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NEJE Master 2をNEJE 5制御基板に交換して現行世代へアップグレードする

DIY

以前からレーザー加工機のNEJE Master 2を使っています。
NEJE Master 2はかなり古いモデルになってしまいましたが、フレームやXY軸などの機械部分はシンプルな構造ですし、レーザーモジュールも交換できるため、現在でも十分使えるレーザー加工機です。

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問題は、機械部分よりも制御基板の古さで、最新機種はNEJE 5となっていますので、だいぶ古くなってしまいました。
そこで今回、NEJEから販売されているNEJE 5 Series Laser Controller Boardへ制御基板を交換し、Master 2をアップグレードしてみました。

NEJE 5用の制御基板は単に新しい基板というだけではなく、

  • 256MBの内部メモリ
  • LightBurn / LaserGRBLのワイヤレス接続
  • RECによるオフライン加工
  • M8によるエアアシスト制御
  • M7拡張出力
  • DOORインターロック
  • MEMSセンサー
  • センサーレスのリミット検出
  • ロータリー・Z軸拡張
  • 12V / 24V対応

など、多くの機能が追加されています。
ということで今回は、NEJE Master 2の基板をNEJE 5用に交換すると、具体的に何が変わるのかを紹介します。

購入したもの

以下の製品をAliExpressで購入しました。

メカはMaster 2のまま、頭脳は最新のNEJE 5

最初に重要な点ですが、制御基板を交換したからといって、NEJE Master 2が完全なNEJE 5になるわけではありません。
今回交換するのは、あくまでレーザー加工機を動かしている制御基板です。
そのため、

  • アルミフレーム
  • X/Y軸
  • ステッピングモーター
  • ベルト
  • 加工可能範囲
  • レーザーモジュール

などはMaster 2のままです。
つまり、Master 2の機械部分に、NEJE 5世代の頭脳を載せる、というのが今回のアップグレードになります。
レーザーの出力が上がったり、加工可能面積が広くなったりするわけではありませんが、使い勝手と拡張性は大きく向上します。

Master 2とNEJE 5基板の主な違い

ざっくりまとめると以下のようになります。

機能Master 2純正基板NEJE 5基板
LightBurn対応対応
LaserGRBL対応対応
Bluetooth対応対応
LightBurnワイヤレス接続限定的Bridge機能で対応
オフライン加工NEJEソフト経由で対応REC+256MBメモリ
内部メモリ従来方式256MB
M8エアアシスト対応
M7拡張出力対応
DOOR入力対応
MEMSセンサー搭載搭載
センサーレスリミット検出対応
Z軸・ロータリー拡張限定的対応
電源主に12V12V / 24V
ファームウェア更新対応継続アップデート対応

Master 2も当時としてはかなり高機能で、Bluetoothやオフライン加工、LightBurnにも対応していました。NEJE公式資料によればMaster 2 / 2SはGRBL 1.1fを搭載し、NEJEソフトで加工データを本体に保存して赤いボタンからオフライン加工することも可能でした。
ですので、NEJE 5基板で全ての機能が新しく追加されるわけではありません。

どちらかというと、Master 2にもあった機能を現代的に作り直し、さらに外部機器との連携機能を大幅に増やした、という進化になります。

256MBメモリ搭載でLightBurnからオフライン加工できる

NEJE 5基板でかなり便利なのが、256MBの内部メモリです。
NEJE 5には「REC」という独自機能が用意されていて、LightBurnやLaserGRBLから加工データを先に本体へ転送できます。

通常、LightBurnで加工すると、

LightBurn
  ↓
USB
  ↓
レーザー加工機

という形で、加工中もPCとレーザー加工機が通信し続けます。
当然ですが、この状態でPCがスリープしたり、USBケーブルが抜けたり、アプリケーションが終了したりすると加工を継続できません。

NEJE 5のRECでは、

LightBurn
  ↓
加工データを丸ごと転送
  ↓
NEJE 5基板の256MBメモリへ保存
  ↓
加工開始

という動作が可能です。
データ転送が完了してしまえば、PCとの通信を維持する必要がありません。
NEJE公式にも、RECでファイル全体を本体へ転送したあとで加工を開始でき、開始後はPCを終了して本体単独で動作できると説明されています。保存データは電源を切っても保持されます。
長時間のレーザー加工では、これは結構大きなメリットです。

