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初心者がDIYで井戸掘りに挑戦!電動ポンプを設置して井戸を完成させるまでの全手順

DIY

我が家は庭を全面芝生のドッグランにしていることもあり、とにかく水をよく使います。特に夏場の水やりで水をよく使うこともあり、水道代がじわじわとかさんでくるのが以前から気になっていました。

そこで前々からやってみたかったのが、庭に自分で井戸を掘ること。業者に依頼すると数十万円コースになりますが、DIYであれば道具代くらいで済みますし、なにより「自分で掘った井戸から水が出る」というのは、DIY好きとしては一度は味わってみたい達成感です。

……と、軽い気持ちで始めたのですが、結論から言うと想像の何倍も大変でした。それでも無事に深さ8mまで掘り進め、電動ポンプでしっかり水が出るところまで到達できましたので、これから挑戦される方の参考になればと思い、道具の選び方から掘削、井戸枠の設置、エアリフト、ポンプの配管まで、一連の流れを丁寧にまとめてみました。
専門用語もできるだけ噛み砕いて説明していきますので、初めての方もぜひご覧ください。

そもそも井戸ってDIYで掘れる?

「井戸を掘る」と聞くと、大がかりな重機で何十メートルも掘るイメージがあるかもしれませんが、家庭で水やりや雑用水に使う程度であれば、実は手掘りでも十分いけます。

井戸には大きく分けて「浅井戸」と「深井戸」があります。ざっくり言うと、地表に近い比較的浅い地下水を汲むのが浅井戸、もっと深い層の水を汲むのが深井戸です。今回作るのは、手掘りで届く範囲の浅井戸。ポンプも浅井戸用のホームポンプを使います。

手掘りといっても専用のキットが市販されていて、「オーガー」と呼ばれるドリル状の道具で地面を掘り進めていきます。とはいえ、後述するように深くなるほど作業は一気にハードになりますので、そこは覚悟が必要です。

浅井戸と深井戸、用途の違い

浅井戸は、地表に近い場所(最初の粘土層より上)にある地下水を汲み上げる井戸です。おおむね10m前後までの浅い層が対象で、今回のように吸い上げ式のポンプ(THP-81KFなど)で汲み上げられるのが特徴です。
手掘りでも掘りやすくDIY向きですが、水量や水質が天候・季節に左右されやすく、地表からの汚れの影響も受けやすいため、飲用よりは散水・掃除などの屋外用(生活雑用水)に向いています。
今回の井戸もこの使い方を前提にしています。
業者に頼んだ場合、費用はおおむね20万〜50万円程度のようです。内訳は、掘削作業費(約15万〜30万円)、ポンプ機械・配管費(約5万〜20万円)となります。

深井戸は、粘土層などの水を通しにくい層をさらに突破した、深い場所の地下水(被圧地下水)を汲み上げる井戸です。深さは数十メートル以上(30~80m程度)になることも多く、地表付近の吸い上げ式ポンプでは届かないため、井戸の中に沈める水中ポンプを使います。水量・水質が安定していて汚染も受けにくいので、飲用や生活用水として使いやすいのがメリットです。
ただし掘削には専門的な機材が必要で、業者依頼となり、費用も一般的に100万円〜300万円以上と大きくなります。

ざっくり言えば、「屋外の雑用水を安く手に入れたいなら浅井戸(DIY向き)」「飲用も含めて安定した水がほしいなら深井戸(業者向き)」というイメージです。

どれくらい掘れば水が出る?事前にあたりをつける

やみくもに掘り始める前に、「自分の家の土地では、だいたい何メートルくらいで水が出そうか」を事前に予想しておくと安心です。

参考になるのが、国土交通省などが公開している国土地盤情報検索サイト「KuniJiban」です。
これは全国のボーリング調査(地盤を実際に掘って地質を調べたデータ)を地図上で閲覧できるサイトで、自宅の近くに調査地点があれば、「何メートルでどんな地層になっているか」「地下水位はどのあたりか」といった情報の目安になります。

