車の中というのは、意外なほど平らな面がありません。ダッシュボードは手前に向かって傾いていますし、センターコンソールはシフトやカップホルダーで埋まっています。助手席のシートは平らといえば平らですが、運転席から手を伸ばすには遠く、そもそも座面は水平ではありません。結局、車内で何かを置いたり書いたりする場合、膝の上ということになります。
膝の上ですが、当然ながら安定しません。コンビニ弁当でも食べようものならこぼしたりする可能性がありますし、書いたりするにはまったくの不向き。ノートPCを使うと太ももの上で放熱ができず、本体が熱を持ってきます。
そこで、ハンドルに引っかけて使うテーブルを試してみることにしました。
買ったのはSAIJIの車用ハンドルテーブルです。
結論から書くと、テーブルそのものの作りは良いと思いました。ただ、ハンドルの位置とシートの位置によって使い勝手がかなり変わることと、ハンドルに跡が残る可能性があるので、誰にでも勧められる訳でもない立ち位置のという製品でした。
まずは結論から
SAIJIハンドル用テーブルのメリット
- テーブル面の剛性が高く、物を載せてもたわまない
- ハンドルに引っかける爪の部分にがたつきがなく、装着した状態でぐらつかない
- 引っかけ部分を本体側に収納できるので、使わないときの収まりが良い
- 工具不要。掛けるだけで数秒で装着でき、外すのも簡単
- 40×24cmと、弁当箱でもノートPCでも載る面積がある
- カップホルダーとスマホの立てかけ用の溝あって便利
- 樹脂製なので、汚したら水で洗える
- ハンドル接触部分がゴムで出来ていて滑りにくい
デメリット
- ハンドルが立っている位置だと、爪を引っかけづらいことがある
- テーブルの高さはハンドルの高さ任せ。チルトを上げていると、かなり高い位置に来る
- シートを後ろに引かないと、テーブルが腹のすぐ手前に来て使いづらい
- 本革ハンドルの場合、重いものを載せると革が凹む可能性がある
- ハンドルに当たるゴムの断面が鋭角で、ハンドルに跡が付くことがある
SAIJI 車用ハンドルテーブルの仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| ブランド | SAIJI |
| テーブルサイズ | 約40×24cm |
| 本体厚 | 約2cm |
| 素材 | ABS樹脂+シリコンパッド |
| 対応ハンドル | 断面の厚みが4cmまで |
| 装着方式 | フック(爪)を掛けるだけ。工具不要 |
| 付加機能 | カップホルダー、スマホ立てかけ溝、フック収納機構 |
| 耐荷重 | メーカー公称値なし |
| 実勢価格 | 4,000円前後 |
フック式のハンドルテーブルは、そもそも重量物を前提にしていことと、ハンドルの材質や角度によって耐荷重が変わるので、記載はありません。ベルトでハンドルに縛り付けるタイプであれば5kg程度をうたう製品もありますが、掛けるだけのタイプは基本的に「弁当と飲み物」くらいの想定だと考えておいた方が良いです。
価格の割にしっかりしている
まず良かった点から。
テーブル自体しっかりしています。40×24cmという面積で厚みは2cmですが、中央に手をついて軽く体重をかけても、目に見えてたわむということがありません。
安価な樹脂トレイにありがちな、押すとベコベコと鳴る感じがないのは好印象でした。バリなどもなく、チープな感じはありません。

テーブル中央、上の方にある出っ張りはスマホを置くためのもの。右側にはドリンクを置く凹みがあります。当たり前ですが、運転中に使うものではないため、段差は最低限となっています。
ハンドルに引っかける爪の部分にがたつきがないのも重要なポイント。装着後、テーブルの端を持って軽く揺すってみても、カタカタと動く遊びが出ませんでした。ハンドル側との接触面にはシリコンのパッドが入っていますので、これが効いているのだと思います。
引っかけ部分をしまえる
もうひとつ、使ってみて良かったのがフックの収納機構です。
ハンドルに掛ける爪の部分を、使わないときは本体側に収納できます。このため、置いておく際に便利なのと、取り出すときに爪の部分がなにかに引っかかることもありません。

テーブル裏側、中央付近にあるボタンを押すと、バネの力で爪が飛び出します。
当たり前ですが、ハンドルテーブルは走行中は必ず外す必要があります。つまり、使用時間より収納されている時間の方が圧倒的に長い製品です。爪が出っ張ったままだと、後席の足元やシートの隙間に差し込むときに、内装のどこかに引っかかってしまい、いざ使うときにサッと取り出せない、なんてことがあります。
爪をしまってしまえばただの平らな板になりますので、シートの背もたれの裏やラゲッジの隙間にすっと入ります。
ハンドルの位置次第でかなり使い勝手が変わる
ここからが、この製品を勧めるかどうかの分かれ目になる部分です。
ハンドルが立っていると引っかけづらい
テーブルを固定するには、爪をハンドルのリム(外周)に引っかける必要があります。ですので、掛けたい位置にスポークやエアバッグのカバーが張り出していると、爪が入りません。
基本的にはハンドルは直進の位置にした状態で取りつけるのが良いと思います。

