毎日の足として、また、犬の搬送や長距離ドライブにと酷使しているメルセデス・ベンツ Vクラス(W447 V220d)ですが、先日ついに10万キロを超えました。
年間2万キロ以上のペースで乗っていますので、走行距離の積み上がり方は早いです。運転もとても楽で、ユーティリティとしても便利な車ですので、20万キロくらいまでガンガン乗りたいと思っています。(あと4~5年くらい?)
ちょうど折り返し地点ということもあり、長く乗るつもりなので、このタイミングで消耗品をまとめてリフレッシュしておくのがコスパ的にも精神衛生的にも正解だろう、ということで今回まとめて交換に踏み切りました。
先日の足回りリフレッシュ(KW V3装着)に続いて、今回作業をお願いしたのは同じくいつもお世話になっているボッシュ認定の整備工場です。ディーラーではありませんが、外国車にも対応してくれるのでありがたいところです。徒歩3分くらいなのもありがたいところ。
今回交換したのは以下の5項目です。
- エンジンマウント
- ミッションマウント(トランスミッションマウント)
- 燃料フィルター
- ATF(オートマチックトランスミッションフルード)+オイルパン交換
- デフオイル(リアデファレンシャルオイル)
上記に加え、オイル&エレメント交換も含めた今回の総額は、約24万円でした。
10万キロでリフレッシュした理由
「10万キロ走ったら買い替え時」という感覚を持っている方も多いと思いますが、実際のところ、ちゃんとメンテナンスすれば10万キロはむしろ折り返し地点にすぎません。
ただし、何もしないまま乗り続けるのは別の話で、ゴムや樹脂系のパーツ、オイル類は確実に経年劣化します。
今回の交換はいずれも「壊れたから交換する」ではなく、「劣化する前に先手を打つ」という、予防整備の考え方です。エンジンオイルなどは交換必須ですが、ブッシュ類やATF、デフオイルなどは交換しない方も多いと思いますが、やはりある程度の距離を乗ったら交換することをお勧めします。
乗用車で20万キロを目指すなら、10万キロ時点でまとめて手を入れておくのが、結果的に一番コストパフォーマンスも良いと思っています。バラバラに何度もショップに持ち込むより、1回の作業でまとめてやってもらった方が工賃も節約できますし、何より車の状態を把握しやすくなります。
エンジンマウント交換
エンジンマウントは、エンジンとボディの間にある防振ゴムの塊です。
新品の状態ではエンジンの振動をしっかり吸収してくれているのですが、10万キロも走るとゴムが劣化・硬化してきて、振動を吸収する能力が低下してきます。
Vクラスは重たいディーゼルエンジンを積んでますし、10万キロも走るとエンジンマウントの劣化もかなり進んでいると思います。
交換前の症状
私の場合、顕著に感じていたのはエンジン始動直後と信号待ち時など、停止時の振動です。
特に冬場の寒い朝にエンジンをかけた直後、アイドリング回転数が落ち着くまでの間、ステアリングやシートを通じてかなりはっきりとした振動を感じていました。走り出してしまえば振動は収まるのですが、停車中にじんわり伝わってくる細かい振動が、ここ数万キロはずっと気になっていました。
「ディーゼルだからまあこんなもんか…」と半ば慣れてしまっていたのですが、交換後に乗り比べると、これが劣化によるものだったと一目瞭然でした。
交換後の変化
交換してすぐ気づいたのは、アイドリング時の振動の質が明確に変わったことです。
エンジンが動いているのはもちろん分かるのですが、ボディへ伝わってくる振動の粗さがなくなり、激変しました。ステアリングに手を乗せていても、以前のようなザラついた振動感がほとんど感じられません。新車のような状態でとても上品です。
取り外したエンジンマウントを見せていただきましたが、ゴム部分を貫通している鉄製の管?の遊びがかなり大きくなっており、振るだけでガタガタしている状態でした。
エンジンマウントは外からは見えない地味なパーツですが、体感できる変化という意味では今回の交換項目の中でもかなり上位に入ります。
W447のようなディーゼルエンジン車は、ガソリン車に比べてアイドリング振動が出やすい特性があります。それだけに、マウントの劣化による振動増加も出やすく、同じくらいの走行距離のW447オーナーには、一度チェックしてみることをお勧めしたいパーツです。見違えるように静かになりますよ。
ミッションマウント交換
トランスミッションマウントは、エンジンマウントと同様にトランスミッション本体をボディに固定し、振動を吸収する役割を担っています。
こちらはエンジンマウントと比べると体感の変化はやや地味ではあるのですが、ゴムの劣化という意味では同じように進行します。エンジンマウントを交換するなら、同じタイミングでまとめて交換するのが合理的です。
費用も単独で依頼するより工賃がまとまるので、「どうせバラすなら一緒に」という判断です。
交換後は発進時や変速時のショック感がわずかに減った印象があります。ATF交換の効果と混在しているので単独での評価は難しいのですが、駆動系全体がスムーズになった感覚は確かにあります。
燃料フィルター交換
V220dはもちろんディーゼルエンジンですので、燃料フィルターはガソリン車より重要度が高い部品です。
ディーゼル車は燃料噴射システムの精度が非常に高く、コモンレールシステムでは数百MPaという超高圧で燃料を噴射しています。この精密な噴射ポンプやインジェクターをゴミや水分から守るのが燃料フィルターの役割で、詰まったり機能が低下すると、エンジン出力の低下や最悪の場合はインジェクターにダメージを与えかねません。
外してもらった古いフィルターを見せてもらいましたが、汚れはそれなりにありました。目詰まりするほどではなかったようですが、これまでの走行を支えてきた形跡はしっかりありました。