もちろん、地下の様子は数十メートル離れただけでも変わることがあるので、あくまで「あたりをつける」程度のものですが、まったくの手探りで掘り始めるよりは、心の準備という意味でも見ておく価値があります。

用意したもの(掘削キット・工具・配管パーツ)

今回の井戸掘りで使ったものを、用途ごとに整理してご紹介します。数は多いですが、大きく「掘削の道具」「エアリフト用」「ポンプと配管まわり」の3つに分けて考えると分かりやすいです。

掘削道具

まず、穴を掘るための道具一式です。

最初の試し掘りに使うのがポストホールディガー。オーガーは、井戸掘り用のスターターセットを購入しました。このセットで6mまで掘れます。それ以上掘る場合は延長パイプを継ぎ足していきます。

6m以上掘る場合に必須なのが、ロッド(掘削パイプ)の脱着を補助する専用の器具です。深くなるとパイプの抜き差しが難しくなるので、ロッドを途中で簡単に脱着できるワンタッチアダプターが必要となります。
また、脱着したロッドが井戸の中に落ちると取り出すのはほぼ不可能なので、クロスも合わせて用意しておくと安全かと思います。クロスを使わない場合は、10m程度のロープを下部のロッドに結びつけておくと万一のトラブルの際に引き上げることができます。
我が家の場合は詳しくは後ほど説明しますが、クロスとワンタッチアダプターは使用しませんでした。

このほか、井戸枠に巻いて砂の侵入を防ぐための寒冷紗と、それを固定する結束バンドも使います。
結束バンドは品質が良いヘラマンタイトンのインシュロックがお勧めです。安い結束バンドは強度がないのでVU管を打ち込む際に切れてしまいがちです。

エアリフト用(泥水・砂の排出)

砂層の泥水を汲み出すための「エアリフト」で使う部材です。エアホースと、コンプレッサーにつなぐためのカプラ(ワンタッチ接続金具)、空気量を調整するための小さめのボールバルブを用意します。
ウレタンホースは空気量を確保するためにも、内径7mmのものがお勧めです。
ウレタンエアホースのみ2つ(20m)、残りのプラグ・バルブは1つずつ購入します。

エアリフトの仕組みは後ほど詳しく説明します。

ポンプと配管まわり

水を汲み上げる電動ポンプと、その配管に使う部材です。今回選んだポンプは、寺田ポンプ製作所の浅井戸用ホームポンプ THP-81KF。地域の電源周波数に合わせて、我が家は50Hz品を選んでいます。

ポンプの取水側(吸い込み側)には、砂を噛まないように砂取器を挟みます。継手や六角ニップル、ボールバルブ、そしてネジのすき間から水が漏れないようにするシールテープも必要です。

ポンプの吐出口(水が出てくる側)は、蛇口にしようか迷ったのですが、我が家で一番よく使うタカギのホースニップルを取り付けることにしました。ホースニップル側がG3/4、ポンプ側がR3/4とネジ規格が違うので、変換用のニップルを間に入れています。

このほか、井戸枠に使うVU75管、取水管・エアリフト管に使うVP20管、それらをつなぐ継手類(TS継手バルブソケット、VP20エルボなど)はホームセンターで購入しています。井戸の側面を保護するUV75管およびエアリフト・取水用のVP20管は井戸の深さが決まってから購入したほうが無駄がありません。必要なパイプの長さは、VU75管は掘った深さ+1m、VP20管は掘った深さ+1mとポンプまでの配管分となります。
井戸枠を打ち込むための「かけや(大きな木槌)」もあると便利です。

井戸を掘る場所を決める

井戸を掘る場所ですが、以下の条件を満たす場所が適しています。

  • 作業する十分なスペースがある(6~8mのパイプを横に倒して置ける)
  • ガスや水道管、下水管などの配管がない
  • 電動ポンプを設置する場合100Vの配線が可能
  • ベランダのすぐ側(詳しくはの後ほど説明します)

