買って解った、メルセデス・ベンツ Vクラス V220dの良いところ・注意点(W447 スポーツロング)

その他

今まで10年近くマツダのアテンザワゴンに乗っていましたが、大型犬のケージを複数積めないこともあって、デカい車が欲しい!ということになり、いろいろ検討した結果、メルセデス・ベンツのVクラス V220d スポーツロング(W447)の2018年モデルに買い換えました。
新車だと1,000万円弱というお高い車なので、手頃感のある中古を購入しました。犬を積むのですぐ汚れますしね…。
購入する際に重視したこと、購入して乗ってみて解ったことなどをまとめてみました。

  1. 大量の荷物を搭載可能で、運転しても疲れにくい車とは
    1. グランエース
    2. ハイエース・キャラバン
    3. カングー・リフター、ベルランゴ、ドブロ3兄弟
    4. アルファード・ベルファイア
  2. 3種類あるVクラスのボディサイズ、どれが最適か?
  3. 筋力が問われるが多彩なシートアレンジ
    1. 筋力を問われるシート配置変更
    2. 大人が3人座ってもゆとりのある3列目シート
  4. ベースが商用車だけあって広大なラゲッジスペース。ただし注意点も。
    1. 長尺荷物を積むには不向きなVクラス
    2. ゆとりのボディ幅が生み出す幅広いラゲッジスペース
    3. 取り外した2列目シートをどうするか…
  5. ラゲッジセパレーターを使えばフルフラットなベッドが完成!
    1. ベッドにするには年式・仕様に注意
  6. その他オプション品など
    1. スマホと連携するなら2020年モデルがベスト
    2. ルーフレールの有無について
    3. 三列目のベンチレーションウィンドウについて
    4. あれば嬉しいベンチレーションシート
  7. デザインについて
    1. ボディーカラー
  8. 運転のしやすさ、取り回しについて
    1. 取り回しについて
    2. 疲労感について
  9. 燃費・パワー
  10. 維持費について
  11. 中古でVクラスを購入する際の注意点
    1. 認定中古車のメーカー保証はとても優秀
    2. 保証期間に行った修理について
  12. Vクラス 220d スポーツに対する個人的な感想
  13. Vクラスをお勧めできる方

大量の荷物を搭載可能で、運転しても疲れにくい車とは

荷物をたくさん積める車といえばラージミニバンかハイエースなどが思いつきますが、国産のラージミニバンはシートアレンジこそ手軽で多彩ですが、荷物を大量に積むことを考えると3列目シートが取り外せない、床下に格納すると床や側面が凸凹するなど“広大なフラットな荷室”が実現出来る車って無かったりします。
いくつか候補になる車種を検討してみましたので、私の感想をざっとまとめてみたいと思います。

グランエース

300系ハイエースがベースとなっているグランエースは商用車がベースなだけあって、広大な室内とフラットな床を備えていますが、私の用途は荷物と犬を運ぶことがメインなので、豪華な2列目・3列目シートは不要です。

グランエースはサイズ的にも、立ち位置的にもVクラスに近い1台だと思いますが、中古の価格帯がVクラスとあまり変わらないこともあって、選択肢からは除外しました。座席取り外せなさそうですし、見た目も好みではないので…

ハイエース・キャラバン

ハイエースやキャラバンは商用車なので室内の広さとフラットな床は魅力ですが、運転席と助手席の間にエンジンが収まっているキャブオーバーなのでかなり運転席がタイトなのと、リアサスの荷重が少ないとリーフサスが硬く、自家用車として使う場合は快適さはいまいちな気がしました。
あとは、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)が無いことは大きいです。
犬の搬送で群馬から名古屋の日帰り往復などすることもありますので、長距離を運転することを考えると運転する際の快適さは重要です。

カングー・リフター、ベルランゴ、ドブロ3兄弟

比較対象としては人気のカングーのほかに、ロングが加わったベルランゴ、リフターと欧州車のミニバンも選択肢が増えましたが、大量の荷物を積むことを考えると小柄なのがネックです。
あと、2列目がフルフラットにならないのもデメリットです。(斜めだとケージを積みづらい)
シートを取り外して荷室として使うこともできないので、選択肢からは除外しました。

アルファード・ベルファイア

アルファードなどのラージミニバンという選択肢については、居住性や3列目シートの格納などのメリットはありますが、大量に荷物を積んだり、室内のユーティリティを考えるとシートを取り外してフルフラットになるVクラスに劣る点がネックなのと、何よりもオラオラ系のデザインが好みではないので選択肢からは除外となりました。

ということで、いろいろ調べた結果、Vクラス以外に選択肢はない、という状態でした。

3種類あるVクラスのボディサイズ、どれが最適か?

