10年近く乗っていたマツダのアテンザワゴンから、大型犬のケージを複数積めるサイズの大きな車に乗り換えることにしました。
いろいろ検討した結果、メルセデス・ベンツ Vクラス V220d スポーツロングの2018年モデル(W447)の認定中古車を購入しました。犬や大量の荷物を頻繁に積むため、手頃感のある中古を選んでいます。
購入前は情報が少なくて苦労したので、実際に乗ってみて解ったメリット・デメリット・維持費などをまとめました。
なぜVクラスを選んだのか ― 他車種との比較
大量の荷物を積みながら長距離を快適に運転できる車を探したとき、候補になりそうな車を一通り検討しましたが、どれも一長一短でした。
グランエース
300系ハイエースがベースで広大な室内とフラットな床を備えていますが、後部座席が取り外せそうになく、用途とデザインも好みに合わなかったため選択肢から除外しました。
ハイエース・キャラバン
室内の広さとフラットな床は魅力ですが、キャブオーバーで運転席がタイトな点と、荷物が少ないときのリーフサスの硬さが気になりました。何よりアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)が無い点が大きなネックで、群馬〜名古屋の日帰り往復のような長距離運転には向かないと判断しました。
※最新型ではACCが装備されるようになりました
カングー・リフター、ベルランゴ、ドブロ3兄弟
欧州のコンパクトミニバンも選択肢に挙がりましたが、大量の荷物積載にはボディサイズが少し物足りません。
また2列目が完全なフルフラットにならないため、傾いた床だと犬のケージを積みづらいという問題もあり、除外しました。
アルファード・ヴェルファイア
居住性は高いですが、シートを全て取り外してフルフラットにできるVクラスと比べると積載のユーティリティで劣ります。加えて個人的にオラオラ系のデザインが好みではないことも理由の一つです。
これらを検討した結果、「シートを取り外して完全なフルフラットになる」「ACCが標準装備」「デザインがシンプル」という条件を満たすのはVクラス以外に選択肢がない、という結論になりました。
ボディサイズの選び方:ノーマル・ロング・エクストラロング
Vクラスにはノーマル、ロング、エクストラロングの3種類のボディサイズがラインナップされています。
車幅は共通で、全長のみ異なります。
・ノーマル:4,905mm
・ロング:5,150mm(ノーマル比+245mm)
・エクストラロング:5,380mm(ロング比+230mm)

ノーマルとロングのホイールベースは3,200mmで同一で、ロングはリアのオーバーハングが延びます。エクストラロングはさらにホイールベースも3,430mmに延長されています。
取り回しを考えるとノーマルが楽ですが(それでも5m弱…)、荷物をたくさん積むことを考えてロングを選択しました。エクストラロングは積載量こそ最強ですが、5,380mmかつホイールベースも長いため取り回しが厳しく、駐車場も選びます。
多彩なシートアレンジと積載力
シートアレンジは自由だが、変更には相当な筋力が必要
Vクラスの2列目・3列目シートは床の4本のレールに乗っているだけで、取り外したり向きや位置を変えることが可能です。たとえば、2列目だけ取り付けた4人乗り、3列目だけの5人乗り、全て取り外した貨物仕様、2列目を逆向きにした対面シートなど、さまざまなアレンジが可能です。