ただし、PCを切れる=レーザー加工機を放置してよい、という意味ではありません。
レーザー加工では素材が発火する可能性がありますので、オフライン加工中でも基本的に加工機の監視は必要です。

NEJE 5ではかなり使いやすくなったオフライン機能

ちなみにMaster 2にもオフライン加工機能はあります。
NEJEソフトから一度加工データを送ると本体側に保存され、再起動後に本体の赤いボタンを操作することで、PCなしで加工を開始できます。

NEJE 5ではこれがさらに進化し、LightBurnやLaserGRBLから直接RECできる、というのがポイントです。
NEJE純正ソフトだけではなく、LightBurnを中心にオフライン加工のワークフローを組めるため、実際の使い勝手はこちらの方がかなり良さそうです。

LightBurnをワイヤレス接続できる

NEJE Master 2にもBluetoothは搭載されています。
ただし、旧Master 2世代ではNEJE APPやNEJE純正ソフトを中心とした使い方になっていました。公式資料でもBluetooth BLE 4.0を利用した接続に対応しています。

NEJE 5ではBluetoothの使い方がさらに進化しています。
NEJE WinにはBridgeモードが用意されていて、

LightBurn
  ↓
仮想COMポート
  ↓
NEJE Win Bridge
  ↓
Bluetooth
  ↓
NEJE 5

という接続が可能です。
つまり、LightBurnからNEJE 5へワイヤレスで接続できます。
LaserGRBLでも同様です。
レーザー加工機は煙が出るので、PCとは少し離れた場所に置きたいことがあります。
USBケーブルを何mも引き回さなくてもLightBurnが使えるようになるのは、地味ですが便利な進化です。

M8対応でエアアシストを自動ON/OFFできる

今回の基板交換で、個人的にかなり面白いと思うのがM8出力です。
GRBLではM8は本来クーラントなどを制御するための命令ですが、レーザー加工機では一般的にエアアシストの制御に使われます。
NEJE 5基板にもM8端子が用意されており、NEJE自身も高圧エアアシスト用として案内しています。LightBurnからもM8を制御できます。

つまり、

加工開始
  ↓
M8
  ↓
電磁バルブON
  ↓
エアアシスト開始
  ↓
レーザー加工
  ↓
M9
  ↓
エアアシスト停止

という自動運転が可能になります。

今まではコンプレッサーやエアポンプを手動でON/OFFしていた場合でも、電磁バルブを追加すればレーザー加工と完全に連動させることができます。
木材を切断する場合、エアアシストは切断面の焦げを減らしたり、煙や燃焼物を吹き飛ばしたりするためにかなり重要です。NEJE 5基板へ交換する大きなメリットの1つだと思います。

M7出力も利用可能

M8だけではなく、M7の拡張出力も用意されています。

NEJE公式ではM7について、NEJEソフトやLightBurnからカスタマイズして利用できる拡張機能として説明されています。

例えば、

  • 排気ファン
  • 集塵機
  • 補助ファン
  • リレー
  • その他の外部機器

などを連動させることが考えられます。
M8をエアアシストに使い、M7を排気設備に使えば、加工開始と同時にエアアシストと排気を開始するといった環境を作ることもできます。
ここまで来ると単なるレーザー刻印機というより、小型CNC工作機械に近い感じになってきます。

DOOR入力で安全インターロックを追加できる

NEJE 5基板にはDOORインターフェースも追加されています。
これはレーザー加工機をケースやエンクロージャーに入れて使用するときに便利です。
例えば扉にスイッチを取り付け、

扉を開ける
  ↓
DOOR入力
  ↓
レーザー加工を停止

という安全装置を作ることができます。

高出力レーザーを使用する場合、レーザー光を直接見ないためにもエンクロージャー化は非常に有効です。
Master 2を長く使いながら少しずつ加工環境を本格化していく場合にも便利な拡張機能です。

MEMSセンサーによる安全機能

NEJEは以前から本体の傾きなどを検知するセンサーを搭載しています。ただし旧Master 2 / 2Sでは、NEJE公式マニュアルにGRBLモードでは加速度センサーによる保護機能が動作しないという注意書きがあります。