Vクラスにはノーマル、ロング、エクストラロングの3種類のボディサイズがラインナップされています。
幅はどれも同一で、ボディの長さはそれぞれ異なります。
・ノーマル:4,905mm
・ロング:5,150mm(ノーマル比+245mm)
・エクストラロング:5,380mm(ロング比+230m)

ノーマルでもアルファードとほぼ変わらないボディサイズですから、やはり大柄な車です。

ノーマルとロングのホイールベースは3,200mmで同一で、ロングはボディが長くなった分リアのオーバーハングが延びます。
エクストラロングはさらにボディーが伸びた(ノーマル比+475mm、ロング比+230mm)ことでホイールベースも3,430mmに延長されています。リアのオーバーハングはロングと同一です。

取り回しを考えるとノーマルが楽ですが(それでも5m弱…)、荷物を大量に積むことを考え、ロングを選択しました。
積載量でいえばエクストラロングが最強ですが、さすがに5,380mmのボディサイズかつホイールベースも長いエクストラロングは取り回しが厳しい感じです。駐車場選びますし…。

筋力が問われるが多彩なシートアレンジ

ベースが商用車ということもあるのか、Vクラスの2列目、3列目シートは4本のレールに載っているだけです。
取り外しや方向を変えることも可能なので、たとえば
・2列目だけ取り付けた4人乗り
・3列目だけ取り付けた5人乗り
・2列目と3列目を取り外した貨物仕様
・2列目を逆向きに付けて対面シート
などが可能です。

取扱説明書に記載されているシートアレンジ例ですが、キャプテンシート(EE)の向きを変えたり、取り付ける位置を変えたりといろいろアレンジできる様子が説明されています。
やろうと思えば、3列目を取り外して2列目と3列目にキャプテンシートを1席ずつ配置した変態配置(長物を積めるメリットがある?)とかも可能そうです。

2列目シートを外すと、こんなに広い居住スペースが生まれます。いやー、広いですね。
商用車ベースなフラットな床も便利です。

筋力を問われるシート配置変更

シートアレンジが自由なVクラスですが、問題はシートの取り外しにはとにかく筋力が必要ということ。
というのも、国産のミニバンのようにシートを簡単に跳ね上げたり格納したりする親切ギミックなどは皆無で、シートアレンジを変更する際には、フロントシートはおそらく30kg程度(体感)、リアシートに至っては1人では持ち上げることすら不可(60kg以上はあるのでは…?)という重量のシートを人力でレールから脱着する必要があります。

2列目シートは大人一人で取り外しできますが、かなりの重量なので気軽にシートアレンジを変更する気力は起きません。
3列目シートに至っては、これは果たして取り外しできるのだろうか、外してしまったら最後取り付けする気力はあるのだろうか…と正直不安になるほどの重量で、最低でも大人2人は必須です。

ですので、現実的には
・2列目はどうにか一人で取り外しが可能(でも、できるだけやりたくない)
・3列目を取り外すのは現実的では無い(重量、保管場所の問題で論外)
という感じです。

とにかく、シートの配置変更には、筋力が必要なことは確実です。
この点は至れり尽くせりな国産ミニバンとは大きく異なる点です。

大人が3人座ってもゆとりのある3列目シート

重たすぎて取り外し困難な3列目シートですが、幅が140cm程度と男性が3人座っても十分なサイズが確保されています。
国産のミニバンの3列目シートは2人がちょうど良いくらいで、3人だと長時間の乗車は厳しい場合が多いのですが、その点Vクラスの居住性は素晴らしいといえます。
そのメリットがある反面、シートがデカい、重たい、取り外せない…というデメリットにもなってしまう訳ですが。

ベースが商用車だけあって広大なラゲッジスペース。ただし注意点も。

ヨーロッパでは、Vitoという商用車がラインナップされており、Vitoをベースにラグジュアリーさを追加して乗用車に仕立てたのがVクラスになります。(そもそもVクラスはベンツの商用車部門が作ってる車)
このため、Vito譲りのラゲッジスペースが存在し、シートを取り外すと完全フルフラットの広大な床が出現します。