掘った土を置いておく場所も必要ですし、オーガーや塩ビパイプを組み立てたりするスペースも必要です。特に、6~8mの長さになったオーガーはバランスを崩してぶつけやすいので、隣の家や車などにぶつからないように注意してください。
井戸は電動ポンプの設置が便利ですが、100Vの配線が必要となりますので注意してください。

まずはポストホールディガーで試し掘り

場所が決まったらいよいよ掘り始めますが、いきなりオーガーを突っ込むのはおすすめしません。地表近くには大きな石やがれき、既存の配管などが埋まっていることがあり、オーガーだと引っかかって作業になりません。

そこで、最初はポストホールディガー(穴掘り器)で掘れるところまで掘ります。実は私も、最初に選んだ場所は1mほど掘ったところで大きながれきに当たってしまい、あえなく掘る場所を変えました。
地表近くはいろいろなものが埋まっていますので、何度か掘る場所を変える可能性がある前提で作業するのが良いと思います。

ポストホールディガーで掘れるところまで掘ったら、そこからオーガーにバトンタッチします。
ポストホールディガーのみで、おおよそ1m程度は掘れると思います。

オーガーで掘り進める

オーガーはドリル状になっているので、ハンドルを回すだけで土を巻き込んでサクサク掘れます。ある程度掘ったら引き上げて、先端に付いた土を落とし、また掘る……ひたすらこれを繰り返します。

購入したスタートセットですが、オーガー、スイコ、ハンドル、パイプレンチ、90cmロッド×6本がセットになっています。
ロッドを接続する際、グリスをネジ山部分に塗っておくと後で外すときに少し楽になります。

順調なうちは1人でも作業できるのですが、後述するように深くなってくると一気にきつくなります。とりあえず、水が出てくるところまで掘り進めていきます。

「宙水」に注意。本命は粘土層のさらに下

我が家の場合、4mほど掘ったところで水が出てきました。「おっ、もう水が出た!」とテンションが上がるところですが、ここで満足してはいけません。

この深さで出てくる水は、多くの場合「宙水(ちゅうすい)」と呼ばれるものです。宙水とは、地中の粘土層(水を通しにくい「不透水層」)の上に、お皿に水が溜まるようにして留まっている地下水のこと。要するに、雨水などが一時的に溜まっているだけの水です。

宙水は、日照りが数日続いただけで枯れてしまうことがあり、水量も安定しません。井戸として安定して使うには不向きなので、ここは我慢して、粘土層を突き抜けたさらに下の、安定した水を狙って掘り進めます。

粘土層・シルト層を突破して砂層へ

ここからが、井戸掘りの一番の山場です。

我が家では4mあたりからきめの細かい粘土層に入りました。この粘土層がなかなか手強く、突破するのに7mくらいまで掘り進める必要がありました。粘土はオーガーにみっちりと張り付くので、1回掘るごとに引き上げて土を落とす手間もかかり、遅々として進みません。
下の写真のような、グレーの粘土層をひたすら掘り進めます。

宙水を突破し、粘土層を掘るときが一番重労働です。オーガーに粘土が食いつき、周囲は水で満たされている状態なので、オーガーを引き上げようとすると真空状態となり引き上げることができません。
ハンドルを360度回してから180度戻し、5cmくらい上に引き上げてから再度ハンドルを360度回し…というように、小刻みにドリルを回し、時々少しだけ引き上げることで引き上げやすくなります。
ドリルが回るからといって一気に掘り進めると引き上げることが出来なくなり、腰を痛める原因となりますので、少しずつ掘り進めましょう。

7mを過ぎるとシルト層(粘土より少し粗い層)になり、8m弱でようやく完全な砂層に到達しました。ここまで来ると、オーガーではもう掘り進められません。砂は崩れてしまい、オーガーですくい上げようとしても中に留まってくれないのです。

なぜ砂層まで掘る必要があるのかというと、粘土層のような不透水層を突き抜けた下にある砂層(帯水層)には、安定した量の地下水が蓄えられていることが多いからです。先ほどの宙水と違って、この層の水は簡単には枯れません。井戸として長く使うためには、この砂層まで到達することが重要になります。