取扱説明書に記載されているシートアレンジ例。キャプテンシート(EE)の向きや位置をいろいろ変えられる様子が説明されています。

2列目シートを外すと、これだけ広い居住スペースが生まれます。商用車ベースのフラットな床も便利です。
問題は、シートの取り外しにとにかく筋力が必要な点です。国産ミニバンのような格納ギミックは一切なく、シートをレールから人力で脱着する必要があります。
2列目は30kg程度(体感)、3列目は60kg以上はあると思われ、1人では持ち上げることすら困難です。
現実的には、2列目はどうにか一人で取り外しが可能(でも、できるだけやりたくない)、3列目を取り外すのは重量・保管場所の問題から現実的ではない、というのが正直なところです。
シートの重さは国産ミニバンと大きく異なる点で、シートアレンジを考えている方は、購入前に覚悟が必要です。
大人が3人座れる3列目シート
重たすぎて取り外しが困難な3列目シートですが、幅が140cm程度と男性が3人座っても余裕があります。国産ミニバンの3列目は2人がちょうど良いくらいで3人だと長時間の乗車がきつい場合が多いですが、Vクラスの居住性はその点で素晴らしいといえます。シートが大きく重たくて取り外せないというデメリットの裏返しでもあります。
ラゲッジスペースの実力と注意点
VクラスはヨーロッパでVitoという商用車をベースに乗用車として仕立てた車で、商用車譲りの広大なラゲッジスペースが特徴です。シートを取り外すと完全なフルフラットの床が出現しますが、3列目シートの取り外しは現実的ではないため、使い勝手には工夫が必要です。
奥行き:長尺荷物を積むには工夫が必要
2列目シートを取り外し、3列目シートを目一杯前方に移動した状態で、奥行き約140cmの荷物スペースが確保できます。

5mを超えるボディサイズから考えると物足りなく感じるかもしれませんが、これは3列目シートを移動できる範囲に制限があるためです。

2列目・3列目シートはレールにある固定用金具に取り付けますが、この金具が40cm程度の長さがあります。2列目シートを外してもレール上の金具は残るため、3列目シートをぎりぎりまで前に移動できず、1列目シートとの間に50cmほどの空間が生まれてしまいます。

なお5人乗りレイアウトで見ると、このリアシートの足下スペースが広大で快適という見方もできます。

3列目シートをベッドモードにすれば長尺荷物も搭載できますが、その場合は床置きができません。
3列目シートを2列目用の金具に固定し直すことで+40cm以上前に押し出すことも理論上は可能ですが、3列目シートの重さと、車検時に7人乗りに戻す必要があることを考えると現実的ではありません。
我が家では2列目シートを常時撤去し、3列目シートの足下と荷室を使うレイアウトで常用しています。

3列目シートがフラットになるタイプであれば、シートを倒してその上に荷物を積むことで長尺の荷物も載せられます。
写真は2mの木材を積んだ状態ですが、この方法なら2m程度は余裕で積載可能です。
幅:室内幅1,670mm、タイヤハウス部でも120cmの余裕
メーカー公称値はありませんが、スライドドア部分の室内幅を実測したところ1,670mmでした。40系アルファードの1,660mmよりも広い空間を確保しています。その分、車両の全幅もアルファードの1,850mmに対してVクラスは1,930mmとなりますが、室内の広さとのトレードオフです。

室内で最も狭いタイヤハウスが張り出している部分でも幅120cmあります。これだけあれば大型犬のケージを2つ並べても余裕で、ラゲッジスペースの幅については不満はありません。また、開口部が真四角なので荷物の積み下ろしもとても便利です。

犬を満載して出かけたときの荷室。バリケンXLサイズ×1、バリケンLサイズ×2、バリケンSサイズ×1を積載してもまだ余裕があります。LサイズをXLサイズの上に積めば、さらに多くのケージを搭載可能です。
取り外した2列目シートの保管問題
荷物を積むためには2列目シートを取り外すのが一番ですが、外したシートをどうするかという問題があります。我が家では折りたたんだ状態で立てて部屋のクローゼットに押し込んでいますが、2階なのでシートの移動がなかなか大変です。なお、中古のシートレールを使えば家の中で椅子やソファとして使うことも出来そうです。(レールに固定しないと自立しない)

フルフラットなベッドとして使う

ロングボディにはラゲッジセパレーターというオプションがあり、3列目をフルフラットにした状態でラゲッジセパレーターと一体化させることで、長さ190cm×幅140cmというダブルサイズのベッドが出現します。
幅140cmは車の中とは思えないサイズで、大人2人が余裕で寝ることができます。

ベッドの長さは190cmと男性でも余裕があります。国産ミニバンで完全なフルフラットベッドになる車は少ないですが、Vクラスはこれが可能です。しかもラゲッジセパレーターの下や3列目シートの背もたれの裏には空間があり、荷物を収納することもできます。車内泊を考えている方には、かなりお勧めの仕様です。