といっても、3列目シートの取り外しは現実的では無いのは、先ほど説明したとおりです。
このため、ラゲッジスペースは広大でも、使い勝手には難もあります。

長尺荷物を積むには不向きなVクラス

2列目シートを取り外し、3列目シートを目一杯前方に移動した状態ですと、リアの荷物スペースは最大で奥行き約140cmのスペースが生まれます。

140cmというとボディサイズから考えると微妙な数字ですが、これは3列目シートを移動できる範囲に制限があるためです。

2列目シートと3列目のシートは同じレールにある固定用金具に取り付けますが、この金具が40cm程度の長さがあり、レール上にある2列目用の金具が干渉して、1列目シートぎりぎりの位置まで3列目シートを移動できないのです。
そのため、3列目シートを一番前までスライドしても、足下には50cmもの空間が空いてしまいます。
国産のミニバンのように、3列目を倒して格納するような機構がないので、長尺の荷物を積む場合にはデメリットになるかと思います。

2列目シートを取り外し、3列目を目一杯前方に移動した状態。
長尺の荷物は3列目シートをベッドモードにすれば搭載できますが、床置きは出来ません。

解決方法としては、3列目シートを3列目用の金具から外し、2列目用の金具に固定しなおせば+40cm以上前に押し出すことが可能で、ラゲッジスペースの奥行きも2mほど確保できると思いますが、レールから取り外すことは現実的では無いくらいシートが重たいので、元に戻すことを考えると絶対にやりたくない作業なのです。(車検の際に7人乗りに戻す必要がある)

とはいえ、5人乗りとして見た場合、リアシートの乗員からの感想では足下スペースが広大で快適らしいので、それはそれでメリットといえなくもないです。
あと、長尺の荷物でなければ、2列目シートの足下も使えばかなりいろいろ積めます。

2列目シートを撤去し、3列目シートを最大限前方に移動した場合の足下スペースは余裕の50cm。
これだけあれば足がシートにぶつかることもありません。快適。
というわけで、我が家では2列目シートを撤去し、3列目シートの足下と荷室を使うレイアウトで常用することにしました。

ゆとりのボディ幅が生み出す幅広いラゲッジスペース

室内で最も狭い、タイヤハウスがせり出している部分でも120cmもの幅を誇るラゲッジスペース。これだけ広い空間であれば、大型犬のケージを2つ並べて置いても余裕です。
ラゲッジスペースの幅については不満はありません。

犬を満載して出かけたときの荷室。バリケンXLサイズ×1、バリケンLサイズ×2、バリケンSサイズ×1を積載してもまだ少し余裕があります。
特にXLとLサイズを並列に置けるのはとても便利で、Lサイズなら上下2段積みすれば4つを余裕で積載できます。
開口部も真四角なので荷物の積み下ろしがとても便利です。

取り外した2列目シートをどうするか…

荷物を積むためには2列目シートを取り外すのが一番なのですが、問題は外したシートをどうするか、という点。

結局折りたたんだ状態で立てて部屋のクローゼットに押し込むことにしました。
先日7人載せるため引っ張り出しましたが…正直つらいですね、これ。
しかも、置いてある部屋が2階なのでなおさらです。

中古のシートレールを購入し、適当なサイズにレールを切断、板にレールを固定すれば家の中でも椅子というかソファー?として使うことも出来るようです。

ラゲッジセパレーターを使えばフルフラットなベッドが完成!

ロングボディにはラゲッジセパレーターというオプションがあり、これを使うと3列目をフルフラットにした状態でラゲッジセパレーターと一体化させることが可能で、長さ190cm、幅140cmというセミダブルサイズのフルフラットなベッドが出現します。

長さはもちろんのこと、幅140cmというサイズのベッドはなかなか凄いサイズだと思います。
これだけ広ければ、大人2人で余裕で寝ることが可能です。

ベッドにした状態で、幅は最大140cm

ベッドの長さは、男性でも余裕の190cm

国産のミニバンで完全なフルフラットになる車は少ないと思いますが、Vクラスは完全なフルフラットになります。
しかも、3列目シートの背もたれと、ラゲッジセパレーターの下は空間になってますので、ここに荷物を入れることも可能。
オプションにはなりますが、シートアレンジだけで完全なフルフラットなベッドになるミニバンって、他には無いのでは?と思います。
車内泊を考えている方には、めちゃくちゃお勧めの仕様です。