つまり井戸掘りは、「粘土層をどれだけ根気よく突破できるか」の勝負とも言えます。宙水が出たくらいで満足せず、諦めずに掘り続けることが肝心です。我が家は3m以上の粘土層があり、正直「まだ砂層にたどり着かないのか……」と心が折れかけましたが、ここを乗り越えると一気にゴールが近づきます。

このような砂が出てくるとゴールが近いです。

砂層はスイコで掘る

砂層を掘るには「スイコ」という道具を使います。スイコは、筒の先に弁が付いた構造の道具で、上下に動かすと弁が開閉して、砂や泥水を筒の中に吸い込んで回収できる仕組みになっています。

ただ、8mもの長い棒の先にスイコを付けて、それを何度も上げ下げするのは現実的にかなり厳しい作業です。そこで我が家では、スイコにロッド1本と1kgほどのおもりを付けて(底に突き刺さりやすくするため)、ロープでくみ上げる方式に変更しました。棒でやるより、ずっと扱いやすくなります。

ここで一つ大事な注意点。スイコには、念のためロープを2本取り付けておいてください。1本だけだと、万が一ロープが切れたりしてスイコが井戸の中に落ちてしまうと、引き上げる手段がなくなってしまいます。深い井戸の底に道具を落とすと、ほぼ回収不能です。

スイコである程度まで砂を除去できたら、いよいよ井戸枠を入れていきます。

井戸枠(VU75管)を埋め込む

掘った穴に、井戸の「枠」となるパイプを埋め込みます。使うのはVU75管(外径75mmの塩ビ管)です。オーガーが径100mmなので、75mmのVU管なら継ぎ手部分が少し太くなる程度で、スムーズに入っていきます。
必要な長さは、井戸の深さ+1mを目安にすると良いかと思います。我が家の井戸は8mまで掘り下げましたので、VU75管は2mを4本と1mを1本の合計9m、VP20管はポンプまでの配管にも使うので2mを5本、計10m購入しました。

井戸枠ですが、地中の水をパイプの中に取り込めるよう、先端側の50cmほどにドリルで穴を開けておきます。ただし穴だらけのままだと砂まで一緒に入ってきてしまうので、砂の侵入を防ぐために寒冷紗(目の細かい布)を巻き、タイラップ(結束バンド)でしっかり固定しておきます。これが簡易的なフィルターの役割を果たします。

VU管に穴を開ける際に、ステップドリルがあると便利です。
2cmの穴を50~60程度開けてみました。

穴を開け終えたら外側に寒冷紗を巻き、タイラップでしっかりと固定します。
寒冷紗を巻く方向は、VU管を回し入れる方向と逆向きにしておくと摩擦が巻きを締める側に働いて緩みにくくなるのでお勧めです。

我が家の井戸は深さ8mなので、2mのVU管を4本と、1mを1本つないで、地上に1mほど飛び出す形にしました。パイプを砂層に埋め込む際は「かけや(大きな木槌)」で少しずつ打ち込んでいきますが、力を入れすぎるとパイプが割れてしまうので要注意です。

VU管を入れたら、スイコでさらに底の砂を吸い出し、少しずつ打ち込む……を繰り返して、30cmくらい沈めていきました。

エアリフトで泥水と砂を排出する

さて、ここでスイコ作業をしていると、ある問題にぶつかります。砂が水に舞ってしまって、なかなかうまく取れないのです。作業が遅々として進まないので、ここで「エアリフト」という方法に切り替えました。

エアリフトとは?