ベッドにするには年式と仕様に注意
ベッドとして使用するには、ラゲッジセパレーターを搭載している車両を選ぶ必要があります。購入時のオプション扱いになっており付属しない車もあるため、購入の際には必ず確認してください。
また、2018年以降のモデルではよりフルフラットに近づくよう改良が行われています。
- ラゲッジセパレーターの板がクッション性の高いものに変更(ただし、セパレーターにあった小物入れスペースは廃止)
- 3列目シートの背もたれ部分が一体化&凹凸の少ないものに変更
3列目シートのホールド性は若干落ちましたが、ベッドとして使う場合や荷物を乗せる際には凹凸が少ない方が便利です。また、3列目シートの足下に引き出しが追加され、収納として重宝しています。

3列目シート下の収納スペースは深さがあり、意外と容量が大きくて便利です。

2018年以降の改良モデルの見分け方は、①3列目シートが分割できない、②ヘッドレストを座席背面に取り付ける穴がある、③背もたれの凹凸が少ない、④ラゲッジセパレーターに蓋がない(改良前は小物収納できる蓋付き)などの点で判断できます。
マイナーチェンジによる改良
W447型Vクラスは何度かマイナーチェンジを行っています。
主な変更点は以下となります。
2016年 一部改良
- アドブルータンク容量拡大
従来の11.5リッターから約25リッターへと倍増以上に大型化されたことにより、アドブルーの補充回数が少なくなりました。 - V220d スポーツ ロンググレードの追加
専用フロントバンパー、リアスポイラー、19インチAMG 7ツインスポークアルミホイールなどが装備されたグレードが追加されました。また、同時にパノラミックスライディングルーフがオプションで選べるようになりました。(スポーツロングには標準装備)
2018年 一部改良
- 3列目シートの仕様変更
ベッドとして使える3列目シートが背もたれ一体型のフルフラット形状に変更され、シート下部に小物入れ(引き出し)が追加されました。 - ラゲッジセパレーターの改良
積載性を高めるため、クッション性のある素材への変更や形状の見直しが行われました。 - インフォテインメント
COMANDシステム(NTG 5.2)であり、CarPlay/Android Autoには非対応です。
2020年 マイナーチェンジ(大幅改良)
- パワートレインの刷新
エンジンが従来の2.2L(OM651)から最新の2.0L 直列4気筒クリーンディーゼル「OM654」に変更。さらにトランスミッションが7速(7G-TRONIC)から9速(9G-TRONIC)へ多段化され、静粛性と燃費性能が向上しました。 - MBUXの採用
ダッシュボード中央に10.25インチのワイドタッチパネルを搭載。対話型音声認識「ハイ、メルセデス」が利用可能になりました。 - CarPlay/Android Auto対応
スマートフォン連携機能が標準装備(一部モデル除く)となりました。 - シートベンチレーション
運転席・助手席にベンチレーション機能が追加(「V 220 d Avantgarde Extra Long」などに標準、またはオプション設定)。 - 安全装備の強化
歩行者検知機能付のアクティブブレーキアシストや、夜間の視界を確保するマルチビームLEDヘッドライトが採用されました。 - ベンチレーションウィンドウの採用
運転席や3列目横のスイッチで、3列目のリアクォーターガラスの後端を数センチ外側に浮かせることができるようになりました。走行中の空気の吸い出し(換気)に非常に有効です。
2022年〜2023年 一部改良
- エアサスペンションの採用
「AIRMATIC サスペンション」が多くのグレードに設定され、商用車ベースとは思えないしなやかな乗り心地を実現しました。 - 上位グレードの拡充
「Exclusive」や「Black Suite」といった、より豪華な内装と2列目エクスクルーシブシート(リラクゼーション機能付き)を備えたモデルが登場しました。
2024年 ビッグマイナーチェンジ(現行最新型)
- エクステリアの刷新
フロントグリルがさらに大型化され、スリーポインテッドスターを配した新しいフロントマスクへ変更。リアコンビネーションランプもデザインが一新されました。 - インテリアの全面刷新
12.3インチのワイドスクリーン2枚を並べた「ワイドディスプレイ・コックピット」を採用。ステアリングホイールも最新世代のタッチセンサー式に変更されました。 - キーレスゴーの標準化
これまで要望の多かった、キーをポケットに入れたままドアの解錠・施錠やエンジン始動ができる「キーレスゴー」が標準装備となりました。 - ワイヤレスチャージング
センターコンソール前方にスマートフォンの非接触充電機能が追加されました。 - ベンチレーションウィンドウの廃止
残念ながら、リアクォーターガラスが固定式に戻ってしまいました。部品点数の削減や、新しい内装デザインとの兼ね合いと考えられます。
私が購入したのは2018年マイナーチェンジモデルですが、そのあとのモデルで良いなぁ…と思うのは、2020年 マイナーチェンジモデルです。ベンチレーションシートと、3列目のウィンドウが開けられるようになったのが羨ましいですね。
エンジンについては120km巡航している際には9速ATは魅力的ですが、OM654用のサブコンが存在せず、パワーアップ出来ないのが残念なところです。
グレード・オプションの違い
スポーツグレードについて
私が購入したスポーツロングは最上位グレードにあたり、サンルーフを含むほぼ全てのオプションが標準装備です。なお、サンルーフはノーマルとエクストラロングには設定がなく、ロングのみのオプションとなります。
現在ではスポーツグレードは廃止され、AMGラインパッケージというオプション扱いとなっています。
2020年モデル以降はCarPlay対応に
2020年のマイナーチェンジでナビ回りが大きく変わりました。
ナビがMBUXにアップデート(液晶ワイド化)し、CarPlay/Android Auto対応となっています。
私が購入したのは2018年モデルなのでCarPlay非対応のナビですが、思ったよりも使い勝手は良く、基本的には純正ナビを使っています。ただし田舎だと番地が8000番台まである地域があり、ホイールを延々と回して選ぶのはかなり面倒です。
渋滞時の最適ルート選択や検索のしやすさを考えるとタブレットが最強なので、スマホホルダーを追加してiPad miniをナビとして併用しています。