ベッドにするには年式・仕様に注意

ベッドとして使用するためには、ラゲッジセパレータを搭載している車両を選ぶ必要があります。
ラゲッジセパレーターは購入時のオプションになっているようで、付属しない車もあるので購入の際には確認が必要です。

また、2018年以降のモデルではよりフルフラットになるように、

  • ラゲッジセパレーターの板がクッション性の高いものに変更(ただし、セパレーターにあった小物入れスペースは廃止)
  • 3列目シートの背もたれ部分が一体化&凹凸の少ないものに変更

という変更が行われました。

3列目シートを、シートとして考えるとホールド性が若干落ちたのはデメリットかもしれません。
ただし、ベッドとして使うことを考えると凹凸がない方が理想ですので、変更点は歓迎です。
また、細かい点ですが3列目シートの足下に、引き出しが追加されました。
この引き出しですが、かなり容量が大きいのでとても重宝します。

かなり深さがあり、意外と収納力がある3列目シート下の小物入れ。
これ、かなり便利です。

2018年以降の改良されたモデルかどうかは、3列目シートが分割できない、ヘッドレストを座席背面に取り付ける穴がある、背もたれの凹凸が少ない、などの点で判別が可能です。
また、ラゲッジセパレーターに蓋がない(改良前のラゲッジセパレーターは蓋があって小物が収納できる)のもわかりやすい違いになります。

その他オプション品など

私が購入したスポーツ ロングですが、スポーツグレードは全部入りの最上位グレードなので、サンルーフ含めほぼ全てのオプションが標準装備になっています。

スマホと連携するなら2020年モデルがベスト

2020年にマイナーチェンジが行われ、ナビ回りが大きく変わりました。
2018年モデル、2020年モデルの違い(一部)は以下の通りです。

・2018年マイナーチェンジ
ベッドとして使えるタイプの3列目シートが、背もたれ一体型のフラットな形状に変更。シートの下に小物入れが装備
ラゲッジセパレーターがクッション性の高いものに変更
CarPlay/Android Auto非対応

・2020年マイナーチェンジ
ナビがMBUXにアップデート(液晶がワイドになっている)
運転席・助手席がベンチレーション付きシートに変更(オプション?)
CarPlay/Android Auto対応

2020年モデルではMBUXに変更されたことに伴い、液晶もワイドになり、CarPlay/Android Autoに対応しているという特徴があります。
私が購入したのは2018年モデルですので、CarPlay非対応のナビとなります。

標準装備のナビですが、タッチパネルが使えないのが不便ではありますが、思ったよりも使えるので、大抵は純正ナビを使用しています。
最大の欠点は、田舎だと番地が8000とかまである地域があるのですが、選択する際にひたすらホイールを回して選ばないといけない、という点でしょうか。これ、かなり面倒です…。
純正のナビでも十分なのですが、GoogleMapのナビの方が渋滞時には最適なルート選択が可能なこともあって、スマホホルダーを追加してiPad miniを取り付けられるようにしました。

ルーフレールの有無について

屋根にキャリアを固定するためのルーフレールについてはオプションだったようで、中古車のリストを見ていると、前期モデルでは付いていない個体もそこそこ見かけます。
後期モデルは確か標準装備になったと思います。

屋根の高さが2m近い車なのでルーフレールにキャリアを乗せることはあまり現実的ではありませんが、洗車時に掴まるのに便利、というか掴まるところがないと危ないので、ルーフレールは個人的にはあった方が良いと思います。
また、見た目のアクセントにもなるので、あった方が好みです。

屋根の高さが2m近い車なので、屋根を洗うには脚立が必須なのですが、脚立に乗ってカーシャンプーを使って洗っている時に、掴むものが何もない、というのは結構怖いです。
ルーフレールがあると手軽に掴めるので、安心感がまったく違います。

ルーフレールがない場合はどうすれば良いかというと、後付け可能な社外品が安価に販売されていますので、それを使うのが手っ取り早いと思います。
重たい荷物を載せるわけではないので、社外品でも問題無いかと思います。
私の車には付いていませんでしたので、AliExpressから輸入し、取り付けてみました。
詳しくは下記のページで説明していますので、ご参照ください。