エアリフトは、井戸掘りでは定番の、空気の力で水や泥をくみ上げる仕組みです。

原理はシンプルで、井戸の中に細いパイプ(今回はVP20管)を差し込み、細いパイプの中にエアーホースを差し込み、下のほうからコンプレッサーを使って空気を送り込みます。すると、パイプの中で空気の泡と水が混ざり合い、まわりの水より軽くなります。軽くなった泡混じりの水は上へ上へと押し上げられ、パイプの中を勢いよく上昇して地上に噴き出してくる——これがエアリフトです。ストローを細いグラスに差し込み、勢いよく空気を吹き込むとグラスの中の液体が吹き出るのをイメージすると分かりやすいかもしれません。

ポンプのように可動部がないので、砂混じりのドロドロした泥水でも詰まらずに汲み出せるのが大きなメリットです。だからこそ、井戸底の砂・泥の除去にうってつけなのです。

ちなみに、エアリフトに使うVP20管は、井戸が完成したらそのままポンプにつなぐ取水管として使えるので、無駄になりません。

コンプレッサーの選び方

エアリフトで一番のポイントになるのが、コンプレッサーの「吐出空気量(L/min)」です。ここが井戸の深さに対して足りないと、水を押し上げきれず、エアリフトがまったく機能しません。

我が家のような8mの井戸だと、目安として100L/min程度はほしいところです。家庭用のDIYコンプレッサーだとパワー不足になりがちなので、業務用クラスが必要になります。
※タイヤに空気を入れるコンプレッサーではまったくのパワー不足で、業務用のエアーツール用コンプレッサーが必須です

そこで問題になるのがコンプレッサーの調達です。レンタルを探したのですが、個人向けに業務用コンプレッサーを貸してくれるところは見つかりませんでした。結局、中古を購入するのが現実的という結論に。
今回はMAXのスーパーエアコンプレッサー AK-HL1050EKを、中古・送料込みで15,000円ほどで入手しました。このモデルは吐出空気量が120L/minと、8mの井戸には十分なスペックです。

中古でコンプレッサーを探すのであれば、以下のモデルがお勧めです。

  • HiKOKI / 日立工機 EC1445H2
  • HiKOKI / 日立工機 EC1245H / EC1245H2
  • MAX AK-HL1270E2 / AK-L1270E2系
  • 日立工機 PA2000VH
  • マキタ AC221N / AC220N

なお、コンプレッサーを購入する際は、空気漏れがないか、タンクにどれくらいの時間でエアーが溜まるか、などについて確認しておくと良いかと思います。
そこそこの値段がしますが、井戸を掘り終えたら売却できますし、レンタルと違っていつでも作業できる利便性があります。

実際のエアリフト作業

空気を一気に送り込むと、VU75管から水がドバッと噴き出してきて危険です。そこで、エアの経路の途中に小さめのボールバルブ(Rc1/4のもの)を噛ませて、空気量を細かく調整できるようにしておきます。

最初は少しずつ空気を送り込み、VP20管から水が勢いよく出てきたら、そのバルブ位置をキープして連続運転に入ります。すると、掘っている最中に溶けた粘土などが混ざった、ドロドロの泥水がものすごい量で出てきます。砂混じりの泥水が、かなりの勢いで噴き出してくるので、周囲が汚れないように排水先には注意してください。

VP20の先に45度のエルボーを2つ繋げたものを取り付け、50mmのダクトホースを繋いで泥水が噴射されてもまわりに被害が及ばないようにしました。
特に、最初の泥水の頃はものすごい勢いで泥水が噴き出しますので、こういった対策は必須となります。
エルボーは90度のものでも利用可能ですが、角度が大きいとコーナー部の抵抗が大きくなりますので、45度のエルボーを2つ継ぎ足してコーナー角を緩くした方が、使いやすいと思います。

しばらくエアリフトを続けていると、だんだん水の透明度が上がってきます。VP20管を上下左右に動かして、井戸底に溜まった砂も巻き込みながら吸い上げ、しっかり除去していきます。

ある程度まで砂と泥水を除去できたら、今度はパイプを動かさずに、底から30cmくらいの位置にセットして固定します。その状態で、中の水がきれいになるまでエアリフトを続けます。

ここは手を抜かないことが大切です。砂の混じった泥水をそのままポンプ(THP-81KF)に吸わせてしまうと、ポンプが砂を噛んで故障や摩耗の原因になります。 砂混じりの泥水は、必ずエアリフトで出し切って、水をきれいにしておいてください。