交換後の体感的な変化はほぼなく、これは「効果を感じるより手前で替える」のが正しいパーツだと思っています。
燃料フィルターを交換したので、DPF燃焼強化・インジェクター洗浄剤を入れてクリーニングしてみる予定です。この手のアイテムは、燃料フィルターが汚いと燃料フィルターの汚れを溶かしてエンジンに送ってしまう可能性があるらしいので、燃料フィルター交換のタイミングで使うのが良いと思います。
ATF(オートマオイル)交換+オイルパン交換
今回の交換項目の中で、体感変化が一番大きかったのがATFです。
W447に搭載されている7G-TRONICトランスミッションは、メルセデスが誇る7速ATです。非常に洗練された変速フィールが特徴ですが、ATFは使用とともに確実に劣化します。
一般的にATFは「無交換でも問題ない」とされることがありますが、これは「早急に壊れるわけではない」という意味であって、「交換しなくていい」という意味ではありません。フルードが劣化すると油膜保持力や粘度特性が低下し、変速ショックの増加や長期的なトランスミッションへのダメージにつながります。
圧送式(フラッシング)で交換
今回の交換方法は圧送式です。
単純に排出するだけの自然排出式と異なり、機械でトランスミッション内部に新しいオイルを圧送しながら古いオイルを押し出す方式で、トルクコンバーターの中のオイルまでしっかり入れ替えることができます。10万キロ走ったATFをしっかりリフレッシュするには、この方式が適切です。
ATオイルパンも同時交換
今回はATFと同時に、ATオイルパン(バルブボディカバー)もセットで交換しています。
オイルパン内にはストレーナー(フィルター)が内蔵されており、これが劣化していると交換後も汚れが循環し続けてしまいます。ATFを圧送式でしっかり交換するなら、オイルパンごと新品に交換するのが、理にかなった作業です。
外してもらったオイルパンの状態を見せてもらいましたが、内側がかなりの黒ずみでべったりと汚れていました。フルードそのものも劣化が進んでいる状態と思われ、圧送式でしっかり入れ替えて、オイルパンも新品にしておいて正解でした。
交換後の体感変化
これは今回の修理でも効果が体感で分かりやすかったです。
走り出してすぐ、変速ショックが明らかに減っていることに気づきました。
「変速ショック」というと派手な症状を想像するかもしれませんが、ATFの劣化は少しずつ進行するため、交換前の段階では明確な違和感を感じていたわけではありませんでした。「そういうものだ」と思って乗っていた、という方が正確です。
ところが交換後に走り出すと、変速のつながりが明らかにスムーズ・マイルドになっていることにすぐ気づきました。「あ、これが本来のフィールか」という感覚です。
3速→4速→5速と加速していくときのつながりがスーッとスムーズになり、特に市街地での低速域での変速が明らかに上品になりました。
「徐々に悪化すると気づきにくいが、交換すると一目瞭然」というのはATFの典型的なパターンで、これを体感するとATFの定期交換の重要性を改めて実感します。
7G-TRONICは適切なメンテナンスをすれば非常に長持ちするトランスミッションですが、逆にATFのケアを怠ると修理費が高額になる部位でもあります。10万キロというタイミングでのATF交換は、予防整備として非常に意味のある作業だったと思います。
デフオイル交換(リア)
W447のV220dはRWD(後輪駆動)ですので、デフはリアのみです。
デフオイルはエンジンオイルのように頻繁な交換は不要ですが、5〜10万キロを目安に交換するのが一般的です。オイルが劣化するとデフの動作音が増加したり、最悪の場合はギアの摩耗につながります。
こちらも燃料フィルター同様、このタイミングでリフレッシュすることにしました。
体感での変化は正直なところほぼありませんが、これも「変化を感じる前に替える」ものです。リアデフを良い状態に保つという意味では確実に意味のある作業です。
費用と効果のバランスは?
今回の5項目まとめて交換、オイル&エレメント交換込みで総額約24万円でした。
決して安くはないのですが、バラバラに替えていた場合の工賃の合計を考えると、まとめて依頼した方が効率的です。それに何より、10万キロを超えて劣化した部品をリフレッシュしたという安心感があります。
体感変化の大きかった順に並べると、
- ATF交換:変速ショックの改善が一番わかりやすかった
- エンジンマウント交換:アイドリング振動の質が明確に改善
- ミッションマウント交換:発進・変速のスムーズさが向上
- デフオイル交換:体感変化は地味だが、予防整備として重要
- 燃料フィルター交換:体感変化はなし。インジェクター保護の観点で必要
といった感じです。
燃料フィルターとデフオイルは「交換しても劇的には変わらないけど、しないと後が怖い」という種類の整備で、逆にATFとエンジンマウントは交換後に「あ、全然違うぞ」と乗っていてすぐ分かる整備です。
10万キロを超えてまだまだ乗り続けるつもりのW447オーナーには、足回りのリフレッシュ(ショック交換など)と合わせて、今回のような消耗品のまとめ交換を検討してみることをお勧めします。新車時の上質なフィーリングが復活し、「おお、こんな感じだったのか!」と感激すること間違いなしです。
「不具合が出てから直す」より「劣化が進む前に替える」の方が、長い目で見れば絶対にお得です。目指せ20万キロ、という意気込みで、これからもしっかり乗り続けていきたいと思います。


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