三列目のベンチレーションウィンドウについて

Vクラスは元が商用車ということもあってか、最前列の窓しか開きません。スライドドアの窓ガラスは固定されていて開きませんので注意が必要です。(社外品で窓を開けられるようにするガラスが販売されています)
3列目の窓ガラスですが、後期型では外側に押して開くことができるベンチレーションウィンドウが搭載されました。3列目窓ガラスの後方中央に、黒い丸いキャップが付いていますので、見分けることが可能です。

前席しか窓を開けることができないため、窓を開けて換気しようとしてもすこぶる空気の循環が悪いVクラスですが、3列目の窓ガラスを開けられるとかなり変わってくると思います。
個人的には、窓ガラスが開くタイプがあれば、そちらをお勧めします…が、前期型には装備されていないように思います。残念。

3列目の窓ガラスが開かないタイプでも、サンルーフがあるモデルであれば、屋根から換気することができるのである程度代用可能です。
※サンルーフはロングにのみ設定されているオプションになります。

あれば嬉しいベンチレーションシート

これも、おそらく後期モデルのオプションだと思いますが、ベンチレーション機能を備えたシートを装備している場合があります。
見分け方は簡単で、シート座面に細かい穴が空いているのと、フロントドア内側にあるシート関連のスイッチに、ベンチレーション用のボタンが追加されています。
本革シートは蒸れやすいので、ベンチレーション機能があると快適なのですが、Vクラスの場合一部の限られたグレードのみ?の装備のようで、ベンチレーション機能のあるフロントシートを備えている車は、中古ではあまり見かけません。

デザインについて

Vクラスを購入した理由の一つが、シンプルで飽きが来ないデザインです。
最近の国産ミニバンって自己主張が強すぎるオラオラ系のデザインばかりで、どうも好きになれないのです。
その点、Vクラスはベンツ全体に通じるシンプルなデザインでまとめられており、派手な飾りなどはありません。(2024年登場のマイナーチェンジモデルでは少し押しが強いデザインになりました)

スライドドアの窓は固定で開けられないかわりに、凹凸もなく運転席から続く一体化したデザインとなっており、また、ウィンドウ下部のラインも緩く弧を描いたラインになっていて、センスの良さを感じます。
フロントマスクも威圧感はなく、奇をてらった安っぽい装飾も皆無で、全体的に上品にセンス良くまとめられたデザインで気に入っています。このあたりはさすがメルセデスベンツ、といった感じです。

ボディーカラー

前期型だと、以下の色がラインナップされていました。

アークティックホワイト
ロッククリスタルホワイト
オブシディアンブラック
カバンサイトブルー
ジュピターレッド
フリントグレー
ブリリアントシルバー

このうち、中古ででは圧倒的にオブシディアンブラックとホワイト(アークティックホワイトとロッククリスタルホワイト)が多いです。
アークティックホワイトとロッククリスタルホワイト、見た目は似てますが前者はソリッド、後者はメタリックになります。メタリックと言っても、日光が反射するところでわずかにメタリックが見えるかどうか…というかなり控えめなメタリックなので、ソリッドと言われても勘違いしてしまいそうな色となります。
あと、ロッククリスタルホワイトは少しグレーよりの、落ち着いた配色になっています。

中古車サイトでは、ボディーカラーのアークティックホワイトとロッククリスタルホワイトを単に「白」としている掲載も多いので、注意が必要です。
写真だけでは見分けが付きづらいので、問い合わせてみると良いかと思います。

私は犬を積むことが多いので、車内温度が上がりやすいオブシディアンブラックは対象外で、その他のカラーから探していましたが、本命はフリントグレーでした。
ただ、フリントグレーはかなりマイナー色で、1年弱探せどまったく出物が無い状態。もっとも、スポーツロングで価格帯も限定して探していたので、そもそも条件自体が厳しめでしたが。

マイナー色である、フリントグレー、カバンサイトブルーを探している方は、見つけたらすぐに確認しにいった方が良いと思います。
ジュピターレッドもマイナー色ですが、あまり人気が無いのか、中古車サイトにしばらく掲載され続けられている車をときどき見かけます。
ブリリアントシルバーは上記のカラーから比べるとすこし台数が多いのか、たまに見かけます。

半年くらいVクラスを探した体感で言うと、探しやすさは
オブシディアンブラック=ホワイト(アークティックホワイト・ロッククリスタルホワイト)>ブリリアントシルバー>>>カバンサイトブルー>ジュピターレッド>>>フリントグレー、といった感じです。