このくらい水が十分にきれいになれば、エアリフトは完了です。

取水管とストレーナーを取り付ける

エアリフトが終わったら、使っていたVP20管を一度引き上げ、先端に「ストレーナー」を取り付けます。ストレーナーは、ポンプが砂やゴミを吸い込まないようにするための、取水口のフィルターです。今回はTHP-81KFに付属していたストレーナーを使いました。

取水管ですが、上の方は継ぎ手ソケットを使って脱着可能にしました。全て接着剤で固めてしまうと、砂取器などの交換を行う際にパイプを切断する必要がありますが、取水管と地上部の配管を分離可能にしておくと後のメンテナンスの際にとても便利です。

VU75管には蓋を付けて雨水などが入らないようにしますが、完全に密封してしまうとポンプが水を吸い上げにくくなりますので、小さい空気穴を開けておきます。
配管工事の際、VP20管が落ちないよう、余っていた防草シート用のUピン杭の針金をうにストッパーにしたところとても便利でした。

井戸ポンプ(THP-81KF)を設置する

取水管の準備ができたら、ポンプを設置して配管をつないでいきます。

取水側(吸い込み側)の配管は、ポンプ側から順に以下のように接続しました。
【THP-81KF】-【SFN-20(六角ニップル)】-【砂取器】-【TS継手バルブソケット】-【VP20エルボ】-【取水管】

砂取器をポンプのすぐ隣に取りつけるために、六角ニップルを使って直接ポンプに取りつけました。
砂取り器の角度がちょうど良い位置にならない場合は、シールテープを厚めに巻いて調整すると良いと思います。

吐出側の配管は、最短経路でタカギのニップルに繋がるようにしています。
【ネジ付蛇口ニップルL G070CG】-【OS-008MK(変換ニップル)】-【ボールバルブ】-【THP-81KF】
一般的な蛇口は取付部の口径が1/2と小さく、また、今回はポンプに直接取りつけるために、蛇口ではなくオンダ製作所のボールバルブ FF3型(フルボア)を取りつけました。日本製だけあって動作も完璧で、レバーが大きいので操作もしやすくとても便利です。

今回は使いませんでしたが、R3/4をRc1/2(呼び13)に変換するブッシングを使えば、ポンプに直接一般的な蛇口を取りつけられそうです。

ここで1点注意があります。タカギのニップルはG3/4ですが、ポンプやボールバルブはR3/4となります。G3/4とR3/4には互換性がありませんので注意してください。(水漏れの原因になります)

R3/4は先に行くほど細くなる「テーパーねじ」で、G3/4は太さがずっと同じ「平行ねじ」です。
R3/4 は、ねじ込むほど食い込んで締まり、ねじ山+シールテープで水漏れを止めます。
G3/4 はねじ自体では水を止めず、パッキンやOリングを面で押さえて水漏れを止めます。
パーツを購入するときは、どちらの規格か確認してから購入するようにしてください。

ネジで接続する各部には、シールテープを巻いて漏水を防ぐのを忘れないようにしてください。ここを怠ると、空気を吸い込んでポンプがうまく水を上げられなくなることがあります。

ポンプの設置場所にも、ちょっとしたコツがあります。THP-81KFは地面に直置きせず、さび止め塗装をしたワイヤーラックの上にコンクリート板を置き、そこにアンカーを打ち込んで固定しました。

地面に直置きすると、(1)湿気で錆びやすい、(2)放熱しにくい、そして我が家にとって切実なのが(3)犬がオシッコをかけてしまう、という三重苦があります。特に犬のオシッコは、電気製品であるポンプにとってかなり危険なので、少し高さを付けて設置できるようにしておくのがおすすめです。庭をドッグランにしている我が家では、これは死活問題でした。

