HIFIMAN ANANDA 比較レビュー。このサウンドで77,000円はバーゲンプライスだ…!!

オーディオ関連

さて、立派なヘッドフォン沼にはまりまくっている今日この頃ですが、とりあえず打ち止めということで購入した、HIFIMAN ANANDAについてレビューしてみたいと思います。
といっても、このヘッドフォン、いろいろな方が素晴らしいレビューを書かれていらっしゃるので、手持ちのBeyerdynamic DT 1990 PRO(6万円くらい)、SENNHEISER HD 6XXとの比較とか書いてみようかと思います。

箱がでかい!ハウジングもでかい!

こんな辺鄙なブログまで来られた方は、HIFIMAN ANANDAについてはすでにご存じだと思うので詳しくは書きませんが(手抜き)、平面磁界駆動型ヘッドホンを一度使ってみたかった、という感じでしょうか。

届いたANANDAですが…箱がでかい!そして豪華!
SENNHEISER 6XXはMassDropのプロダクトということもあって、かなり質素なパッケージでした。Beyerdinamics DT 1990 PROも価格相応だけどここまででは無い感じ。
もともとANANDAは11万くらいのモデルで、価格改定でお手頃価格になっているので、それを考えるとこれくらいの豪華さは当然なのかもしれません。

しかし、HIFIMANのヘッドフォンって、発売当時は高額でも、価格改定?でお求めやすくなったり、同じテクノロジを使って安価なモデルが出たりと、価格感がわかりにくい感じです。
HiFiMAN Edition Xはもともと21万円くらい→V2で14万円くらい→Edition XSで6万円くらいと、だいぶ価格に差があります。
ANANDAも発売当初は98,000円から77,000円に値下がっていますが、海外での販売価格及び為替レート変動というらしいですので、Edition Xとは理由が違いそうですが。

ハウジングのサイズがわかりやすいように、比較写真を撮ってみました。
左から、

  • オーディオテクニカ ATH-M9X
  • Beyerdinamic DT 1990 PRO
  • SENNHEISER HD 6XX(HD 650同等機)
  • HIFIMAN ANANDA

となります。
なんていうか、ANANDA、デカすぎです。
装着すると、ハウジングの底辺が顎というか、首の付け根くらいまでカバーするような感じになります。

思ったより良好な装着感、重量を感じさせないヘッドバンド

最初は価格的にもお手軽なEdition XSを買おうかとも思ったのですが、ヘッドバンドの形状を見てANANDAの方が装着感が良さそうなこともあって、ANANADAに決めました。

ANANDAですが、ヘッドバンドのスチール部ではなく、その下に取り付けられているレザーバンドで支える構造になっています。
頭との設置面積が広いので、約400gと比較的重ためのヘッドフォンですが、装着しても重量感はあまり感じません。個人的には長時間のリスニングでもまったく気にならないレベルです。

側圧の強さも言われるHIFIMANのヘッドフォンですが、ANANDAはハウジングがとにかく巨大なので圧力も分散されるので、こちらも気になりませんでした。

オープンエアー型で、側面が大きく開口しているハウジングなので装着していても蒸れはまったくなく、夏場の使用も気にならないと思われます。

音漏れというレベルではない、内にも外にもガンガン音が放出される

ANANDAはインピーダンスを下げてポータブル機器でも使えるようにしたモデルですが、この壮絶な音漏れを考えると、屋外での使用は、電車などの混雑する環境では避けた方が良いでしょう。
音が”漏れる”というレベルではなく、内側と外側へ、同じ音量が放出されています。ヘッドフォンを外して、イヤーパッド部分を閉じても音量はまったく下がること無く、ガンガン響き渡ります。
これを屋外で使うのは、公園とかの周りに人が少ない環境ならいいですが、建物や乗り物の中は避けた方が無難です。

同じオープンエアー型でも、DT 1990 PROは開口部が少ないため、音は漏れますが幾分控えめになっています。
音漏れという観点で評価すると、

ATH-M9X << DT 1990 PRO << HD 6XX < ANANDA

といった感じです。
やはり密閉型、アルミ押し出しハウジングのATH-M9Xは圧倒的に音漏れが少ないです。

高解像度で音の広がりとヴォーカルが心地よいサウンド

早速、ADI-2 DAC FSに繋いで聴いてみました。

いろいろと前評判はネットで調べていたのですが、いやぁ、実際聴いてみるとすごいですね、これ。
なんと言っても、音の広がりというか空間が気持ちよいのと、ヴォーカルの響きがなんとも絶妙です。
周波数特性が8Hz~55kHzものレンジがあり、ハイレゾ対応の今時な高解像度サウンドという印象ですが、きちんと各音が分離されてるし、ヴォーカルがほかの音に埋もれずにちゃんとはっきりと前に出て聞き取れます。