探していてもフリントグレーの車は見つからなかったので、たまたま見つけた認定中古車のロッククリスタルホワイトを選びました。

運転のしやすさ、取り回しについて

取り回しについて

ホイールベースが3.2mもあるVクラスですが、実際街中を走って感じるのは、案外取り回しはしやすい、という点。
もちろん、ボディサイズが5mを超えますので都内の駐車場は選びますし、狭めのコインパーキングは利用不可、機械式駐車場もNGなので使い勝手が悪い点はもちろんあります。

ただ、ホイールベースが長い割には最小回転半径は5.6mと、ホイールベース3mのアルファード・ヴェルファイアが5.6~5.8mであることを考えると優秀です。
FRなのでフロントタイヤの切れ角が大きく取れる結果だと思います。

その代わり、フロントタイヤの減りも早いので注意が必要です。私は田舎に住んでいるので、タイヤを何回も据え切りするようなことはないので、3万キロくらいは持ちそうですが、都内などハンドルを切る回数が多いエリアだと1~2万キロ程度でフロントタイヤのショルダー部分がツルツルになってしまうこともあるようです。
タイヤサイズが19インチモデルでは245/45R19と大きめで、重量がある車のためロードインデックス102以上のタイヤが必須となるため、お値段も高めです。

車庫入れは、360度カメラが備わっているので車体の位置を把握しやすいですし、コーナーセンサーが障害物があれば警告を出してくれるので、案外楽です。
ただ、センサーも金網などは検出できませんので過信は禁物です。

一番注意しないといけないのが、ホイールベースが長いことによる内輪差。内輪差≒ホイールベースの長さ×1/3として計算した場合、107cmもの内輪差が生じることになります。
ホイールベースが2.5mであれば83cm程度ですから、24cmもの差が生じます。少し前に出てからハンドルを切るなどの対策が必要です。

疲労感について

疲労感についてはとにかく疲れない、の一言に尽きます。
購入したディーラーが遠方だったので納車の日に800km、先日も日帰りで往復800kmほどの長距離運転をしましたが、今まで乗ってきた車のなかでもダントツに疲れません。
(1999年VOLVO V70、2014年アテンザワゴン、2015年エクストレイルディーゼル)

なによりもアクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(いわゆるアダプティブ・クルーズ・コントロール、ACC)が優秀で、時速0~20kmくらいではギクシャクすることもありますが、加速・減速ともにスムーズで、0km~前の車との車間距離も設定可能ですし、最高200km/hまで設定できますので最近増えつつある120km/h制限の高速道路にも対応します。

横風の影響ですが、ボディが大柄なので横風に弱いと思いきや、クロスウインドアシストが自動的に風の影響を補正してくれるので、強風の中でもレーンの外に寄せられるようなことも少ないです。
もっとも、余裕で2トンを超える重量ですので、そもそも風にあおられても不安定になりづらいのかもしれませんが。
シートも適度な硬さで座り心地もよいですし、視点が高いので見通しも良く、長距離のクルーズにはもってこいかと思います。

燃費・パワー

163hp、最大トルク380Nmを生み出す2.2L 直列4気筒BlueTECエンジンを搭載したVクラスの気になる燃費ですが、概ね以下のような感じです。

オイル交換後、3200kmほど走った時点の燃費は13.6km/Lと、2tを軽く上回る2.4tもの自重とサイズ感からすれば悪くない値。
ただし、平均時速45km/hが表す通り、高速走行がそこそこ多い使い方をしていますので、都内の街乗りなどでは大幅に悪化する可能性はあります。

こちらは高速を90km/h前後でゆるーく巡航した際の燃費。16.3km/Lと理想に近い状態かと思います。
高速を使って遠出する場合、1回の給油で1000kmを超える距離を走行出来ますので、旅先にガソリンスタンドがなくても安心です。

2.2リッターのBlueTECエンジン(OM651型)は最高出力163ps(120kW)、最大トルク380Nmを誇ります。馬力こそ大人しめ?ですがトルクはディーゼルだけあってかなり太く、停車時からの発進や高速道路での加速などは文句なしです。

もっとパワーを…!という方には、前期型のOM651エンジンを搭載しているモデル用のサブコンが数社から発売されてますので、それを組み込むという手もあります。
私が購入したRaceChip RSでは、最高202ps、462Nmまでパワーアップ可能です。