呼び水を入れて、いよいよ通水テスト

配管がすべて終わったら、最後の仕上げです。ポンプに「呼び水」を入れます。
呼び水とは、ポンプが水を吸い上げ始めるための「きっかけ」となる水のこと。ポンプ内部が空っぽの状態では水を吸い上げられないので、あらかじめ水で満たしてあげる必要があるのです。
※呼び水を入れずに電源を入れると故障の原因となります

呼び水を入れて電源を入れると、数分ほどで水が出てきます。うまく水が出た瞬間は、正直かなり感動しました。あれだけ苦労して掘った甲斐があったというものです。

このTHP-81KFは、蛇口(今回はホースニップル)を開けるとポンプが自動で動き出して水が出て、閉じるとポンプも止まるという仕組みです。いちいちポンプのスイッチを操作しなくていいので、普段使いがとても快適です。動作音も静かで、庭で使う分にはまったく気になりません。

なお、THP-81KFは井戸の深さ8mまでの対応となっているので、それより深い井戸には使えません。ポンプを選ぶ際は、自分の井戸の深さに対応しているかを必ず確認してください。

ポンプが砂を噛んで止まってしまった場合

エアリフトで砂を除去しきれていない、あるいは取水パイプが井戸の底に近すぎる、水の中に砂が舞っている…などの理由でポンプが一気に砂を吸い込んでしまうと、砂取器でも除去しきれず、ポンプの中に砂が入ってしまうことがあります。

ポンプが砂を噛むとモーターが回転できなくなり、サーモスタットが作動してモーターが停止してしまいます。その場合は、まずコンセントを抜き、マイナスドライバーを使ってモーターの軸を少しずつ左右に回し、回転がスムーズになったらサーモスタットボタンを押して復帰させます。
その後、コンセントを接続すると再度モーターが回転するようになります。

大量の砂を吸い込むと故障の原因になりますので、エアリフトによる砂の除去は確実に行い、ポンプの設置・始動は1日程度時間をおいて井戸の中の砂が落ち着いてから行うなどの対応を行うことをお勧めします。

かかった費用について

きちんと集計はしていないのですが、掘削キット、VU/VP管などの塩ビ管、配管パーツ一式、電動ポンプ、そして中古コンプレッサー(約15,000円)を合わせて、ざっくり14万円前後、といった感じだと思います。

ポンプ:57,000円
井戸掘りセット:39,000円(基本セット36,000円+延長パイプ3,000円)
コンプレッサー:15,000円
配管パーツ・工具等:30,000円

業者に井戸掘りを依頼すると数十万円かかることを考えると、かなり安く上がったと思います。
もちろん、掘削にかかった労力と時間は相当なものなので、単純な金額だけでは比べられませんが、「自分で掘った」という満足感まで含めれば、DIYの価値は十分にあると感じています。

気になる点・注意点

実際に井戸を掘ってみて感じた、正直な注意点をまとめておきます。これから挑戦される方は、ぜひ目を通しておいてください。

掘削パイプは6mを超えると危険
オーガーのパイプは、6mを超えたあたりから一気に扱いが難しくなります。引き上げてオーガーに付いた粘土を落とす際にパイプを寝かせると、鉄パイプが自重で大きく曲がり、最悪の場合は折れます。
6m以上掘る場合は、ベランダなどの高所に滑車を付けてパイプをロープで結んで保持するか、パイプを途中で簡単に取り外せるキットを選んで4mあたりで分割する、といった対応が必要です。

ベランダのすぐ近くで掘ると格段に楽
我が家は井戸を掘った場所のすぐ上がベランダだったので、妻にベランダに立ってもらい、引き上げたパイプを2人がかりで扱いました。さらに、ベランダに滑車を取り付けてパイプの終端にロープを結んでおくと、引き上げがぐっと楽になります。作業性を考えると、掘る場所選びは意外と重要です。
個人的には、作業の安全性も考えると、ベランダのすぐ側を強くお勧めします。

作業スペースの確保
深く穴を掘ると、それだけ長いパイプを扱うことになります。8mのパイプを横にして置くスペースも必要ですし、パイプを立てたり引き上げたりする際に、隣の家や停めてある車などにぶつけないよう、周囲の余裕も確認しておきましょう。