ルーフレールについて
ルーフレールはオプション設定で、前期モデルでは付いていない個体もそこそこあります。後期モデルは標準装備になったようです。
車高が2m近いため、ルーフレールにキャリアを乗せることはあまり現実的ではありませんが、洗車時に脚立に乗りながら掴まれる点が個人的には重要です。掴むものが何もない状態で脚立に乗って屋根を洗うのはなかなか怖いので、ルーフレールがあると安心感がまったく違います。見た目のアクセントにもなりますので、できればある方が良いと思います。
ルーフレールが付いていない場合は、後付け可能な社外品が安価に販売されています。重たい荷物を乗せるわけではないので社外品でも問題ないかと思います。私もAliExpressから輸入して取り付けました。詳細は下記の記事をご参照ください。

三列目のベンチレーションウィンドウについて
Vクラスは最前列の窓しか開きません。スライドドアの窓ガラスは固定されており、換気がしづらい構造です。
後期型では3列目窓ガラスの後方中央に黒い丸いキャップが付いた、外側に押して開けられるベンチレーションウィンドウが搭載されました。換気性能がかなり改善されますので、窓ガラスが開くタイプがあればそちらをお勧めします。
サンルーフ搭載モデルであれば、屋根からある程度の換気が可能なので代用にはなります。なおサンルーフはロングにのみ設定されているオプションとなります。
ベンチレーションシートについて
後期モデルの一部オプションとして、ベンチレーション機能付きシートが装備されている場合があります。シート座面に細かい穴が空いており、ドア内側のスイッチパネルにベンチレーション用ボタンが追加されていれば装備車です。本革シートは蒸れやすいため、あると快適ですが、装備している中古車はあまり多くはありません。
デザインとボディカラー
デザイン
Vクラスを選んだ理由の一つが、シンプルで飽きが来ないデザインです。最近の国産ミニバンはオラオラ系のデザインばかりで好きになれないのですが、Vクラスはベンツ全体に通じるシンプルなデザインでまとめられており、派手な飾りがありません。(2024年登場のマイナーチェンジモデルでは少し押しの強いデザインになりました)