維持費について

燃費については前述の通り、軽油でリッター14km前後は走りますのでこのサイズの車としてはとても良好かと思います。
ただ、田舎でのデータですので、都心部などのストップ&ゴーが多い地域だと燃費は悪くなると思います。

車検ですが、まだ初回の車検を迎えていないのでこちらは未知数。
ただ、前に乗っていたVOLVO V70Rで3桁万円(!)の見積を体験しているので、それよりは安いでしょう…。

修理費用については、このあと保証について記載していますので詳細はそちらで見ていただくとして、故障した際の修理費は国産車よりは高額です。
幸い自宅から徒歩圏内に、Bosch Car Service認定の整備工場があり、そこでメンテナンスをお願いしているので、ディーラーよりはだいぶ安価に済んでいると思います。

消耗品ですが、オイル交換は1回当たり2万円弱といったところ。なにせ9リッターも入るエンジンなのでそれなりのコストがかかります。
交換時期は10,000km。要メンテナンス表示が出ますので、そのタイミングで交換です。

タイヤですが重量もあり、FRでタイヤの切れ角も大きいのでフロントはかなり減りが早いです。他の方の話だと、フロントは1万キロも持たない、という話も。
私の住んでいるところは田舎なのでハンドルを据え切りすることがほぼ無いこともあって、今のところ4万キロくらいは大丈夫そう。タイヤの持ちは良いほうだと思います。

タイヤが駄目になったので、新発売になったブリヂストンのREGNO GR-XIII TYPE RVを装着してみました。静かで良いタイヤでVクラスとの相性も良い感じです。

購入から2年を経過し、車検の時期となりましたので2年間の維持費を算出してみました。
詳細は以下の投稿をご参照ください。

中古でVクラスを購入する際の注意点

このように便利なVクラスですが、最大の問題は、どこで買うか、ということ。
中古車を買う場合、主に
・一般的な中古車販売店
・正規代理店の認定中古車
のいずれかになると思います。

ビッ○モーターが世間を騒がせていますが、中古といっても2018年モデルでも400~600万くらいはするVクラスですから、信頼の置ける店で購入したいところです。
やっぱり保証は重要!ということで、メルセデスベンツ正規代理店の認定中古車を購入しました。

認定中古車のメーカー保証はとても優秀

メルセデス・ベンツの認定中古車の場合、走行距離無制限で2年間の保証が付きます。以前は初年度登録月から39か月以下の車両は2年間の保証を、39ヶ月を超える場合は1年間の保証となっていたのですが、年式に関係無く2年間の保証になったことはとてもありがたい改訂だと思います。

中古車販売店の場合は、独自保証か保証会社の保証にオプション加入する、あるいは無保証となります。
違う車での事例ですが、保証会社の保証を使って保証期間内に修理したことがあるのですが、提携工場への入庫でないと保証が受けられず、パーツも基本は再生品を使うなどの徹底したコストダウンが図られていました。
その点、メルセデス・ベンツの認定中古車であれば全国のメルセデス・ベンツの正規代理店(ヤナセおよびシュテルンどちらも利用可能)で保証修理を受けることが可能で、使用する部品も純正部品となります。

私の車は購入したのはシュテルン系列で、最寄りのディーラーはヤナセ系列なのですが、ヤナセの担当者に伺ったところ、修理代はメルセデスジャパンに請求となるので、系列問わず正規代理店であれば全国どこでも保証を受けられるとのことでした。ありがたし。

認定中古車を買う際に、注意点が1つあります。
それは、TVキャンセラーを取り付ける、あるいはコーディングで解除するとその時点で保証が無効になる、という点です。
運転中にTVを見ようと思っている方は注意してください。

保証期間に行った修理について

私の購入した車両は、買って1ヶ月程度で、リアカメラのカバー開閉異常、NoXセンサー異常が発生しまし、その後いろいろ問題が生じていましたが、全てメーカー保証で対応できました。
購入後1年以内に発生した不具合は以下になります。

  • リアカメラ動作不良(カメラモジュール、コントロールユニット、コネクタ交換、計3回修理)
  • 電動パーキングブレーキアッセンブリ交換
  • NoXセンサー交換
  • リアウインカー動作不良(プログラム書き換え)
  • リアゲート開閉不良(位置調整)
  • サンルーフ開閉不良