音の粒度の細かさ、表現性で言うとやはりDT 1990 PROが圧倒的ですが、ANANDAも傾向としては似た感じではあるものの、良くも悪くもソースを忠実にトレースするDT 1990 PROとは異なり、独特の空気感、脚色があるように思います。
このため、リスニングするには気持ちのいいヘッドフォンに仕上がっている印象です。
DT 1990 PROでリスニングするにはADI-2 DAC FSのクロスフィードをレベル2くらいにすると音場が聴きやすくなるのですが、ANANDAの場合はクロスフィードはOFFでも十分に広がりが感じられ、定位についても違和感がありませんでした。

高域のサ行のきつさ、刺さり方はDT 1990 PROが最もきつい感じで、DT 1990 PROを100%とするとANANDAは80%くらい、HD 6XXは10%弱くらい、ATH-M9Xは感じないぞ、といったレベルです。
もっとも、今までリファレンスがATH-M9Xだったので特に気になる部分であって、今時のヘッドフォンという範疇で考えると、これが標準なのかもしれませんが…。

HD 6XXと比べると音の質は全く異なります。
HD 6XXは高域がまろやかになり、全体的にゆったりした空気感の音質です。
これが、HD6XX最大の特徴ともいえる柔らかいサウンドに繋がっており、長く聴いていても疲れない最大のメリットでもありますが、ANANDAやDT 1990 PROと比べると一世代前ということもあってか、解像度的にはちょっと物足りないところも。

DT 1990 PROと比べると、モニター的な用途であればDT 1990 PROの正確性、カチッとしたサウンドはやはり魅力で、ANANDAとは方向性が異なるヘッドフォンだということがわかります。
逆に、ANANDAは音の広がりが良く、リスニング向けのキャラクターが強いという印象です。

リケーブルしなくても十分か。思ったより好印象の付属ケーブル

ケーブルはステレオミニプラグとステレオ標準プラグのものが2つ付属します。
プラグのほか長さも異なり、ステレオミニプラグはポータブル機器と接続することを考えて1.5m程度と、ステレオ標準プラグのケーブルの半分くらいの長さになっています。

ケーブルの構造は変わっていて、グレーの半透明のチューブの中に、細めのシルバーコートされたケーブルが通っている構造になっています。
チューブはシールドも無いので、強度を保つのと、タッチノイズ低減の目的があるのでは?と思います。
最近、8芯とかのケーブルを編んだものがありますが、個人的には柔らかすぎてヘッドフォンハンガーに掛けるとプラグの重みでケーブルが下がってくるので、あまり好きではありません。
かといって、細い芯線のケーブルは強度が無いので心配なのですが、このようにチューブに通してあると、かなり安心感があります。

リケーブルしてみないと音の差は不明ですが、ANANDAの音を聴く限り、このケーブルでも十分なように思いました。

といいつつも、4N純銀撚線ケーブルを注文してしまいました…。
届いたらレビューしてみたいと思います。

新品でも77,000円、中古では4万円台で手に入るお買い得さ

ヘッドフォンはこの記事に載せた程度しか聴いていませんが、77,000円という価格を考えたときにお買い得か、と言われれば、文句なしにお買い得だと思います。
DT 1990 PROと悩むところですが、モニター的なサウンドか、リスニング中心かで判断すると良さそうな感じ。

中古だとかなり安く購入可能で、フリマサイトだと使用時間が短めのものが4万円台後半~5万円前半程度で出品されています。
使用時間については詐称もいくらでも可能なので、写真で判断するしかありませんが、イヤーパッド表面の繊維の荒れや皮の劣化、ハウジングの傷、机などにぶつかりそうな角の塗装へのダメージなどを拡大して確認すると良いでしょう。
特に、ベロア?のような記事は使っていると表面の光沢が変わってきたり、毛羽だっていたりするので見た目でわかる時もあります。
あとは、出品履歴を見て、同様の商品を大量に出品している人はユーザーとは異なる可能性もあるので、私はフリマサイトでものを買うときは、大切に使っていたとわかる出品履歴の人から購入するようにしています。
ほかには、部屋や机が写っている場合は、きちんと整理されているか、とかでしょうか。

5万円程度で良品が購入できるのであれば、比類無きコスパのヘッドフォンかと思います。

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