いのが良いところです。

Core i7-12700KFも問題なく冷やせる実力を持つクーラー

CPUに長時間負荷をかけ続けた状態でも80℃未満に押さえ込む実力があり、冷却能力には問題はありません。
価格は2万円とお高めのクーラーですが、iCUE Commander COREも付属しますので、LEDライティングを楽しみたい方にとっては、お買い得感は高いと思います。

さすがにGraphite 600Tはそろそろ限界か…

H100i Elite Capellixを組み込んでみて感じたのは、大型のラジエーターの取り付け方法やマザーボードとの位置など、2010年発売の古めのケースだけあって制約が多いです。
240mmラジエーターの水冷クーラーを使用する際は、ファンはケース外に取り付けることとなり、ケース内が寂しいことになってしまうため、最近人気のLED MODには適しません。
といっても、ケースの中身が見づらい構造なので600TでMODする人もいないと思いますが…。
なかなか買い換えることがないPCケースですが、やはり最新のケースと比べると制約は多いです。

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