我が家の庭には100㎡強の芝生エリアがあります。ドッグランとして使っているので、芝はできるだけ伸ばして柔らかく保ちたいのです。理由は、短くするとあっという間に穴掘られる…上に、そもそも地面自体が穴を掘ったり走り回ったりでかなり凸凹があるので、ゴルフ場のように綺麗なフラットな芝生面にできないのです。
そのため芝刈りは「低く刈り揃える」ではなく、「伸びすぎた部分だけ均等にカットする」というスタンスで行っています。
これまで使っていたのは、京セラ(旧リョービ)のHLM-3000。手動リール式としては価格が手頃で、刈り幅30cmという条件も満たしていた…のですが、使い続けるうちに限界を感じるようになりました。
HLM-3000の何が不満だったのか
以前のレビュー記事でHLM-3000を紹介していますが、当時の評価は総合2.5点。あの時点で既にかなり苦しい評価でしたが、使い続けてさらに不満が積み重なっている状態でした。

切れない→力が必要→タイヤが滑る、の悪循環
手動リール式の芝刈り機は、タイヤの回転で刃が回り、その刃で芝を挟んでカットする仕組みです。刃の切れ味が落ちてくると、芝を切るのに余計な力が必要になります。すると、刃を回すためにより強く地面を蹴って進まないといけないため、結果としてタイヤが芝の上で空回りしてしまうのです。
この問題に対してタイヤにネジ釘を打ち込んでスパイク状にするという力業で対処をしていたのですが、それはタイヤのグリップ問題に過ぎず、根本的な「刃が切れない」という問題は解決しません。
つまり、腕だけではなく腹も使い、渾身の力を込めてアームを押さないと芝が刈れないという修行みたいな状態になり、真夏は汗だくになりながら格闘をしていました。
何の修行だ。
グラスキャッチャーが致命的に使いづらい
HLM-3000のグラスキャッチャーは布製です。
これが芝でいっぱいになった状態で片手で外そうとすると、くるっとひっくり返って中身をそのへんにぶちまける…という事故を何度やったか分かりません。布の形状が自立しないので、両手でしっかり抱えないと安定しないのです。
結局、芝の刈り取り自体よりも、このキャッチャーの処理でストレスを溜めることになっていました。
ゴミ袋に中身を捨てる時に、どうしても片手で持たないといけないのですが、片手で持てないというジレンマ。設計した人、なに考えているんでしょうか。
騒音問題
HLM-3000は刃と受刃の当たり具合によって、「ギャラギャラ」「ギィィィ」という金属同士が干渉するような不快な音が出ることがあります。住宅街に家があるので、手動式なのにそれなりにうるさい、というのも地味にマイナスポイントでした。
バロネスLM4Dの選定理由
バロネスは岡山に本社を置く国産の芝刈り機メーカーで、ゴルフ場やサッカースタジアム向けの本格的な業務用芝刈り機を製造しているメーカーです。ゴルフ場のグリーンやフェアウェイを整える本職の刈り機の技術を使って家庭用芝刈り機として作り上げた製品が、このLM4Dです。
HLM-3000を購入した際、実はバロネスは最初から選択肢に入っていました。ただ価格が高かったのと、当時の用途でハイカット仕様に対応するモデルがなかったため、見送っていた経緯があります。
使い続ける中でHLM-3000の限界が明確になってきたこと、そしてLM4Dにはハイカット対応のオプションキットが出ていることを知り、今回の買い替えに踏み切りました。
他にはキンボシのゴールデンスターも選定候補にありましたが、前回安物を買って失敗しているので、どうせ買うなら最高級品を!ということでバロネスLM4Dの購入に踏み切りました。
しかし、お値段約8万円…高い。
ハイカットオプションキットとは
LM4D本体の刈高は標準で6〜35mmの8段階調整です。通常の高麗芝なら十分な設定幅ですが、我が家で育てているティフトン419(センチピードグラスのティフ・ブレアから、より繁殖力の強いティフトン419に主役が交代)のような葉が広めの西洋芝は、成長点を刈り取らないためにも、ある程度高めでカットする必要があります。
ハイカット仕様オプションキットを組み合わせると、最大刈高が35mmから大幅に拡張され、最大50mmの高刈りが可能になります。
我が家では実際に45mmで使用しています。ドッグランとして使っている芝なので、あまり短く刈りすぎると根付きや密度に影響が出るため、この高さがちょうど良いバランスです。
ハイカット仕様オプションの取り付け方法
ハイカット仕様オプションは購入後自分で取りつける必要があります。
取り付けに必要な工具も入っていますので、説明書に従って作業するだけです。
1点注意が必要なのは、ローラーを外す際、スプリングワッシャーが鉄板に食い込んでバリのように尖った状態になっているので、そこで手を切らないようにしてください。

金属片が飛び出ているのが解りますでしょうか?
かなりのトルクで締め付けられていますので、スプリングワッシャーが金属の表面を削り取ってバリになっています。事前にヤスリで削っておくことをお勧めします。