NEJE 5基板にはMEMSジャイロセンサーが内蔵されており、基板が傾いたことを検知すると動作を停止する安全機構が用意されています。
レーザー加工機は正常な姿勢で使用するのが前提ですので、こうした安全機構が制御基板に組み込まれているのは安心材料です。

リミットスイッチ不要のセンサーレス検出

NEJE 5では、物理的な衝突を検知するButtonless Limit-Triggered Technologyという仕組みを採用しています。
従来のような機械式スイッチを追加しなくても、軸が端まで到達したことを検出できます。NEJEでは衝突位置に約3mmのクッション材を取り付ける構成を案内しています。

機械式リミットスイッチの場合、

  • スイッチの故障
  • 接点不良
  • 配線切れ
  • 取り付け位置のずれ

などがありますが、スイッチそのものが無ければ構造をシンプルにできます。
古いMaster 2のフレームを流用して最新基板を取り付ける場合にも相性の良い仕組みです。

ロータリーやZ軸も追加できる

NEJE 5基板には独立した5ピン拡張端子が用意されています。
モータードライバーを追加することでZ軸を増設できるほか、NEJE R5/R6などのロータリーアタッチメントにも対応しています。

ロータリーアタッチメントを利用すれば、グラスやボトル、タンブラーなどの円筒形の材料への刻印も可能になります。
Master 2を単純な平面レーザー加工機として使うだけであれば必要ありませんが、将来的な拡張性はかなり高くなります。

12Vだけでなく24Vにも対応

NEJE 5基板の電源入力は12V / 24V対応です。
高出力レーザーモジュールなどを使う際に便利ですが、ここには注意が必要です。
制御基板が24V対応だからといって、12V仕様のレーザーモジュールへ24Vを入れてよいわけではありません。

NEJE公式にも、基板へ入力する電圧はレーザーモジュールやM7/M8に接続する機器の電圧と合わせる必要があり、間違えると基板を破損する可能性があると記載されています。
現在12V環境で問題なく動いているのであれば、24V化する明確な理由がない限り、そのまま12Vで使う方が無難です。

レーザーモジュールへの電源供給も強化されている

NEJE 5基板には従来の4ピン接続に加え、追加の2ピン電源端子があります。
NEJEによれば、この2ピンを使って電源を分散することでケーブルに流れる電流を減らし、高電流によるケーブルやコネクターの発熱・損傷を防ぐ設計になっています。

レーザーモジュールの高出力化が進み、消費電力も増えていますので、このあたりは新しい世代の基板らしい改良です。
低出力モジュールでは大きな違いを感じないと思いますが、高出力レーザーへ交換する場合には意味のある変更です。

ファームウェアも継続してアップデートできる

NEJE 5基板はNEJE WinからNEJE / GRBLファームウェアをアップデートでき、NEJEは生涯ファームウェアアップグレードを提供すると案内しています。
さらにLightBurnやLaserGRBLから、モーター設定や加速度、加工領域、Z軸、その他のGRBLパラメーターを変更できます。

Master 2のフレームへ移植する場合には、NEJE 5本体の設定をそのまま使用するのではなく、Master 2のモーターや加工領域に合わせてGRBLパラメーターを設定するのが重要です。

基板を交換してもアップグレードされない部分

ここまで書くとMaster 2がNEJE 5へ生まれ変わるように思えますが、もちろん変わらない部分もあります。

レーザー出力は変わらない

当然ですが、レーザー出力はレーザーモジュールで決まります。
制御基板をNEJE 5へ交換したからといってレーザー出力が強くなるわけではありません。出力を上げたい場合はレーザーモジュール自体を交換する必要があります。

加工可能範囲は変わらない

X/Y軸のレール長はMaster 2のままなので、物理的な加工範囲も変わりません。
ソフトウェア上で加工範囲を広げても、当然ながらフレーム以上の範囲には移動できません。

フレーム剛性も変わらない

NEJE 5では本体の機械構造も新しくなっていますが、基板交換ではMaster 2のフレームをそのまま使います。
高速加工時の振動や、重量のある高出力レーザーモジュールを搭載した際の負荷についてはMaster 2側の限界があります。