スライドドアの窓は固定で開かない分、凹凸もなく運転席から続く一体化したデザインになっています。ウィンドウ下部のラインも緩やかな弧を描いており、全体的に上品にまとまったデザインで気に入っています。
ボディカラーと中古市場での探しやすさ
前期型のラインナップカラーは、アークティックホワイト、ロッククリスタルホワイト、オブシディアンブラック、カバンサイトブルー、ジュピターレッド、フリントグレー、ブリリアントシルバーの7色です。
中古では圧倒的にオブシディアンブラックとホワイト系(アークティックホワイト・ロッククリスタルホワイト)が多いです。アークティックホワイトはソリッド、ロッククリスタルホワイトはメタリックですが、日光の反射でわずかにメタリックが見える程度のかなり控えめなメタリックなので、中古車サイトでは単に「白」と記載されているケースが多く注意が必要です。写真だけでは見分けがつきづらいので、問い合わせて確認することをお勧めします。
私は犬を積むことが多いので車内温度が上がりやすいオブシディアンブラックは対象外とし、フリントグレーを本命に1年弱探しましたがまったく出物がありませんでした。マイナー色のフリントグレーやカバンサイトブルーは見つけたらすぐに確認しに行った方が良いと思います。ジュピターレッドも少数派ですが、人気がないのか中古サイトにしばらく掲載され続けているのを見かけます。
半年ほど探した体感での探しやすさは、オブシディアンブラック=ホワイト系>ブリリアントシルバー>>カバンサイトブルー>ジュピターレッド>>>フリントグレー、といった感じです。結局フリントグレーは見つからず、たまたま見つけた認定中古車のロッククリスタルホワイトを選びました。
運転のしやすさと疲労感
取り回し
ホイールベースが3.2mもあるVクラスですが、実際に街中を走ってみると案外取り回しはしやすいと感じます。もちろん5mを超えるボディサイズなので都内の駐車場は選びますし、狭いコインパーキングや機械式駐車場は利用不可です。
ただ、最小回転半径は5.6mで、ホイールベース3mのアルファード・ヴェルファイアの5.6〜5.8mと同等かそれ以上に優秀です。FRで前輪の切れ角が大きく取れるためですが、その分フロントタイヤの減りも早いので注意が必要です。田舎で据え切りをほとんどしない私の環境では4万キロほど持ちそうですが、都内など曲がる機会が多いエリアでは1〜2万キロでフロントのショルダー部分がすり減るケースもあるようです。
車庫入れは360度カメラとコーナーセンサーがあるので位置把握はしやすいですが、センサーは金網などは検出できないため過信は禁物です。一番注意が必要なのは内輪差で、ホイールベース3.2mから計算すると約107cmにもなります。ホイールベース2.5mの車では83cm程度なので24cmも差があります。曲がる際は少し前に出てからハンドルを切るなど、意識的な操作が必要です。
長距離でも驚くほど疲れない
疲労感についてはとにかく疲れない、の一言に尽きます。納車日に800km運転して帰宅しましたし、その後も日帰りで往復800kmほどの長距離運転をしましたが、今まで乗ってきた車の中でダントツに疲れません。
最大の理由はアクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(ACC)の出来が良いことです。時速0〜20km付近でわずかにギクシャクする場面はありますが、加減速ともにスムーズで車間距離の設定も可能です。0km/hから最高200km/hまで対応しているため、120km/h制限の高速道路にも対応しています。
横風についても、ボディが大柄なため不安がありましたが、クロスウインドアシストが自動的に補正してくれるうえ、2トンを超える重量もあって強風でも車線を外れるようなことはほとんどありません。シートも適度な硬さで視点が高く、長距離クルーズに向いた車です。
燃費・パワー
2.2L 直列4気筒 BlueTECエンジン(OM651型)を搭載し、最高出力163ps(120kW)、最大トルク380Nmを発揮します。

