Ryzen 7 5800Xを使っているゲーミングPCですが、最近のパーツ高騰(特にDDR5)を考えると、来年早々のタイミングでZen6に移行するのは時期尚早と判断し、現在の環境をあと1~2年延命させることにしました。特に重たいゲームを遊ぶ訳でもないので、今のスペックでも十分なんですよね。
AM4プラットフォームを延命することに決めたので、気になっていたマザーボードの入替を行いました。SSDにintel Optane DC SSD P4800XのPCIe版を使っているのですが、B550環境ではRTX5080ビデオカードがPCIe x16を塞いでしまうので、そのままではPCIe x1しか使えず、仕方が無いのでライザーケーブルを使ってPCIe x8を引き出していました。
しかし、ライザーケーブルは不安定さの原因になることもあります。そこで、ライザーケーブルを使用せずにSSDを装着できるX570チップセットのマザーへの入替を行うことにしました。
運良く、ASUSのROG STRIX X570-E GAMING WIFI II(後期改良版)を手に入れたのでこちらに乗り換えました。
マザーボードを入れ替えた結果、今まで問題無く動作していたPCが、再び突然の再起動を起こすようになってしまいました。以前同様の症状が発生し、CPUの省電力設定を変更して対応したものです。

問題を特定し対応するために、claudeの力を借りつつ、原因を探っていたところ特定できましたので、メモを残しておきたいと思います。
まずは結論から
Ryzen 7 5800Xが、低負荷時の電圧変動(省電力状態からの復帰、1コアだけの瞬間的なブースト)に耐えられずにハードウェアエラーを起こしていました。昔は問題無く動作していたので、おそらくCPUの劣化の可能性がありそうです。
電圧を少し盛ることで問題が解消しました。
詳細については、以下でご説明します。
発生していた症状
主な症状は以下となります。
- ブラウザ程度の軽い負荷やアイドル中に、BSOD が出ないまま突然リセットされる
- 頻度:2026/9/14〜10/1 に 20回(10/1 だけで 7回)
- 一部は画面オフやスタンバイに入るときに発生
- BSOD は 2回だけ(
0x133 DPC_WATCHDOG_VIOLATION)
特徴的なのはBSOD(青画面)にならずに突然リセットがかかってしまう、という点です。また、ゲームなどの高負荷時には発生せず、ブラウザを使っていたりPCがアイドル時に省電力モードに移行するタイミングで不具合が発生します。
ハードウェア構成
ゲーム用PCのハードウェア構成は以下となります。
- CPU:Ryzen 7 5800X
- マザーボード:ROG STRIX X570-E GAMING WIFI II(BIOS 5044)
- メモリ:G.Skill DDR4-3600 の 8GB×2 と 32GB×2 の混在、計 80GB
- GPU:RTX 5080
- 電源:ROG STRIX 1000W Platinum
試したが効果がなかった対策
| 対策 | 結果 | 除外できたもの |
|---|---|---|
| memtest86 | エラーなし | メモリ単体の不良 |
| メモリ 2枚・2666MHz で運用 | 効果なし | 4枚混在の負荷、Infinity Fabric |
| Power Supply Idle Control を Typical Current Idle に変更 | 効果なし | 一般的なアイドル対策でも直らず |
真っ先に疑ったのがメモリでした。DDR4-3600のメモリを、32GB×2枚、8GB×2枚という混在構成で80GBのメモリを搭載しています。
当初codexに症状を相談していた際にメモリ周りを確認するように指示があったので、DOCP(intelのXMPをAMDプラットフォームで変換して使うための仕組み)をdisabledにし、2666相当に速度を落としたり、2枚で試してみたりしましたが、結果は変わらず。
memtest 86+で全チェックも行ってみましたが、エラーは発生せず完走しました。DDR4-3600のメモリを4枚ですから、Infinity Farblicへの負荷はそれなりに重たいものだと思いますが、安定して動作しています。
次に試したのは、AMDも推奨しているPower Supply Idle Control を Typical Current Idle に変更する方法。この設定にすることで、CPUが無操作時に極端な低消費電力状態へ入るのを制限し、その状態への移行・復帰で起きるフリーズや再起動を減らすことが期待できます。
結論から言うと効果はありませんでした。残念。
こうなると、Windowsのログを解析して原因を探った方が速そうです。
そこでclaudeの力を借りることにしました。個人的な見解ですが、この手の調査にはchatgptよりclaudeの方が正しい回答を出してくれることが多いです。
ログ解析で分かったこと
- Kernel-Power 41:BugcheckCode=0 → OS を経由せず、ハードウェアがリセットしている
- WHEA-Logger ID 18(CPU の致命的エラー=Machine Check Exception)
- Bank 5(実行ユニット)の Cache Hierarchy Error:別々のコア(APIC 6・14)で発生 → CPU コアの計算エラー
- Bank 27 の Bus/Interconnect Error:APIC 0 で 4回
- WHEA を残さずにリセットされた回もある
ログ解析を行ったところ、上記のエラーが記録されていました。特にWHEA-Logger ID 18が多発しているのが問題で、これはOS やドライバの問題ではなく、CPU がハードウェアとして異常を検出してリセットしている状態です。
このようなハードウェア起因によるリセットはBSOD(いわゆる青画面)にならずに突然リセットがかかることが多く、今回の症状とも一致しました。
ログ解析で状況が確認できましたので、原因の絞り込みを行います。マザーボードは動作品を購入していますし、前のB550でも省電力設定が原因で落ちていましたので、流用したハード(CPU)に問題がある可能性は高そうです。
電源は昨年春に新品に交換済、メモリはmemtest86+でエラー無しでしたので、原因から除外しました。
リセットがかかるのは、ブラウザを利用しているなどの低負荷のときだけ。となると、GPUの高負荷が原因とは考えにくいので、RTX5080も原因から除外しました。
ログから確認出来た事実と、B550のときに省電力設定を変更したことでリセットする状況が改善できたことを考えると、CPUが低負荷時の電圧変動(省電力状態からの復帰、1コアだけの瞬間的なブースト)に耐えられずにエラーをだしている可能性が高そうです。
組んだときはこのようなことは有りませんでしたので、CPUの劣化の可能性が高そうです。
効いた対策
BIOSで以下の設定を行ったところ、今までリセットが発生していた状況がピタッと止み、安定するようになりました。
- Global C-state Control を Disabled
→ 省電力状態への出入りをなくす - CPU Load-line Calibration を Level 3
→ 電圧の落ち込みを抑える
両方とも、CPUの電力供給を盛る方向の設定となります。電圧低下の際に不具合が起きるのであれば、低下しすぎないように制限をかけることで、安定稼働するようにしました。
デメリットとしては数ワット程度消費電力が増えることでしょうか。また、Load-line Calibrationを上げることで負荷時の電圧が増すので、消費電力が上がることで負荷時の発熱が増えます。
また、CPUが直った訳ではなく、不安定にしないようにする対応のため、劣化が進めば不安定になる可能性もあります。Vcoreオフセットを+0.025V程度盛ることで対応できると考えていますが、根本的な問題解決ではないので、最終手段はやはりCPU交換かと思います。
交換するとなると、AMD Ryzen 7 5800X3D 10th Anniversary Edition一択だと思いますが、今更6万円出すのもなぁ…という気もします。ただ、DDR5メモリを64GB買うと10万円を余裕で超えますので、プラットフォーム全体の入替費用は20万円では収まりません。
悩むところです。

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