ステッピングモーターもそのまま

モーターそのものも交換していないので、NEJE 5の設定値をそのまま使えば良いとは限りません。
無理に加速度や最高速度を上げると脱調する可能性があります。

一番大きいのは「使い勝手」の向上

NEJE 5基板へ交換しても、同じレーザーモジュールを使用する限り、レーザーが突然強くなったり、刻印が2倍細かくなったりするわけではありません。今回のアップグレードで大きく変わるのは、レーザー加工機の使い方そのものと言えます。

特に便利なのは、

  • LightBurnからRECしてオフライン加工
  • LightBurnをワイヤレス接続
  • M8によるエアアシスト自動制御
  • M7による外部機器制御
  • DOORインターロック
  • ロータリー・Z軸への拡張

といった内容だと思います。
単純に画像や文字を木材へ刻印するだけならMaster 2純正基板でも困りません。
一方で、LightBurnを使って木材の切断などを本格的に行い、

加工開始
↓
エアアシストON
↓
排気ON
↓
レーザー加工
↓
加工終了
↓
エアアシストOFF
↓
排気OFF

といった自動化を行いたい場合には、NEJE 5基板への交換はかなり魅力的です。

古いMaster 2を捨てずに最新世代の機能を使えるのが最大のメリット

NEJE Master 2は発売からかなり時間が経っていますが、XY軸をベルトで駆動するレーザー加工機の基本構造自体は非常にシンプルです。
フレームやモーターが正常であれば、古くなったという理由だけで本体ごと買い換える必要性はそれほど感じません。

スマートフォンや家電のように本体丸ごと買い換えるのではなく、必要なところだけ交換して性能や機能を追加できるのはNEJEシリーズの大きな魅力だと思います。

交換手順

交換は思ったよりも簡単で、

  1. NEJE 2から基板を取り外す
  2. ハーネスを外す
  3. Y軸の根元にある衝突検知スイッチが付いた小基板も外す
  4. NEJE 5基板を取りつける
  5. NEJE 5基板にセットで付いてきたハーネスに交換する
  6. 衝突位置に3mm厚のゴムパッドを取りつける(別途購入する必要あり)

となります。
作業時間はおおむね30分~1時間程度でしょうか。

購入したキット一式。NEJE 5基板の他、せっかくM7対応になるので、エアアシスト用のエア電磁弁、ノズルなどのセットも購入してみました。エアポンプは高いので安価なものを手配中です。

左がNEJE 2基板、右がNEJE 5基板です。
スイッチやコネクタのレイアウトは同一なので、そのまま交換が可能です。
ハーネスを取りつける白いコネクタは、DOORや追加電源ケーブル、Z軸用などのコネクタが増えているのが解ります。M7、M8の端子は背面にあります。

交換するハーネスですが、X軸、Y軸の表示があるので迷うことはないと思います。
2本の太さがある、基部になっている、下に取りつけられている太いアームがY軸、レーザーユニットが固定されている、上部に取りつけられている細いアームがX軸となります。

3mm厚のゴムパッドは、X軸はレーザーを取りつける台座と、Y軸はコントロール基板の上側に取りつけました。
光の3mm厚丸ゴムを購入しましたが、サイズもちょうど良く便利でした。

エアアシストのノズルはレーザーモジュールのヒートシンクにドリルで穴を開け、ネジを使って取り付けることにしました。先端をレーザー照射部分に向けて曲げておきます。

電磁弁ですが、動作中は触れないくらい熱を持ちます。
両面テープで貼り付けてみましたが、熱で接着剤が劣化して剥がれてしまったので、後日台座にネジで固定する予定です。

評価

NEJE 5基板への交換は、レーザーそのものの加工能力を向上させるアップグレードではありません。その代わり、制御系を一気にNEJE 5相当に現代化できます。
Master 2のフレームやモーターがまだ正常なのであれば、本体をNEJE 5へ丸ごと買い換えるよりも安価に済むのもメリットと言えます。

古いMaster 2を現在も使っていて、LightBurnやエアアシストを活用して本格的なレーザー加工を行いたい人には、かなりおすすめできるアップグレードです。

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