こんな感じでひっくり返して作業します。
特に難しい作業ではありません。
バロネスLM4Dを使ってみた感想
切れ味が別次元
とにかくこれに尽きます。恐ろしく切れます。凄いです。感激。
HLM-3000と比べると、「切れる」という概念が根本的に違います。
LM4Dは6枚刃のバロネスリールカッターを搭載しており、この刃の精度と切れ味が飛び抜けています。押している最中に一時停止してハンドルから手を離しても、「カラカラカラ…」と刃が惰性でスムーズに回り続けるくらい抵抗が少ない。
そして芝に当たると「スッパスッパ」と、まるでハサミで切るような感覚で刈り取っていきます。HLM-3000が「使い古した百均のハサミ」だとしたら、LM4Dは「燕三条の匠が作ったハサミ」です。この差は実際に使うと一瞬で分かります。

LM4Dの刃。すさまじく切れます。
6枚刃なので気持ちいいくらい、サクサク切れます。
力がいらない
切れ味が良いということは、余計な力が要らないということでもあります。
HLM-3000の頃はタイヤをスパイク化してもなお渾身の力で押していましたが、LM4Dはそんな必要が一切ありません。タイヤが空回りすることも皆無で、普通に押すだけで芝が次々と刈り取られていきます。しかも、刈った刃先は勢いよくグラスキャッチャーに飛んで行くくらい切れます。
夏の芝刈りがこんなに楽になるとは、と感動しました。むしろ芝刈りが以前の修行から楽しい作業に変わってしまいました。これだけでも価格相当のメリットがあります。
とにかく静か
HLM-3000であれだけ気になっていた金属干渉音が、LM4Dでは全くありません。
刃と受刃の精度が高く、不必要な接触が起きていないからだと思いますが、動作音はただ「シャー、シャー」という低めで爽やかなカット音のみ。近所迷惑を気にせず早朝に作業できるくらい静かです。
グラスキャッチャーが優秀
HLM-3000で最大の不満だったのがキャッチャーでしたが、LM4Dのグラスキャッチャーはまったく別物です。
まず樹脂製で自立します。これだけで使い勝手が段違いです。芝が満載になった状態でも片手で外せて、そのままゴミ袋の上にひっくり返すだけでスルッと出てきます。HLM-3000のようにひっくり返って中身をぶちまける悲劇とは無縁です。
また、刈り取った芝の収集率が格段に高いです。HLM-3000は刈り取った芝がキャッチャーに入りきらず、明後日の方向に散らかってしまう(半分くらいしか拾えない)ことが多かったのですが、LM4Dではほぼ全量がきれいにキャッチャーに納まります。刈り終わった後の地面の後処理がほとんど不要になりました。

こんな感じで、ほぼ全ての刈った芝がキャッチャーに収まります。
これだけでも買い換えた価値があったというものです。
唯一の欠点を挙げるとすれば容量がもう少しあるとありがたい、という点くらいです。
気になる点
正直に言うと、本体の重さはそれなりにあります(11kg)。女性や高齢の方にとっては、取り回しの面でやや大変に感じるかもしれません。とはいえこの重さが刈り込みの安定感にもつながっているので、一概にデメリットとも言い切れないところではあります。
一度地面に置いてしまえば、刃の切れ味がすさまじいので軽い力で押せばスパスパと芝を刈れますので、重量感はほぼ感じません。本体重量が軽いけど切れない芝刈り機よりも、遙かに作業が楽です。
あとはやはり価格です。LM4D本体+ハイカットオプションセットのAmazon購入価格は78,980円でした。手動の芝刈り機に8万円近い出費は、正直なかなかの決断でした。
ただ、バロネスは10年間の部品無料保証がついています。1万円台の機械を数年で使い捨てるより、長い目で見れば合理的な選択だと思っています。
まとめ
HLM-3000との比較で言えば、ほぼ全ての面でバロネスLM4Dが上です。切れ味・静粛性・グラスキャッチャーの使い勝手、どれをとっても別次元の完成度です。
また、ハンドルも分割不可ですがデザイン性もよく、洗練されているので気に入っています。
価格差は確かに大きいですが、ゴルフ場向けの刃物技術を家庭用に落とし込んだ、きちんとした製品、を使うとこんなに芝刈りが楽になるのか、という体験は非常に価値がありました。
ドッグランのように高めの刈高が必要な方はハイカットオプションとのセット品を選ぶのが正解で、このあたりの用途をちゃんと考えて製品ラインナップが揃えられている点もさすがだと思います。

45mmで刈り込んだ芝。ゴルフ場のラフみたいな感じです。
芝刈り機の買い替えを検討中で、予算が許すなら迷わずバロネスをお勧めします。
これ買っておけば間違いなし、の一台と言えます。
ハイカットオプションが付属しない、通常版は以下となります。
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