オイル交換後3,200kmほど走った時点の燃費は13.6km/L。平均時速45km/hが示す通り高速走行が多い使い方でのデータですので、都内の街乗り中心だと悪化する可能性があります。

高速を90km/h前後でゆっくり巡航した際は16.3km/Lと良好です。高速利用での遠出であれば1回の給油で1,000kmを超えることもできます。
馬力は控えめですがトルクはディーゼルらしく十分で、停車からの発進や高速の追い越しも問題ありません。より高出力を求める方には、前期型(OM651エンジン)向けのサブコンが各社から発売されています。私はRaceChip RSを取り付けて最高202ps・462Nmまでパワーアップしました。詳細は下記の記事をご参照ください。

ディーゼル車なのでアドブルーの補充も必要です。私の2018年モデルはタンク容量が25Lなので年2〜3回程度の補充で済みます。ディーラーに依頼すると高くつくので、アマゾンで購入してDIYで補充するのがお勧めです。

乗り心地について
足回りはかなり固めで、段差のゴツゴツした感じを拾いやすいです。19インチより18インチのタイヤの方が乗り心地は良くなると思います。商用車のVitoがベースということもあり、重厚でしっとりとした乗り心地とは異なりますが、慣れてしまえば気にならなくなります。荷物や犬をガンガン積んで走り回る私の使い方には、むしろ固めの足回りが好印象です。
2024年のマイナーモデルチェンジではエアサスが採用され、乗り心地が大幅に改善されたようです。乗用車としての快適性を重視する方には、2024年モデルが向いていると思います。
10万キロを超えたタイミングで、KW V3 Street Performance車高調を入れ、足回りを一新しました。
かなり乗り心地が改善され、今まで気になっていた点が解消されています。

維持費について
燃料費・オイル交換
燃料は軽油でリッター14km前後走りますので、このボディサイズにしては良好です。ただし田舎でのデータなので、都心のストップ&ゴーが多い環境では悪化します。オイル交換は1回あたり2万円弱。エンジンオイルが9リットル入るためコストはそれなりにかかります。交換サイクルは10,000kmが目安で、メンテナンス表示が出たタイミングで行っています。
タイヤ
重量があり、FRでタイヤの切れ角も大きいため、フロントタイヤの減りが特に早いです。1万キロも持たないという話も聞きますが、私は田舎に住んでいてほぼ据え切りをしないこともあり、今のところ4万キロほどは持ちそうです。タイヤサイズが245/45R19と大きく、ロードインデックス102以上が必要なため、タイヤ自体の価格も高めです。


修理費・保証
故障した際の修理費は国産車より高額です。自宅近くにBosch Car Service認定の整備工場があり、そちらでメンテナンスをお願いしているためディーラーよりは費用を抑えられています。
車検費用
購入から2年が経過して車検を迎えましたので、2年間の維持費をまとめています。詳細は以下の投稿をご参照ください。