粘土層の突破は根気勝負
繰り返しになりますが、宙水が出たくらいで満足しないこと。安定した井戸にするには、粘土層を突破して砂層まで到達する必要があります。
我が家は3m以上の粘土層があり、ひたすら掘り続けました。とにかく諦めないことが肝心です。

砂混じりの泥水はポンプに吸わせない
エアリフトの項でも触れましたが、砂混じりの泥水をポンプに吸わせると、砂を噛んで故障や摩耗の原因になります。エアリフトで水をしっかりきれいにしてから、ポンプにつなぐようにしてください。

コンプレッサーはレンタルより中古購入が現実的
エアリフトは砂・泥水の排出にほぼ必須ですが、必要なパワー(100L/min以上)の業務用コンプレッサーは、個人向けのレンタルを行っている業者は近隣では見つかりませんでした。エアリフトの作業工数は天候や井戸の状況により変わりますので、利用期間に制限があるレンタルよりも、中古で購入するのが現実的だと思います。

井戸水の汲み上げは手動ポンプでもいいが、電動ポンプが断然おすすめ
手押しの手動ポンプという選択肢もありますが、蛇口の開閉だけで使える電動ポンプ(THP-81KF)の快適さは格別です。水道の蛇口と同じ感覚で、蛇口を開ければ水が出て、閉じれば水も止まります。ポンプの音も静かで、普段使いのハードルがぐっと下がります。

洗車には適さない
井戸水にはミネラル分が多く含まれており、井戸水が蒸発するとウォータースポットの原因となってしまうことがあるため、洗車には適しません。また、細かい砂などが混じることもありますので、ボディーの傷に繋がる恐れもあります。

井戸の届出・水質について
最後に、制度面についても少しだけ。家庭用の小型ポンプを使う浅井戸であれば、多くの自治体では大がかりな許可は不要なことが多いです(工業用水法や条例による揚水規制は、主にポンプの吐出口断面積が大きい事業用の井戸が対象になります)。
我が家がある自治体も、THP-81KF程度の出力のポンプであれば申請不要で設置可能でした。

ただし、自治体によっては小規模でも「井戸設置届」を求めていたり、地盤沈下対策の指定区域では規制があったりします。念のため、お住まいの市区町村のホームページか窓口で確認しておくと安心です。
また、汲み上げた水を飲用に使う場合は、水質検査が必要になります。我が家のように庭の水やりや掃除といった雑用水で使う分には気にする必要はありませんが、飲み水にする予定の方はご注意ください。(そもそも浅井戸は大腸菌やピロリ菌などが存在している場合があり、飲用に適さないです)

まとめ

正直、当初思っていたよりはるかに大変な作業でした。特に3m以上あった粘土層の突破は、掘っても掘っても粘土ばかり出てくるので、これ、本当に砂層に到達するのか?と心折れそうになることも。
それでも、自分の手で掘った井戸から水が出てきたときの達成感は、DIYの中でもトップクラスです。

ポイントを改めてまとめると、こんなところでしょうか。

  • 事前にKuniJibanで地層のあたりをつけておく
  • 最初はポストホールディガー、その後オーガーで掘り進める
  • 4mくらいで出る宙水で満足せず、粘土層を突破して砂層まで掘る
  • 6m以上は危険なので2人作業&分割で
  • 砂層はスイコ+おもり+2本ロープを使うと楽
  • 井戸枠(VU75)は先端に穴+寒冷紗でフィルター化
  • 砂・泥水はエアリフトで徹底的に除去(コンプレッサーは業務用中古)
  • ポンプは地面直置きせず、架台に固定

水道代の節約という実利もさることながら、いざというときの備えにもなりますし、なにより「井戸を自分で掘った」という経験そのものが、なかなかできない面白い体験でした。庭に十分なスペースがあって、DIYを楽しめる方には、挑戦する価値のあるプロジェクトだと思います。

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