上記の修理ですが、保証が無かったとしたらそれだけでもかなりの金額になるレベルだと思います。
中古車は保証が重要、という話はよく聞きますが、保証が手厚い分認定中古車は高く、中古車販売店と比べると数十万円以上価格差がある場合もありますので、安い方に心を動かされがちですが、いざ故障が発生すると、認定中古車を買って良かった…と保証のありがたさを身にしみて感じます。

修理代が高額になりがちな輸入車こそ、正規代理店の認定中古車を選ぶメリットが大きいと思います。

Vクラス 220d スポーツに対する個人的な感想

まず、購入当初の目的であった、

  • 大量の荷物が積める(最低でも大型犬ケージ×2)
  • 運転が楽、長距離でも疲れない
  • 燃費がそこそこ良い

という点については大満足の結果となりました。
1日700kmを移動してもあまり疲れませんし、犬の譲渡会の時など、タープや机などのイベント用品を満載した上で、5人が乗れる十分な積載量が確保できます。
燃費については軽油で燃料費が安い上に12km/リッター程度の燃費はありますので、ボディサイズ、重量を考えるとかなり良いと思います。

気になる点としては

  • そこそこ故障する可能性がある(保証期間過ぎたらと思うと…)
  • 都内や横浜などで取り回しに苦労することがある
  • 都心部だと駐車場を選ぶ

といったところ。
故障についてはまあ外国車だし…といった感じですが、国産車の壊れにくさに慣れてしまっていると、気になるところかなと。
ホイールベースが長いこともあって、細い道では気を使うことも多いです。
ボディが四角く車幅を掴みやすいので、細い道でも直線部分は良いのですが、直角な交差点とかは気持ち少し大きめに曲がらないとホイールを擦る危険性があります。

駐車場は機械式はほぼNG、コインパーキングも狭いところだと出し入れしづらい、そもそも入れられないといったことも多々あります。
駐車場を使うときは、事前にGoogle mapのストリートビューとかで入れやすさを確認しておくと良いかと思います。

また、細かい点ですが良かったこととしては、エアコンのダクトがリアゲートの足下にもあるので、犬のケージを後ろに積んでいてもエアコンの風があたるので暑くなりづらい、という点。
これは犬を大量に積む使い方をする場合には、とてもメリットです。
また、12Vのシガーソケットがスライドドア後方とリアゲート下部右側にあるので、車載冷蔵庫を置いたりする場合に結構便利です。

いろんな点を勘案して、買って良かった、と言える車だと思います。
まあ、私の使い方を考えると、他に選択肢が無いとも言えますが…。

Vクラスをお勧めできる方

私の個人的な印象ですが、以下の条件に合致する方はVクラスがオススメといえるかと思います。

  • アルファード・ベルファイアはどうも好きになれない
  • 他の人とは違ったラージサイズ・ミニバンが欲しい
  • シートアレンジに労力は厭わない、シートアレンジする必要がない
  • シートを外して大量の荷物を積みたい
  • 長距離を運転しても疲れないミニバンを探している
  • 国産車と比べて高額になりがちな維持費・修理代は許容できる
  • 駐車場ですぐに見つけられる車がほしい
  • 大人7人が乗っても窮屈ではなく快適に過ごせる車が欲しい

国産のミニバンと比べると使い勝手に劣る点もありますが、存在感や運転時の疲労感の少なさ、そしてユーティリティとしての便利さはさすがと言える車です。

購入して1年半が経過しましたが、すでに走行距離4万キロ、タイヤも2回目の交換となりました。
ボディの巨大さによる注意は必要ですが、なにより便利な車ですので、必然的に出番も多くなります。
これからもガンガン使っていこうと思っています。

コメント

  1. v220d より:

    2016年式のVクラスに乗ってます。
    2018年モデルとは結構違いがあるんですね。

    ところで、燃費についてですが、
    「軽油で13.6km/L、軽油とガソリンの価格比で換算すると12km/L」と書かれていますが、
    日本ではガソリンより軽油の方が安いので、軽油で13.6km/Lだった場合、ガソリン換算だと13.6km/L×1.14で15.5km/Lになるかと思いました。

    • kaz より:

      ご指摘ありがとうございます!
      解りづらかったので、当該箇所削除しました。
      2016年と2018年はいずれも前期モデルなのですが、細部で結構違いがあるようです。

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