中古でVクラスを購入する際の注意点
Vクラスを中古で買う場合、5年落ちでも400〜700万円程度します。信頼のおける店での購入が重要で、主な選択肢は一般的な中古車販売店か、正規代理店の認定中古車の2択です。
認定中古車のメーカー保証はとても優秀
メルセデス・ベンツの認定中古車には走行距離無制限で2年間のメーカー保証が付きます(以前は年式によって1年〜2年と異なりましたが、現在は年式を問わず2年間に統一されました)。全国のメルセデス・ベンツ正規代理店(ヤナセ・シュテルンどちらでも)で保証修理を受けられ、使用部品も純正品です。
一般の中古車販売店の場合は、独自保証・保証会社保証・無保証のいずれかとなります。保証会社の保証はコストダウンが徹底されており、遠方の提携工場への入庫が必要だったり、再生部品使用が前提だったりするケースもあります。認定中古車は一般の中古車より数十万円高くなりがちですが、いざ故障したときの安心感は大きく違います。修理代が高額になりやすい輸入車こそ、正規代理店の認定中古車を選ぶメリットが大きいと感じています。
なお、認定中古車を購入する際の注意点が1点あります。TVキャンセラーの取り付けやコーディングによる解除を行うと、その時点でメーカー保証が無効になります。運転中にテレビを見たい方は購入前に確認してください。
保証期間中に行った修理
私の車両は購入後1ヶ月程度でリアカメラのカバー開閉異常・NoXセンサー異常が発生したのを皮切りに、購入後1年以内に以下の不具合が発生しましたが、全てメーカー保証で対応できました。
- リアカメラ動作不良(カメラモジュール、コントロールユニット、コネクタ交換、計3回修理)
- 電動パーキングブレーキアッセンブリ交換
- NoXセンサー交換
- リアウインカー動作不良(プログラム書き換え)
- リアゲート開閉不良(位置調整)
- サンルーフ開閉不良
保証がなければかなりの金額になったと思います。外国車なので故障はある程度覚悟が必要ですが、認定中古車の保証はそれをカバーしてくれる心強い仕組みです。
Vクラス 220d スポーツに対する個人的な感想
購入の目的だった「大量の荷物が積める」「運転が楽で長距離でも疲れない」「燃費がそこそこ良い」という3点については、大満足の結果です。1日800km走っても疲れませんし、犬の譲渡会では大型犬ケージ+イベント用品(タープ・机など)を満載した上で5人が乗れる積載量を確保できています。燃費も軽油で14km/L程度あり、このボディサイズと重量を考えるとかなり良好です。
気になる点としては、故障リスク(保証期間が終わったあとを考えると少々不安)、都内や横浜での取り回し、駐車場の選り好みなどがあります。ホイールベースが長いため細い道では神経を使いますし、直角な交差点では少し大きめに曲がらないとホイールを擦るリスクがあります。機械式駐車場はほぼNG、コインパーキングも狭いところは入れられないケースがあるので、事前にGoogleマップのストリートビューで確認しておくと安心です。
細かいところで便利な点として、エアコンのダクトがリアゲートの足下にもあるため、後部に犬のケージを積んでいても冷気が届きやすいです。12Vのシガーソケットがスライドドア後方とリアゲート下部右側にあるので、車載冷蔵庫の設置にも便利です。
いろんな点を総合して、買って良かったと言える車です。私の使い方を考えると他に選択肢がなかったとも言えますが…。
Vクラスをお勧めできる方
以下の条件に合致する方には、Vクラスをお勧めできます。
- アルファード・ベルファイアはどうも好きになれない
- 他の人とは違ったラージサイズ・ミニバンが欲しい
- シートアレンジに労力は厭わない、シートアレンジする必要がない
- シートを外して大量の荷物を積みたい
- 長距離を運転しても疲れないミニバンを探している
- 国産車と比べて高額になりがちな維持費・修理代は許容できる
- 駐車場ですぐに見つけられる車がほしい
- 大人7人が乗っても窮屈ではなく快適に過ごせる車が欲しい
国産ミニバンと比べると使い勝手で劣る部分もありますが、存在感や運転時の疲れにくさ、積載のユーティリティはさすがと言えます。購入して1年半で走行距離は4万キロを超え、タイヤも2回目の交換となりましたが、出番が多いのはそれだけ便利な証拠だと思っています。
カスタム・その他
私が乗っているのはスポーツグレードなのでフロントフェイスもスポーティーな印象で気に入っています。大きなカスタムはしていませんが、ホイール交換とグリル交換を行っています。気になる方は下記の記事をご参照ください。





コメント
2016年式のVクラスに乗ってます。
2018年モデルとは結構違いがあるんですね。
ところで、燃費についてですが、
「軽油で13.6km/L、軽油とガソリンの価格比で換算すると12km/L」と書かれていますが、
日本ではガソリンより軽油の方が安いので、軽油で13.6km/Lだった場合、ガソリン換算だと13.6km/L×1.14で15.5km/Lになるかと思いました。
ご指摘ありがとうございます!
解りづらかったので、当該箇所削除しました。
2016年と2018年はいずれも前期モデルなのですが、細部で結構違いがあるようです。