チルト機構でハンドルの角度を変えられる場合、ハンドルが立った状態にしていると引っかけた際に落ちやすくなりますので注意が必要です。
ハンドルが寝ている方が引っかけた際の耐荷重が増します。
テーブルの高さは、ハンドルの高さで決まる
これは構造上どうしようもない話なのですが、テーブルの高さは完全にハンドルの高さに従属します。
私の車はメルセデス・ベンツのVクラス(W447)ですが、この車は運転席の着座位置が高く、ハンドルもそれなりに高い位置にあります。チルトを上げ気味にセットしていると、テーブルがかなり高い位置(胸の少し下あたり)に来ます。
この高さだと、書き物にも向きませんし、弁当を食べるにも机が近くて腕を持ち上げた状態になるので、食べづらいです。ハンドルのチルトを普段より下げてセットし直すことになると思いますが、毎回使うたびに位置を変えるのも面倒なんですよね…。
ハンドル位置を下げ気味にできる車であれば、この点はかなり楽になるはずです。
シートを引かないと、腹の前にテーブルが来る
もうひとつ、前後方向の問題があります。
テーブルはハンドルより手前、つまり運転者側に張り出します。運転姿勢のままだと、ハンドルと腹の間にはそれほど余裕がありませんので、テーブルが腹のすぐ手前に来ることになります。この状態では、手を自然に伸ばすこともできませんし、弁当も非常に食べづらいです。

上の写真はドライビングポジションのままでは、テーブルが近すぎで使いづらい参考例です。
このため、実質的にはシートを一段後ろにスライドしてから使うこととなります。シートを引いてしまえば手元にきちんと空間ができて、普通に使える机になります。ただし、シートポジションを毎回動かすことになりますので、メモリー機能のない車だと使うたびに座り直しのやり直しが発生します。これも微妙に面倒です。
このあたりをまとめると、「シートを後ろにスライドできる余裕があって、かつ、ハンドルを低めにセットできる車」であれば快適に使える製品です。
逆に、後席に人が乗っていてシートを動かせない、あるいはハンドル位置が高い車では、期待したほど便利には感じないかもしれません。
本革ハンドルの場合は注意が必要
Vクラスのハンドルは本革巻きです。爪のハンドル接触面にはゴムのパッドが貼られていて、直接樹脂が当たらないようには配慮されています。ただし、このゴムには厚みがありますので、断面がそのまま角として革に当たります。しばらくテーブルと取りつけていると、ゴムのエッジラインに沿って、ハンドルの革に跡が残ることがありました。

解りづらいですが、中央付近に、横向きに凹んでいるのがハンドルと接していた部分です。
軽いものを短時間置くくらいであれば、革が戻る範囲だと思います。問題はノートPCのような重量物を長時間載せるた場合で、荷重がゴムの断面に集中しますので革が本格的に凹み、完全には戻らない可能性があります。本革ハンドルの車で使うのであれば、載せるのは弁当と飲み物くらいまでにしておき、長時間取りつけないのが無難です。
跡が気になる場合の対策としては、爪の裏側からハンドルの背面に回り込むように、スポンジゴムを追加で貼ってやる方法が考えられます。接触面積が広がって荷重が分散しますし、エッジがハンドルに直接当たらなくなります。
市販の隙間テープ程度のもので済みますので、本革ハンドルの車で常用するつもりであれば、先に一手間加えておいて損はないと思います。
使用条件を満たせば便利であることは確か
SAIJIの車用ハンドルテーブルは、製品そのものの出来としては満足しています。板はしっかりしていて、掛けたあとにがたつかず、使わないときは爪をしまって多少コンパクトに。ハンドルに掛けるだけの製品として、押さえるべきところは押さえてある作りだと思います。
一方で、使い勝手はテーブルの側ではなく、車の側で決まる部分がかなりあります。ハンドルの高さ、シートをスライドできる余裕、そしてハンドルが凹みやすいかどうか。この3点次第で、評価はかなり変わると思います。
シートを後ろに引ける状況で、ハンドルを低めにセットでき、食事や飲み物といった軽量のものを載せる使い方が中心であれば、4,000円弱という価格に対して満足できる製品です。
逆に、車内でノートPCを開いて長時間作業したいという用途を考えているのであれば、ハンドルに掛けるタイプではなく、シートレールに固定するタイプのテーブルを検討した方が良いかと思います。
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